- dairokusendai
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吹雪からの手紙に一喜一憂して、様々な反応をしながら読み進める古鷹を叢雲は肘をついて、とても満足そうな顔をしながら眺めている。 「いやはや、楽しそうですなー」 いつの間にか夕張が後ろにいた。叢雲がビックリして変な声をあげてしまった。
2015-02-28 02:34:09「ちょ、ちょ、あんたいつの間に……」 「えーっと、便箋開けるくらいにはもういたかな? 2人とも全然気が付かないから声かけちゃったー」 「こんの……」 折角の時間を邪魔された叢雲は夕張を睨みつけるが、夕張は全く動じない。
2015-02-28 02:37:32「いやいや、それにしても確かに古鷹がこんな嬉しそうな顔をするなら、叢雲さんが、なんやかんやいいながら吹雪ちゃんから手紙を預かるのも納得できますなー」 「ちょっ、あんたなんでそれを」 「返信を書く様に催促したとか、校正したとか言う噂も入ってきておりますが?」
2015-02-28 02:43:34叢雲が夕張の口を塞ごうと必死になるが、夕張はひょいひょいとかわす。 「いやはや他に聞いた話では……」 「ちょ、やめなさい。やめなさいってば!」 叢雲が古鷹の方をちらりと見ると、古鷹はまだ吹雪の手紙の世界だ。
2015-02-28 02:46:27夕張の手を掴んで、そのまま締め上げる。それでも黙らない夕張をさらに強く締め上げる。 「黙りなさい!」 「叢雲ちゃんはルンルンでし……さすがに痛い!痛い!」 古鷹が手紙を読み終えて視線を上げると、叢雲と夕張が関節技を決めてじゃれ合っていた。
2015-02-28 02:49:38手紙を読んでいて気が付かなかったらしく夕張に驚いていた。 「夕張姉さんも来てたんだ! おかえりなさい!」 夕張もまた護衛船団の一員で、古鷹と吹雪を妹の様に可愛がっている。しかし今は、目に涙を浮かべて、ギブ!ギブ!と叫んでいる。
2015-02-28 02:53:03「……2人ともなにしてるの?」 「それは……痛い痛い痛い!」 「なんでもないわ」 古鷹の頭にクエスチョンマークが浮かび、それに答えようとした夕張は、叢雲によってさらに強く締め上げられた。
2015-02-28 02:54:41結局、古鷹鑑賞会を邪魔された叢雲は終始ご機嫌斜めで、ぷりぷりしていた。古鷹は、夕張の分のお茶を入れながら、二人に説明を求めるが、夕張もおもしろがって教えてくれなかった。
2015-02-28 02:57:15