同居する森と月とエイプリルフール

森「ニャン!(オレと)」 伊「わん!(オレが)」 森「ニャーニャーニャン(犬と猫になっちゃった話だ!)」
1
同居する森と月bot @doukyomi5

森「ハッピーエイプリルフール!今からイベントパートだから、朝からbotにTL占領されるのヤだって子はミュートしててね」 伊「4月は死活問題!キタコレッ!」 森「TLのみんなも、引越や新しい環境で大変かもしれないけど、運命の人に出会えるチャンスだ。新年度も頑張ってな~」

2015-04-01 07:35:38
同居する森と月bot @doukyomi5

オレの朝は遅い。 もともと夜型だったのが、部活を引退して早起きする必要がなくなったのと、オレの朝の弱さを見かねて伊月が起こしてくれるようになってからは逆に安心して夜更かししちゃうようになったからだ。 だから今日だって伊月をあてにしてオレはぬくぬくと布団の中にいた。

2015-04-01 07:45:41
同居する森と月bot @doukyomi5

…ら。 「キャン!」 夢現の中、随分可愛らしい悲鳴が。いや可愛らしいというか、動物っぽいというか。 アパートのはす向かいの家のポチ(柴犬)が鳴いてるのだろうか? にしては随分近いような気もする……。 「わん!わんわん!」 (……?)

2015-04-01 07:50:44
同居する森と月bot @doukyomi5

伊月の部屋から?犬の鳴き声? 伊月が実家で飼ってる犬いたよな、まるおだっけ。連れてきてるのかな? オレは起き上がろうとした。 …なんか背中の下に違和感。 ぐにゃぐにゃした棒状のもの?を敷いてるみたいな。 オレは恐る恐るその棒状(いや紐状?)のものを握ってみた。

2015-04-01 07:55:40
同居する森と月bot @doukyomi5

おかしい、感触があるぞ。 ということはこの紐はオレの身体の一部ってことだ。紐の根本をたどってみると、背骨の下、腰の中心にたどりついた。 つまり?これはオレの腰から生えてるってことに…… 「フニャー?!」 え? オレは今「マジかー!?」って叫んだつもりなのに。

2015-04-01 08:00:45
同居する森と月bot @doukyomi5

「ウニャッ?」 やっぱりだ。口から日本語が出てこない。ちなみに紐状の…ああもうめんどくさい!尻尾!尻尾も腰から生えてる。黒い細長いやつ。 「ニャンニャ?!」 その時オレの部屋のドアが開いた。

2015-04-01 08:05:40
同居する森と月bot @doukyomi5

「わんっ!わんわんわん!わんっ!」 オレの枕元で必死に吠えてる伊月の頭には、ぴん、と立ったふさふさの耳があった。…おそらく犬の。

2015-04-01 08:10:48
同居する森と月bot @doukyomi5

『起きたら耳と尻尾が生えてました!七宝焼きで尻尾作るキタコレ』 『お前犬になってもめげないな…。オレも朝起きたら猫になってた。クッ、どうせなら伊月の猫耳が見たかった。いや犬耳もかわいいけど』 『森山さんは黒猫ですね。にゃー』 『伊月は、…あれ、誠凛で飼ってた犬っぽいな』

2015-04-01 08:20:42
同居する森と月bot @doukyomi5

『にゃーって言ってみてくださいにゃーって』 『伊月くんいい加減にしなさいだワン』 「わふ?わふわふ?」 「ニャー」  ちなみにオレたちはまだ犬語と猫語(?)しか喋れない。ので、筆談している。伊月はネタ帳の1ページ目から使い、オレはコピー用紙に文字を書き連ねてる。

2015-04-01 08:25:41
同居する森と月bot @doukyomi5

「わんっ?」 その時、伊月が何かに気づいたように尻尾と耳をピンと立てた。 「にゃに?」 あ、今ちょっと人間っぽい言葉出せたな。 伊月はオレに説明するためにサラサラ文字を書きだした。 『部活、できますかね?これで』 『できないだろどー見ても!』

2015-04-01 08:30:41
同居する森と月bot @doukyomi5

伊月の黒髪からは犬耳がぴょこんと覗いてるし、尻尾もくるんとはみ出してる。練習中ずっと隠し通せるわけがないし、何より喋れないのだ。 『ダメですかね、やっぱり』 「キュゥゥ……」 「フギャッ!」 悲しそうに肩を落とした伊月の、耳がしょぼんと垂れている。

2015-04-01 08:35:40
同居する森と月bot @doukyomi5

犬耳だけでもとんだ破壊兵器なのに、それがぺたんと寝て、尻尾も元気なく垂れている。オレは思わず手近な所にあったスマホで連写してしまった。 『人が落ち込んでるのに写真とらないでください!』 『悪い!つい!可愛くて!』 『森山さん全然悪いと思ってない!!ボッシュートします!』

2015-04-01 08:40:41
同居する森と月bot @doukyomi5

『嫌だこんなにかわいいのに家宝にする毎日これ見て元気出す!』 『あくしゅみ!』 伊月は、片手で字を書きながら片手でオレのスマホを奪おうとする離れ業をやってのける。オレは必死でスマホをかばう。こんなお宝写真消去されてなるものか。 とにかく、部活は無理だ。

2015-04-01 08:45:42
同居する森と月bot @doukyomi5

『伊月、葉山に体調悪いってメール入れとかないといけないんじゃないか?』 『そ、そうですね…そうだった。もうこんな時間だ。早くしないと』 今は春休み中だから、9時には部活も開始する。(当然熱心な伊月はそれより早く練習に入る)

2015-04-01 08:50:42
同居する森と月bot @doukyomi5

とりあえず考えても耳と尻尾が消えるわけじゃない。 それにお腹が減ったので、ご飯と味噌汁と目玉焼きで朝食は済ませた。 魚が食べたくなるとか、ドッグフードが食べたくなるというようなことはなく、ネコ耳付きでも味覚は変わらないらしい。 「にゃにゅにー」 「わん?」

2015-04-01 10:00:49
同居する森と月bot @doukyomi5

オレは名前を呼んだつもりで伊月の背中に声をかける。自然と反応するらしいぴょこぴょこ揺れる尻尾が可愛い。 ちなみに、オレの尻尾は黒猫の尻尾らしく細長いので、ゆったりしたズボンを履けば足に巻きつけて隠すことができるが、伊月のしっぽはくるんと丸まっている上ふさふさしてる。

2015-04-01 10:05:43
同居する森と月bot @doukyomi5

どう頑張ってもズボンの中には入らない。つまり伊月は尻尾を出すために今ズボンも下着も腰からずらして履いている。 …あんま見ないようにしてるけど。 いや、たまにチラっと見えちゃってドキドキするけど。 おっと、閑話休題。

2015-04-01 10:10:43
同居する森と月bot @doukyomi5

『そもそも、なんでこうなったんだ?葉山は普通だったんだろ?』 『一つ心当たりがあります』 伊月は深刻な顔をした。(耳はピコピコ動いてるが) 『この間スポーツドリンクの試供品、もらってきたじゃないですか』 『ああ、協力して欲しいって言ってたから、オレも飲んだあれ……』

2015-04-01 10:15:42
同居する森と月bot @doukyomi5

『あれ、開発が赤司Co.らしくて…』 「…」 「…」 「ニャニィィィ?!」 赤司なのか?!黒バス二次創作界の怪現象の原因の91.2%を占める赤司の仕業なのか?! 『残り9%はカントクと桃井さんの料理らしいですよ』 余計な情報はいいよ!

2015-04-01 10:20:43
同居する森と月bot @doukyomi5

葉山に言って、赤司に連絡を取ってもらった。返事が返ってきたらしい。 『赤司に訊いたら【開発に問い合わせた所、体質によっては副作用が出るかもしれないですね。おそらく体内に吸収されるか排出されれば元に戻るようなので一日程度ご容赦ください。てへぺろ☆】だってサー』

2015-04-01 10:35:42
同居する森と月bot @doukyomi5

『てへぺろ?あいつそんなこと言ったのか?なに?なんなの?『ズガタカ』と同じノリなの?赤司キャラ違いすぎるだろ?!』 「わん、わんわん!」 伊月がオレの袖を必死な顔で引いてる。 表情からするに、『落ち着け』と言ってるようだ。

2015-04-01 10:40:44
同居する森と月bot @doukyomi5

『まあ、今日一日の辛抱みたいですから我慢しましょう。耳と尻尾がついてるだけで、他に特に不具合はないわけですし…フグの不具合キタコレ!』 いや、喋れないことは結構な不具合だと思うんだが…。 すでに字の書き過ぎでちょっと手が痛いし。 まあ、なっちゃったものは仕方ないか。

2015-04-01 10:45:39
同居する森と月bot @doukyomi5

念願の耳つき尻尾つき伊月が見れたんだ。今日一日だけだって言うなら写真撮りまくらないと。あ、動画も。尻尾がぱたぱた左右に揺れたり耳がぴこぴこ動いたりして、動きがつけばなお可愛いからな! 棚ぼたラッキー…と思うことにしよう。

2015-04-01 10:50:42
同居する森と月bot @doukyomi5

森「にゃーにゃーにゃー(今オレたちはエイプリルフールで人間の言葉が喋れません!)」 伊「わん、わん!(今日一日が終わるまでしばらくお付き合いください)」

2015-04-01 11:28:40
同居する森と月bot @doukyomi5

就職活動のための予定が何件か入ってたが、猫耳猫尻尾に加え人間語を喋れないのでメールで延期をしてもらった。 暇だからと伊月はせっせと日頃洗えないような大物を洗濯しては干している。オレもなにか手伝おうかと思ったが、水に近寄るのも掃除機の音を聞くのもなんだか嫌な気分になった。

2015-04-01 12:05:45