10周年のSPコンテンツ!
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白金桜花C96日曜西ゆ45a @YamanekoOuka
これは五月の半ば、叢雲が長期遠征で不在だった時期に起きた、事件の話だ。役1週間にも渡る叢雲を旗艦とした、欧州、アドリア海への潜水艦隊の長期遠征も本日には帰還できるとなり、そこそこごたついたものの何事もなく終わる事に安堵していた。 #地獄鎮守府の日常
白金桜花C96日曜西ゆ45a @YamanekoOuka
「もうすぐ、ですね」夕暮れ、そろそろ闇が深くなる時刻の執務室で、秘書艦をやっている不知火が私の机に緑茶とクッキーを置く。現在のこの区画では彼女が秘書艦をやっている。 #地獄鎮守府の日常
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これは叢雲の提案ではあり、叢雲自身はというと、秘書艦の相談役として裏から制御するポジションを得ている形だ。自分の派閥の不知火を鎮守府のナンバー2に置く事で金剛に牽制をする、金剛はその行為に対し不満はあれど、恭順の形はとっている。 #地獄鎮守府の日常
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彼女は感情的に見えて理性的だ、故に、叢雲がボロを出すのを伺っているのだろうかと私は考えながらクッキーを食べる。クッキーの少しくどい甘味と、程よいさくさくとした触感が心地よく、緑茶を飲むと苦味がクッキーの甘味を中和する。 #地獄鎮守府の日常
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「どうかしら、このクッキー、不知火が作ったのです」手を後ろに回し、好奇心に満ちた目で不知火が私に聞いてくる。「ああ、十分に美味しいよ。いっぱい味見をしたのだろうね」私はそう言って、笑顔で感想を示す。 #地獄鎮守府の日常
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「本当?……嬉しい」その笑顔に返すように不知火が、私に満面の笑顔を浮かべる。二人っきりの時にしか浮かべない、私の為に提供された笑顔だ。こうして笑っているところを見ると、彼女も小柄な、可愛らしい少女だと、改めて認識する。 #地獄鎮守府の日常
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そんな彼女の体を貪り、愛情を求める私は、傍目ろくでなしなのだろうなと思った所だった。 急に、強い力で扉が開かれた。 「はぁ……はぁ……た、大変です!」 扉を開いたのは矢矧だった、彼女は息切れをして、焦っているようだ。 #地獄鎮守府の日常
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その右腕は肘から先が吹き飛び、金属フレームと、その内部のケーブルが痛々しく露出し、ショートをしている。矢矧の痛々しい姿に不安感を私は感じ不知火の方を向くと、同じように不安げな顔をしていた。 「ああ、何があったのか説明してくれ」 #地獄鎮守府の日常
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私が矢矧に告げると、矢矧は状況を説明する。彼女の説明は興奮していて聞き取りづらかったが、要点を纏めると区画入口の露店街に武装勢力の襲撃が起き、大規模な虐殺が発生したのだという。 #地獄鎮守府の日常
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武装勢力は艤装を装着した大量の艦娘、およそ40隻程の戦力で、居合わせた警備の阿賀野や加賀と供に応戦するも、数の多さと統制に分の悪さを感じ撤退したのだと言う。「生存者は?」「わかりません、逃げるので精一杯で……」 #地獄鎮守府の日常
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私は気分が重くなる、露店街にも担当する艦娘が出店をしてる所はあるし、行きつけの露店だってある。それらが蹂躙されたとなると、無力感を矢張り感じてしまう。 アフリカではよくある感情だったが、香港、この九龍では味わったことの無い感情だ。 #地獄鎮守府の日常
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不知火がその説明を聞いて、怖くなったのか私に近寄り、手を強く、握りしめる。もしその虐殺に居合わせていたら、自分達が死んでたかもしれない、というのを彼女は解っているからだ。 #地獄鎮守府の日常
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だが、私はこうして手を拱いてるわけにはいかない。すぐさま私は現在の区画全域に、襲撃が発生したと通達、艤装及び、所属判別用の腕章着用を義務付け、主要な艦隊メンバーを執務室に招く。「shit……忌々しい、どこの襲撃ネ?」金剛が苦虫を噛んだような顔で私に聞く。 #地獄鎮守府の日常
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「私が知りたいぐらいだ、電、状況はさっき流した区画内放送の通りだ、偵察は出来るかい?出来るのならすぐに頼む」「40隻の大艦隊ですか?……まぁ、可能ですね、やってきますよ、一人ぐらいそちらに持ってきますからね」そう電は即答して、すっと執務室から出て行った。 #地獄鎮守府の日常
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「行きましたね……防衛体制はどうしましょう」不知火が不安げに、問い掛ける。 「そうね、この区画の通気口は余所の区画から入れない様にある程度の経路を封鎖しているから無理としても……窓から別働隊が来ることはありえるわ」それに対し大鳳が返す。 #地獄鎮守府の日常
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確かに、この鎮守府を襲撃するなら陽動の後窓から、と言うのが手っ取り早い。「だとすると執務室は一旦放棄、武器庫を拠点とし何重にも陣取った防衛網を設置、か」 私は提案する。この執務室も窓に面している、ここから襲撃が来た場合、私が死亡する可能性は非常に高い。 #地獄鎮守府の日常
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入渠エリアと装備庫で悩んだが、弾薬が尽きた事を考え入渠エリアまでの防衛線を構築する事を想定としながら、まずは弾薬を確実に確保できる所を拠点とする形となる。「では、電が来た際の合流の為に私がここに残りマース、OK?」金剛が挙手し、残る事を志願する。 #地獄鎮守府の日常
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「一人でやるのかい?」「襲撃が来てくれれば一石二鳥デース。こっちに釘付けできるし第一現在の装備じゃ通路内で使ったらオーバーキル、誤射の方が怖いネ」金剛はフフン、と笑みを浮かべる、ここは私に頼らせろ、というメッセージだ。 #地獄鎮守府の日常
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「わかった、無理しないでくれよ」彼女の機嫌を害しても仕方がないと考えた私は、金剛に志願通りの役割を任せ、装備庫の方に向かう事となった。 #地獄鎮守府の日常
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防衛キャンプを展開する中、予想通りラウンジや各種通路の窓から敵の艦娘が飛びこんでくる。突入する駆逐艦がメイン、武器庫およびその周辺の通路を中心とした防衛網を構築し、何名か砲火を交え他結果大破するものの、凌ぐことに成功した。 #地獄鎮守府の日常
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現在私は武器庫に机と指揮用の通信機等の各種機材を置いただけの即席の指揮場を構築し、そこで指揮を執る。そこは外からの攻撃に耐える為か部屋中に金属骨が張り巡らされ、電気の灯りが不調なのか薄暗く明滅する空間。 #地獄鎮守府の日常
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弾薬や艦娘用の武器、艤装パーツの予備等がある程度整頓されて置かれており、艦娘にとっても馴染み深い部屋だ。「現在Aポイント問題なし、とのことです」前線からの通信報告を、古鷹が行う。 #地獄鎮守府の日常
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艤装をつけた艦娘は、同じ艦娘同士の通信を行える、だが傍受の可能性も当然ながら高いため、あえてアナログの通信機にて通信を行う。「ただ、Aポイントの加古……ちょっと、久しい実戦だからか興奮してるみたいだね。提督、どうする?」 #地獄鎮守府の日常
白金桜花C96日曜西ゆ45a @YamanekoOuka
「損害は?」「右腕が吹っ飛んだだけみたい、状態としては小破、まだ撤退するほどじゃないけどね」「なら戦闘継続だ、好きなようにやらせておけばいいさ」「うん、わかった……こちらHQ、戦線を之までどおり維持させておいてください」 #地獄鎮守府の日常
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