感受性と情操教育とキャラクターの視点について
当たり前なんだけど、小説や漫画などを読むことって「他人の気持ちがわかる」ことが大前提で、だから漫画を読む前に情操教育から手順を踏んでいくわけだけど、たまにその前提が抜け落ちて、キャラの視点が理解できず「私の気持ちで見た作品の内容」を優先しているような感想ありますね
2015-04-15 15:24:00普通は逆で、恥ずかしがって真っ赤になったヒロインに「なんだ暑いのか?」とか言う鈍感主人公に「女心のわからんやつめ」と読者はツッコミを入れるくらい、読者の方が主人公の相手の気持ちを理解してないといけない。読者が照れたヒロインを見て「暑いのかな?」って思うのは読解力と違う問題がある
2015-04-15 15:27:25「イラスト」と「漫画」の絵が大きく違うのはそこで、漫画の絵は「読者だけが見て感じるための絵」ではなく、「作中の誰かがどう見て、感じているかを読者が知るための絵」でもある必要があって、単に見て感想を言えばいいものではない。それを忘れると「イラスト」の画力だけで上手い下手言う人も出る
2015-04-15 15:32:43ある意味イラストなら、赤面してても恥ずかしいのか、辛くて涙目なのか、嬉しくて涙目なのか、身体が熱いのか解らなくても、見た人にとってエロ可愛ければいい、と言えなくもないが、漫画の場合は「絵を見た人が思うこと」とは別に、そこにいるキャラが見て感じたことが存在し、そっちのが大事なんだな
2015-04-15 15:39:24そして当たり前なんだけど、「読者が見て感じるような絵」と「キャラが見て感じたとわかる絵」は別物なんだよ。例えば、薄いグレーのトーンがかかったコマを見ても、読者は「真っ暗で何も見えない」と感じることはないが、キャラにとっては完全な闇で何も見えないと理解してもらうように漫画は描かれる
2015-04-15 15:48:31でもそこで「全然見えるじゃん」ってネタにする読者は一定の割合でいるだろうということです。「自分にはこう見える/そう見えない」が作品の上手い下手の評価になるわけですね
2015-04-15 15:51:33で、そういう人は、漫画を読む前の段階的な、絵本なんかを経た情操教育をすっ飛ばしてきた人だろうから、作り手側は積極的に相手にしなくてもいいんじゃないかな…と
2015-04-15 15:54:59情操教育が育まれる前の幼児の方が、「お話の世界に没入する」ことを知らなくて、舞台を見てるときに「劇中では見えないことになってる人」を指差して、あそこにいるよいるよ〜って騒いじゃったりするのが、大前提抜け落ちてるケースとして分かりやすい気がする
2015-04-15 16:00:24twitter.com/izumino/status… このケースを読んで「志村うしろうしろ」を連想する人多いみたいだけど、あれは「いないいないばあ」と同じ情操教育みたいなもので、「うしろうしろ」と言っても志村には見えていないことを学ぶ、つまり視点取得を発達させる遊びみたいなもんでしょう
2015-04-16 20:37:47@izumino 横からのリプにて失礼します。先生ご自身の問題意識とは少し異なった観点かも知れませんが、「登場人物に共感するトレーニングも積まないうちから、読書そのものの経験も少なかろう低学年児童に対して読書感想文を課題として丸投げする」ことの不毛さを思い出しました。
2015-04-15 17:02:48子どもの頃は「自分の心が家族や他の人には読まれているかもしれない妄想」(ドアの向こうは何もない妄想、自分以外はみんなロボット妄想などの亜種)があって、実はわからないんだと結論できたことから、人の気持ちがわかる、わからないという視点への関心が昔から高くなっていた気がする
2015-04-15 17:35:29自分では「視点取得限界」という言葉を使ってるんですが、「物語を読んだ後でどれだけ複数のキャラクターの立場から感想を言えたか」というのはかなり明確に個人差が出るし、調査するとかなり調べがつくところなんじゃないかなあと予想しています。
2015-02-21 19:57:15例えば100分de名著に出演してる伊集院光は、基本、物語の虐げられる側に強く感情移入するのだけど必ず「逆の立場の気持ちもよくわかる!」と言い出して、むしろ講師の人から「そんな見方はなかった」と驚かせることすらある。落語の、常にふたつの視点から世界を見せる手法が訓練になってるのかも
2015-02-21 20:03:19これね「いますぐ役に立つ」とかではないけど、役者目指す人も意識しておくと、脚本読むときの助けになると思うんだよね。>RT 視点取得限界 たくさん読み取れたからえらい、とかじゃなくて、自分の読み取れる限界を知っておくと解釈に余裕が出るという感じで、
2015-02-21 20:27:35この場合は『ハムレット』の回でいうと、加害者に対する被害者=主人公の気持ちで物語を見るけども、伊集院光は(主人公を欺いているだけに見える)加害者側の感情もわかろうとする。
そして当然、主人公の視点でも物語を理解できている。
>実はクローディアスは懺悔なんてしていなかった。哀れ、ハムレット! ここで殺してしまえばよかったのに、なんて観客がはがゆい思いをするシーン。ところが! ここで伊集院さんは新たな解釈を打ち出します。
「ぼくは、真剣に何かを話すことが怖いから、本当のことをいった後に、つい照れ隠しで『なんつったりしてね』っていうことがよくあるんです。つまり、クローディアスはここで、舌を出して『なーんちゃって』といっているわけではなくて、『こんな俺が天国にいっていいわけないじゃん。懺悔で許されていいわけないじゃん』って真摯な気持ちでいっているともとれるのではないか」
このとき河合先生の顔がちょっと青ざめたような感じでした。そして一言。 「すごい! ちょっと目が覚めてしまいました…今まで、ハムレットをわかったつもりになっていて本を書こうと思っていたんですけど、まだまだ未熟でしたね」
見ている時も言ったけど、「同性のファンが付いている美人キャラなのに、他のキャラクターとくらべて取り立てて美人に見えない」って問題が『ユーフォニアム』でも発生していて、「ちゃんとしろや!」って言いたくなってしまったぷり。
2015-04-15 01:06:19