「千の想いを」~第三章・境界・固定イベント「演習」#3~
- mamiya_AFS
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縦横無尽に揺さぶりをかけているが、瞬く間に対応されるのを肌で感じる。 引き金を引くだけなら誰でもできる事だ。 武器の特性を知り、適応させる能力に関しては夕張の右に出る者はいない。 追いつかれる…! 榛名がそう感じた直後、夕張が身を強ばらせ、攻撃が唐突に止まる。
2014-03-29 00:38:39夕張の背に砲撃を当てて制止させた夕立が、煤けた頬に笑みを浮かべる。 焦げた穴が無数に空いたマフラーをたなびかせ、傷だらけとなった四肢を震わせ一陣の風となって夕張に迫っていく。 迎撃の間をじぐざぐにすり抜け、夕張の肩を踏み付けて額へと銃口を押し付ける。
2014-03-29 00:46:36強引に身を捩って直撃は避けて逃れたものの、体積の大きい武装には深刻なダメージを与える事には成功した。本人の身体にも幾つかの銃創が刻まれる。 至近距離からの応酬も、残像を残して跳び退った夕立には当たらない。 機を逃すまいと距離を詰める榛名からも逃げるように、夕張が後退していく。
2014-03-29 00:52:27@Yuudachi_DD @tiyodadayo 距離を詰められるのは、不味いわね…!(引き撃ちしながら)
2014-03-29 00:25:16元々足の遅い夕張が後退しながらで、本気を出した榛名と夕立から逃れられる道理があるはずも無い。 氷の如く冷たい瞳を向ける榛名と、誰かの悪夢を再現したような笑顔の夕立に、あっという間に詰め寄られる。
2014-03-29 00:56:01夕立の射撃がふとももに喰い込み、ひざの皮を剥ぎ、足首を引き裂く。 榛名の回し蹴りが鳩尾に突き刺さり、呼吸が止まった瞬間に顎を蹴り砕かれる。
2014-03-29 01:00:55一瞬飛んだ意識を、壮絶な痛覚と強固な意思だけで引き戻し、血を吐きながら夕張が引き金を引く。 装備の半分以上が、まともに機能していない事を夕張が認識する。照準関係が主だ。 それは故意に狙って潰されたんだとも理解する。 強い。 笑えない程にこの2人は強い。 …だからこそ。
2014-03-29 01:05:11榛名の細い身体が持ち上げられる。 軽い。 夕張は思った。 扱っている武器の重さと比べたら。 背負っているものに較べたら…!
2014-03-29 01:08:15もつれ合って横倒しになる2人に向かって、動いてくれる全ての装備に呼び掛ける。 首筋に火花の熱を感じた。 歪んだネジが軋む悲鳴を聴いた。 放熱の追い付かない砲身が傷に触れて煙を上げる。 鉄の塊に過ぎない存在が、限界を超えているのに主に応える。
2014-03-29 01:15:31口の中に溜まり続ける血を零しながら、酸素を求めて喘ぐ。大きく上下する肩と共に揺れる武装達は、かかる水滴を水蒸気に変えてとっくに超えた限界具合を示す。 額から流れる血に左目を歪めながら、夕張がゆっくりと顔を上げる。
2014-03-29 01:22:17視線の先で、距離を置いた榛名と夕立がゆっくりと立ち上がる。 どちらも甚大な被害を受けているものの、瞳は戦意を失ってはいない。 夥しい量の血を流す傷と火傷で染まり切った、1人と2人が再び向かい合う。
2014-03-29 01:26:57