誕生日の葉山と森と月は合宿中(葉山誕)

森「そういえば伊月、プレゼント何かやったの?」 伊「あげましたよ、タオルと、あと寮の部屋に新しいカーテン欲しいっていうから、一緒にお店に見に行って。森山さんは?」 森「オレ?オレもあげたぞ!ネットで検索して、人気ナンバー1香水を!」 伊「道理で最近葉山が森山さんくさいって思った……」 森「Σ?!」
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同居する森と月bot @doukyomi5

森「葉山、お誕生日おめでとう!」伊「いつも明るいうちのチームのムードメーカーだな。葉山はやましい…キタコレ?」森「誕生日なんだからもっといいダジャレ作ってやれよ伊月…」 伊・森「ということで、このbotも今日は一日葉山が主役です!」

2014-07-25 00:02:15
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葉山「おっはよー!見てるみんな森山サンと伊月のボケボケ同志漫才を期待してたんだろ?残念!葉山だよ!今日は一日、オレがこのbotを乗っとったー!」

2014-07-25 07:55:31
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夏休み中に誕生日なんて、子供の頃はアンラッキーって思ってた。ガッコ休みなら友達に会わねーからプレゼントもらえないじゃん。って。 でもバスケやるようになってからは、大体夏休みでも部活で顔を合わせる部活仲間がお祝いしてくれた。 「葉山、起きろ!」

2014-07-25 08:10:29
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「……ンあ、伊月?お前いつの間にオレの部屋に…」 「寝ぼけてるな。ここ寮の葉山の部屋じゃないから。今合宿中だから!」 そうだった。 寮の管理人サンから電話がかかってきて、レオ姉と赤司と永ちゃんからの誕生日プレゼントが届いてるって言われた。誕生日おめでとう、も言われた。

2014-07-25 08:20:30
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レオ姉は0時ちょうどにもメールくれたし、ホントまめだよな。 黛サンは、今はネットじゃ有名な人みたい。ラノベ?やオンノベ?の批評をしたり自分でも小説書いてるらしい。

2014-07-25 08:30:29
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『誕生日おめでとう。べ、別にアンタのためにお祝いしてあげるんじゃないんだからねっ!葉山にお勧めのヒロイン5選』とかいうタイトルの画像つきメールが来たけど、よくわかんなくて読まずにポイした。 民宿の古い廊下歩きながら考える。 赤司とレオ姉とは、今でも試合会場で会う。

2014-07-25 08:45:30
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永ちゃんは卒業したら実家を継げって言われてたらしくて、実家に戻ってった。家を建ててるらしい。赤司は二年まで日本の大学にいて、その後ハーバードだかケンブリッジだかに留学すんだって。で、二年まではバスケもやるって決めてるみたい。

2014-07-25 09:01:08
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赤司は、「いっそ千尋とテツヤを同じチームにしてみるのはどうだろう」とか目ぇキラキラさせながら言ってた。黛サンはとんだ災難だ。 オレは今、ここにいる。

2014-07-25 09:10:34
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卒業する時オレは引く手あまただった。大学は選び放題だったし、実業団からも話は来た。五将といえど花宮はバスケをやめると明言していたし、木吉は故障だ。 オレらの学年で他にめぼしい奴って言ったら、誠凛か、陽泉の氷室か、てな所だしな。その氷室もアメリカに帰ったみたいだし。

2014-07-25 10:10:34
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高校に上がる時は迷わなかった。「うちにぜひ」って来たのの中で一番強いとこを選んだ。キセキに負けて、無冠って呼ばれて、オレだって子供だからクサってた。無冠って褒め言葉じゃねーよ。 強くなりたかったから強い所を選んだ。 洛山は強い。 でも、必ず勝つバスケは少しつまらなかった。

2014-07-25 10:25:29
同居する森と月bot @doukyomi5

だから、大学を決めるときには頭から火が出そうなくらい悩んだ。「一番強いとこ」じゃなくて「自分がプレイしたいとこ」で決めようと思った。 一緒のチームで戦いたい、と思った時に思い浮かんだのが、自分を叩きツブしたヤツなんだ。しゃーない。 「ほら、休憩終わりだぞ、葉山」

2014-07-25 10:35:30
同居する森と月bot @doukyomi5

伊月が体育館裏でぼーっとしてたオレの首根っこを引っ張る。 今日もいい天気。 大体オレの誕生日は晴れる。

2014-07-25 11:01:07
同居する森と月bot @doukyomi5

オレのいる大学のバスケ部はまあそこそこの強豪校だ。 伊月はおそろしく長い不調だった。伊月の不調については何度か森山サンと話してて、あのヒト「オレが聴きだすよ。主将だからな」とか態度だけは勇ましく言ったクセに、遠慮してんのか気ぃつかってんのかまごまごしちゃってさ。

2014-07-25 13:05:31
同居する森と月bot @doukyomi5

一緒に暮らし始めて二か月もたつのにまだその話したことないって言うんだぜ信じられねえ。その臆病ってくらいの慎重さで女の子にも接したほうがモテるんじゃねーの? ふだんのナンパだと呆れるくらいズケズケ行くくせにさ。らしくなく気ぃ使っちゃって。この二人こじらせ過ぎでしょ。

2014-07-25 13:20:29
同居する森と月bot @doukyomi5

――――とはいえ、こないだの月曜あたりから、伊月はなんとなく復調してるっぽくもある。 ま、伊月にばっかこだわってたら自分が調子崩すから、オレはオレのやりたいことややるべきプレイを頑張るだけだけどね。

2014-07-25 13:30:29
同居する森と月bot @doukyomi5

「葉山、誕生日おめでとー!」 合宿、午後から練習試合が組まれてた筈だ。どことだったっけ、と、スケジュールボードを確認しようとしたら、対戦相手が到着したみたいで、体育館の入り口がワァってなってる。 「レオ姉?!それに赤司も…っ!」

2014-07-25 13:40:30
同居する森と月bot @doukyomi5

「葉山の誕生日だからプレゼント代わりに試合やりましょうって、あなたも、あなたの所のキャプテンもバスケバカよねえ」 「サプライズにしたいから伏せててくれと言われたんだ。おめでとう、小太郎」 びっくりして逆毛のたったオレを、森山サンと伊月が見て笑ってた。

2014-07-25 13:50:30
同居する森と月bot @doukyomi5

「伊月テメェ、アドリブで速攻のパターン変えんな!」 「だって監督いいっていったし。監督がオカンと食う!キタコレ」 「だーまーれー!」 「葉山なら合わせられると思ったんだよ。あーあの時の実淵の顔なあ!」

2014-07-25 20:05:30
同居する森と月bot @doukyomi5

伊月が悪びれずに笑ってる。思い出した。コイツのやなとこは試合中に平気で自分の殻を破ってなにしてくるかわかんないとこだった。 試合は負けた。伊月が四方八方からパスぶん投げてくるわ、森山サンの3pは絶好調だったりしたけれど、惜しくも赤司のチームにもレオ姉のチームにも届かなかった。

2014-07-25 20:20:30
同居する森と月bot @doukyomi5

でも、いいバスケができた。 「かっぱ巻とか、葉山は質素でいいよね」 「今日はカッパキだしね」 「カッパキ?ああ、河童忌か」 みんなで夕食に手巻き寿司を食べる。

2014-07-25 20:30:31
同居する森と月bot @doukyomi5

「なかなか言う機会ないからぶっちゃけるけど、あのさ、伊月日向のこと避けてたっしょ?」 「ウグッ」 伊月が飲みかけのお茶を噴き出した。新人戦の時一人こそこそしてたのをオレは見てたのだ。森山サンは主将業務が忙しくて見落としてたかもしんねーけど。

2014-07-25 20:40:29
同居する森と月bot @doukyomi5

「言っとくけど、元チームメイトにこだわってんのって相当女々しいかんね」 できれば言いたくなかった。 そういうのにイラつくのって、要するにオレのこと見てってことじゃんね。

2014-07-25 20:50:29
同居する森と月bot @doukyomi5

赤司やレオ姉とやってきたバスケを後悔してない。強かった。もちろん楽しかった。でも別の道を選んだこともまた後悔してない。愛する彼らと、強さをイヤというほど知ってる彼らと、今度は敵として同じコートで戦える。 最大の親友は、最愛の好敵手に。 最大の好敵手は、最愛の親友に。

2014-07-25 21:15:30
同居する森と月bot @doukyomi5

「いや、……うっ、耳が痛いな」 「あんま伊月イジめてやんなよ」 「森山サンにも言ってんだけど?二人とも高校時代のチームメイトに関してはホンット、女が腐ったみてーに湿っぽいのな」

2014-07-25 21:25:29
同居する森と月bot @doukyomi5

今のチームメイト代表としては、言いたいことだってあるわけだよ。 「まあ、いーけどね。今日の試合楽しかったし」  伊月の方はもう吹っ切れてるみたいだけどね。

2014-07-25 21:35:29