同居する森と月とエイプリルフール

森「ニャン!(オレと)」 伊「わん!(オレが)」 森「ニャーニャーニャン(犬と猫になっちゃった話だ!)」
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同居する森と月bot @doukyomi5

スーパーから帰る途中で、大家さんちの猫と目があった。 「にゃー、にゃにゃにゃにゃー」 「ニャン」 なんとなく何言われたかわかった。(多分、あなたタイプじゃないわって言われた)って伊月に言ったら爆笑された。

2015-04-01 18:50:42
同居する森と月bot @doukyomi5

伊月が刺激物をすごく嫌がったから、カレーはいつもより辛くない奴にする。(匂いもダメみたいで、鼻をおさえて嫌がってる) オレは猫舌で熱いのがダメだから、かなり冷まして食べる。 いつもは結構、喋りながらご飯食べるんだけど(行儀悪い)、今日は喋っても何言ってるかわからない。

2015-04-01 19:00:44
同居する森と月bot @doukyomi5

でも喋れないのも半日続ければ、表情や仕草でなにを言おうとしてるのかわかるようになる。 おいしいですね。 うん。 お水おかわりしますか? お茶のほうがいい。 TVつけようか。ニュース見る? オレは別にいいです。森山さんは? オレもいいや。じゃあ消しとこう。

2015-04-01 19:05:40
同居する森と月bot @doukyomi5

くらいの会話なら、声に出さずとも通じるようになった。 食器の音だけの静かな食卓だったけど、奇妙に満たされた気分になる。

2015-04-01 19:10:41
同居する森と月bot @doukyomi5

風呂を嫌がる猫の本能と、イケメンとして身綺麗にしていたいというオレの中の常識がせめぎ合って大変だったが、シャワーで流すだけの風呂を浴びて(風呂時間8分は最短記録だ)、後は寝るだけにする。 『明日起きたらちゃんと耳なくなってんのかな、心配だ』 外れる時痛かったらどうしよう。

2015-04-01 21:40:44
同居する森と月bot @doukyomi5

『自然に消えてることを祈りましょう。でも、もうなくなっちゃうかと思うと名残惜しいですね』 確かに犬耳伊月の可愛さたるや名残惜しいので、最後に二人で何枚か写真を撮った。 『今だからいうけど、肉球もあったほうがより可愛かったよな。や、耳と尻尾だけでも充分可愛いけど』

2015-04-01 21:45:42
同居する森と月bot @doukyomi5

『はいはい。オプション無しのいつもの伊月は可愛くないですもんね』 『なに言ってんの。いつもの伊月が一番可愛いよ』 冗談にマジレス、の勢いでオレが真剣に書いて返したもんだから、伊月が真っ赤になって硬直してる。 耳も尻尾もぴんと立っちゃってる。 「クゥ……」

2015-04-01 21:50:39
同居する森と月bot @doukyomi5

喉の奥を慣らすみたいな消え入りそうな声。 犬にも照れた時の鳴き声ってあるんだろうか。 もー、森山さんはすぐそういうこと言う、みたいな顔で伊月がニラんでくる。だって真実だからね、ってオレは返したけど、ちゃんと伝わってるかな? オレは言おうと思ってたことを書きなぐった。

2015-04-01 21:55:41
同居する森と月bot @doukyomi5

『なんにもしないから、今日一緒に寝ないか?』 人恋しい、誰かとくっついて眠りたい。獣の本能なのかどうなのかは知らない。 春は発情期らしいが、そういう意味でもなくて、ただ伊月を抱きしめながら寝たらすごく安心するし、幸せだろうな、って思った。 エロいことなんてしないよ。

2015-04-01 22:01:13
同居する森と月bot @doukyomi5

……うん、しない、んじゃないかな。大丈夫、我慢できる。伊月があんまり可愛かったらちょっと噛んだり舐めたりするかもしれないけど、しないしない。 『オレも今そう言おうかなって思ってました』 オレの内心の葛藤は素知らぬ顔で、伊月がにっこり笑って、達筆な文字を書いてみせた。

2015-04-01 22:05:39
同居する森と月bot @doukyomi5

森「にゃーにゃー(今日のイベントパートは終了です。オレと伊月がベッドの中でにゃんにゃん(死語)したかどうかは皆の想像にお任せするよ。尻尾かわいいよねー…尻尾プレイとかねえ、あー可愛い)」 伊「わんっ!(森山さん…なに考えてるんですか?)」 森「ニャイニョ!(内緒!)」

2015-04-01 22:15:43
同居する森と月bot @doukyomi5

森「ニャーニュニャー(オレには猫耳猫しっぽが生えてます。黒猫です)」 伊「きゃん!(オレには犬耳犬尻尾が…たぶんシベリアンハスキーだと思います)」 森「ニャニャー(しっぽの感じからして、オレは成猫っぽいけど、伊月は子犬っぽいなぁ)」

2015-04-01 23:30:00

伊「普通エイプリルフールって4月1日の午前中だけらしいけど、なんと翌日まで引っ張ってしまいました」
森「女の子伊月が思いの外好評だったので、ひょっとしたらまたどこかで会えるかもしれない」
伊(来年のエイプリルフールとかかな…)

同居する森と月bot @doukyomi5

うつらうつらとなりながらオレは目を覚ました。目を覚まして一番に、頭に手をやる。……よし、耳はない。背中の下辺りにあった尻尾も消えている。よし。 枕元のデジタル時計の表示を見る。 …ん? 4月1日、7:30…?

2015-04-02 07:30:46
同居する森と月bot @doukyomi5

どういうことだ? 見間違いじゃないよな? ひょっとして昨日の出来事はまるまるオレの夢ってこと? 確かにスポーツ飲料の試供品飲んだら耳と尻尾が生えてくるって、どこの妄想の話だよって感じだけど。 「キャー!!」

2015-04-02 07:35:41
同居する森と月bot @doukyomi5

ベッドの隣から絹を裂くような(実際絹を裂いたことがないのでどういう音なのかは知らんが)高い悲鳴が上がった。 伊月か?随分高い声出るな。 (伊月が隣で寝てたのはホントの出来事だったのか…) なにが現実でなにがオレの空想なのかよくわからなくなる。

2015-04-02 07:40:39
同居する森と月bot @doukyomi5

寝ぼけまなこで隣を見ると、黒髪の、大体のフォルムは伊月だったが、伊月と呼ぶには随分華奢な人影があった。 身体全体が小鳥のように華奢なのに、胸だけ柔らかそうに盛り上がってるのがシャツの上からでもわかって……。 その、伊月似の美少女が、取り乱して半泣きでオレに抱きつく。

2015-04-02 07:45:42
同居する森と月bot @doukyomi5

「も、森山さん!オレ女の子になっちゃったみたいです!どうしよう…ハッ、女がなおんない!キタコレッ」 あ、こいつ伊月だ。間違いなく伊月だ。 薄れてゆく意識の中、細い肩と甘い匂いと柔らかい胸の膨らみを感じながら、オレは再び目を閉じた。 ……。 続かない!

2015-04-02 07:50:42