不知火に落ち度はない その22

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yamoto @yamoto

「……でしたら、どうぞ」 は? え? これお前の傘じゃん、神通。 いや、そうするとお前が帰れなくなんじゃん。 「雨が止むまで待っていますから」 大和撫子とはこういうものなのでしょうか。 気持ちは嬉しいのですが。 #不知火に落ち度はない

2014-10-21 12:08:01
yamoto @yamoto

しっかり握らされて、お返しというのも難しそうな感じである。 どうしたもんか。 この後の業務を考えると、ここで一時間潰すのはあんまよくないしな。 不知火に連絡入れて迎えに来て貰うのももちろん無理。 司令室を開けろとか言えんわ流石に。 #不知火に落ち度はない

2014-10-21 12:10:26
yamoto @yamoto

あ、そだ。 俺に良い考えがある。 「じゃ、遠慮無く借りるわ、神通」 ばっと傘を広げると同時に、神通の肩を抱く。 「え……て、提督?」 #不知火に落ち度はない

2014-10-21 12:14:31
yamoto @yamoto

幸いにして神通の傘は大型だ。 流行の、とまではいかんがグラスファイバーの24本骨笠。 高耐久でこの程度の雨ならびくともしない。 デザインが和風なんで選んだのだろう。 鮮やかな赤と黒が特徴的である。 いいの持ってんな神通。 #不知火に落ち度はない

2014-10-21 12:16:57
yamoto @yamoto

「て、…っ ていと…く そ、その……」 「ん? 傘俺が持つから、一緒に帰ろうぜ」 でかいとはいえ二人分はなかなかカバーしきれないしな。 こうして面積を減らした方がいいだろ。 置いてけぼりにするという気まずさは解消できるし。 #不知火に落ち度はない

2014-10-21 12:18:45
yamoto @yamoto

「……は、はい。お、お供します」 「うし。じゃ出発」 そうして俺達は雨の中、戻ることにした。 傘は結局どこに消えたか不明だったが。 今日はそんな日。 神通に新型武器のテストを頼んだ日。 何故か相合い傘をするハメになった日。 そんな1日だった。 #不知火に落ち度はない

2014-10-21 12:24:54
yamoto @yamoto

「おお、お帰り神通ー。どうだった?」 「どうだったって……あの……別に」 「え。相合い傘したんじゃないの?!」 「──は?」 「うん。提督の傘ならこちらに。じゃじゃーん」 「……。姉さん?」 #不知火に落ち度はない #おまけ

2014-10-21 12:30:08
yamoto @yamoto

「で、どうだったわけ? 工廠課の中でなにやってたわけ? お姉ちゃんに話してよ、ねえねえねえ!」 「……。姉さん?」 「いや、お礼とかいいんだよ。ぜんっぜん。お姉ちゃん褒めてくれるだけで満足だから」 「……。姉さん」 #不知火に落ち度はない #おまけ

2014-10-21 12:32:55
yamoto @yamoto

「神通、傘を握りしめてどうしたの? えっと、あれ?」 「姉さん。お話があります」 「その片手平突きの体勢やめてくれたら、聞きたいかなぁ~って……」 「神通。参ります」 「わぁ!! 神通本気の目だわ!!」 ──おしまい。 #不知火に落ち度はない #おまけ

2014-10-21 12:35:40
yamoto @yamoto

と、いうわけで相合い傘へんでした。ながながしっけい。 恐ろしいことに無意識らしいぞ。あの駄提督。 恋文とかところてん式に抜けてんじゃないんですかあいつ。 駄提督への苦情とスーパー忍者へのおしおきは、感想タグでお送り下さい。 ではまた次回に。 #落ちぬい

2014-10-21 12:37:12
yamoto @yamoto

長門さんと焼肉に行くと、自動でお肉焼いてくれる上、はいあーんのサービスが何故かついてくるのはご存じのことと思う。 ではこの黒潮と陽炎を連れて行くとどうなると思う? #落ちぬい

2014-10-21 14:10:38