地獄鎮守府の日常 #37~46

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白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

「お疲れ様、次の相手はメンバー交換の必要は無さそうね」 次に叢雲から通信が来る。 「そうだね、彼女の動きはどう思う?」 私は叢雲に問う、陽炎を旗艦にしてるが、実質的には叢雲が指揮官だ。 「若いわね、やっぱり、動きもそうだけど、気質がよ」 #地獄鎮守府の日常

2014-08-04 03:25:18
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

「気質か、難しい話だ」 「まぁ、誰かを助けようとしない、というのは良い所ね」 叢雲は語る、仲間を助けるリーダー、というのは良いリーダーのように感じる。だが、それは可能な範囲で行うからであり、助けられないものまで助けようとするのは、部下を死に送るただの馬鹿だ。 #地獄鎮守府の日常

2014-08-04 03:28:15
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

私はそのような『ただの馬鹿』を何度も嵌めて、その頭にライフル弾を叩き込んだから解る。彼らは物語では美談に語られるが、現実には敵のいいカモだ。 その点、私の陽炎はドライだ。現実的に救助が無理なら切り捨てるし、任務外の救難要請にも非常に冷淡に対処する。 #地獄鎮守府の日常

2014-08-04 03:30:56
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

必要があれば助けるし、必要が無いのなら切り捨てる。その気質は一見リーダー向きではないが、私は逆に、現実主義な制御役として適性があるのではと考える。 「若ささえどうにかなれば化ける、かやっぱ」 「そうね……その位かしら、話す事なんて……あ、不知火はどう?」 #地獄鎮守府の日常

2014-08-04 03:33:35
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

叢雲はわたしにタブレット越しに問い掛ける。 不知火の方を見ると、ビニールプールの中からじっと、私を覗いてた。 「特に変わりなし、さ、じゃあ切るよ」 「ええ」 そう会話を交わし、通信を切る。 「不知火の事は気にしなくても構わないのに」 不知火が拗ねる。 #地獄鎮守府の日常

2014-08-04 03:35:19
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

彼女は割とやきもち焼きだ、だから彼女を宥めるため、プールの近くに私は座る。 すると彼女が私の顔に、水を浴びせた。 「っ、何をするんだい?」 「ちょっとした悪戯です」 と、不知火が微笑んだ。 ならお返しだ私は彼女の柔らかい右手を掴み、抱き寄せる。 #地獄鎮守府の日常

2014-08-04 03:37:26
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

水で濡れた、ひんやりとした彼女との顔が近くなる。 「仕事中ですよ、それとも、不知火に落ち度でも?」 誘うような、不知火の笑み。 私はじっと彼女を見つめる。 「何もしないのですか?」 不満げな、不知火の言葉。 「してほしいかい?仕事中だというのに」 #地獄鎮守府の日常

2014-08-04 03:40:00
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

意地悪げに私は彼女に返す。 「自分でかんがえてくだ」 彼女が言い終わる前に、そっと唇を重ねる。 冷えた唇の感触が、夏の熱気を和らげる。 そして数秒ぐらいその感覚を味わって、唇を離す。 「これだけ、ですか」 不満げだけど、まんざらでもない不知火の様子。 #地獄鎮守府の日常

2014-08-04 03:42:51
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

「仕事中だからね」 そう、私は彼女に答えた。 「……では、続きは仕事が終わったらお願いします」 すると不知火は顔を赤らめ、恥ずかしがりながら私に返すのであった。 #地獄鎮守府の日常

2014-08-04 03:45:27

幕間

白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

叢雲が最近、式場について色々と紹介している。何でも形だけでも式をして正妻であると示したいとのことだ。「君は人間じゃない、モノだから必要ないのでは?」と問うと「だからこそよ、所有物の優先権を入力する作業になのよ」と答える。不知火と陽炎の暴走抑止なのだろうか。 #地獄鎮守府の日常

2014-08-05 01:43:26

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白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

食堂にて陽炎がラーメンを造って振る舞ってくれる。自信作らしいく、麺を食べると、以前陽炎と黒潮が酷い眼に遭ったラーメンに似た味がした。 「美味いな、けど、この味って……」 私が口に出すと、陽炎がにっこりと笑った。 #地獄鎮守府の日常

2014-08-05 01:53:33
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

「嫌がらせよ、あの店からレシピ帳とか大体奪ってやって模倣してやったのよ」 そう、陽炎は返す、チャーシューの味は、あの時味わった味に似てる、まさか。 「ねぇ、そのチャーシュー美味しい?」 熱の入った瞳で、カウンター越しに陽炎が私の顔を覗き込む。 #地獄鎮守府の日常

2014-08-05 01:54:58
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

その言葉で、その仕草で大体察しがつく。 「美味しいよ、うん」 「やったぁ!その肉……私の躰の肉なのよ?汚い、穢れた肉だけど、綺麗に、綺麗にするために漬けて、頑張って美味しいチャーシューにしたの。そう言ってもらえると嬉しいわ」 そう、楽しげに彼女は語った。 #地獄鎮守府の日常

2014-08-05 01:57:44
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

彼女の肉は食べ慣れている。というか彼女に喰わされてる、それが彼女なりの愛情表現の為、私もそれを食べる。スープの味は濃いが、その肉汁が味として染み込んだ濃いスープが太い麺に染み込み、おろしにんにくや盛られたもやしとレタスと絡み合い、絶妙なハーモニーを造り出す。 #地獄鎮守府の日常

2014-08-05 02:01:08
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

食べながら、僕の顔をお食べと顔を切り取り子供に食べさせるヒーローの童話を思い出す。あのヒーローも、自分の顔が美味しいと言われれば陽炎のように喜んだのだろうか。 そんなしょうも無い事を考えながら、私はラーメンを食べ続けるのであった。 #地獄鎮守府の日常

2014-08-05 02:02:04

幕間

白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

陽炎「あ、赤城さん、おは……あははは……ご、ごめん……」 赤城「くすっ……プロパガンダドラマのアレ、ひどかったですね」 陽炎「あ、赤城さんもやっぱり見たの?」 赤城「当然見ました、いくらなんでも低予算すぎでしょうあれ……プロパガンダドラマとは言え、あれはちょっとね」 #九龍鎮守府

2014-08-05 11:15:56
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

電「本当笑い所ばかりでしたよね、敵はアイドル俳優を雇ってるのか可愛く書き過ぎですし赤城の動きとか思いっきりミニチュア使ってましたよねあれ?」 陽炎「金剛の動きもいかにもミニチュアって感じよね、砲弾撃った所の特撮は頑張ってたけど……」 赤城「いいですよね、駆逐艦は」 #九龍鎮守府

2014-08-05 11:18:20
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

電「あの子とイ級だけあからさまに現役艦娘使ってましたね……ただあんな真似、新兵が真似したら十割十分大やけど、なのです」 陽炎「あの距離まで接近してると……そりゃねぇ」 電「あの距離での戦闘、バカみたいにやってる人、うちに一人いますけどね」 赤城「あー……」 #九龍鎮守府

2014-08-05 11:20:38
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

叢雲「くしゅん!……今、誰か私の噂をしたかしら……」 不知火「どうなんでしょう、司令、わかります?」 提督「私に振られても困るよ……」 #九龍鎮守府

2014-08-05 11:23:16
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