折口先生まとめ。

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ハチ子 @hatiko_0118

「正午近く藤井は兵隊服を窮屈に裸になって着替え、迢空は襟元を引いてやり、そしてズボンをすぐ履けるように広げて差し出すと、不機嫌になっている藤井は邪険にそれを引きたくり、僕は一人で着ますよ、打捨って置いてと変わった声音で叱った。」

2014-05-09 18:17:58
ハチ子 @hatiko_0118

「それは度たび叱ることがあるので、迢空はすぐ着なれてしまうよとばつを合せて言ってみたが、藤井は塩辛い眼に悲しそうな様子を見せまいとして、兵隊服なんかに着慣れて堪るもんですかと言い放った。」

2014-05-09 18:18:11
ハチ子 @hatiko_0118

「ひとくみのめずらしくも、いたいけな夫婦のような暮らしであった。」終盤のこの一文にごろんごろんしたのは言うまでもない。

2014-05-09 18:20:31
ハチ子 @hatiko_0118

北原白秋の弟子という地位を捨てて折口先生門下に入った穂積忠さん、先生没後わりとすぐ亡くなったんだけど、義娘が「忠は生き方が上手じゃなかったのでしょう。折口先生と手を繋いで地獄にいる方を望んだのですよ。あの大白秋の一番弟子が...」とか言ってて少女漫画も驚きの大三角形だよ

2014-07-29 20:38:49
ハチ子 @hatiko_0118

"迢空と心中のように死んだ人ですから、先生の跡は継げなかった。情死って感じに忽ち死んだ。あの葬式の時、塚崎進さんが歌を献じて下さった。「折口先生かうもり傘をさしたまへ 兄の穂積が駈けのぼりゆく」二人は相合傘で死にました。皆そう思いました。"

2014-07-29 20:39:15
ハチ子 @hatiko_0118

「先生のためには火中も厭わない人」と言われる忠もすごいけど、その義娘こと生萩さんも先生にぞっこんで、自分が送った手紙で折口先生がケツ拭いてるのを知っても「先生は信頼している人の手紙なら自分の体内から出たものと触れ合わせてもいいと思ってるんだ」とか言ってるからどっこいどっこい

2014-07-29 20:40:00
ハチ子 @hatiko_0118

晩年の折口先生と暮らしていた岡田弘彦さん、先生と同じ部屋で寝るときいびきをかかなかったために翌日「君は処女のように眠るね」と褒められたらしいんだけど先生褒め方それでいいんすか

2014-08-25 14:03:13
ハチ子 @hatiko_0118

岡野弘彦さんが晩年の折口先生と暮らした日々を回想した『折口信夫の晩年』が、岡野さんほんと先生のこと好きだったんやな〜というのが文章の端々から伝わってきてほんわかするやら、春洋さんを失った折口先生の心模様が切ないやらで大変な本だった

2014-10-01 08:11:35
ハチ子 @hatiko_0118

"のどかに眼を細めていられると、上まぶたが少し垂れ気味になって、まぶたの表面にうす紫の毛細管が浮き出して見えた。赤ん坊の肌のように、そこの皮膚がうすかった。"なんて描写みると、岡野さん先生のことほんと好きだったんだな〜としみじみしちゃうぜ

2014-10-01 08:23:37
ハチ子 @hatiko_0118

しかし折口先生は柳田先生を好きすぎるというか、"玉虫を柳田先生にあげようといわれたのは唐突なようだが、珍しいもの、美味しいものが手に入ると、すぐ「これは柳田先生にさしあげよう」と言われた。"とかとにかく柳田先生に喜んでほしくて褒めてほしかったんだろうなぁ

2014-10-01 08:27:22
ハチ子 @hatiko_0118

"どうか(柳田)先生のお達者なうちに、ただ一度、ほんのただ半日でもよい。吉野の花見の御案内がしたい。・・ほんとうに無理でも、一時間でも半時間でも、先生の前に立って、花のお伴をしてあるきたい。"なんて文章も書いてるからさ折口先生はさ...

2014-10-01 08:30:35
ハチ子 @hatiko_0118

岡野さんが折口先生と喧嘩して木に登ったら"先生は二階へあがってきて、菓子を入れた紙袋に長い紐をつけ、手すりから吊りおろして、魚を釣るときのように、ちょいちょいと、紐を引いたり伸ばしたりして「これ、いらないのかね。おいしいお菓子だよ」などといって、笑っていられる。"とか可愛すぎやろ

2014-10-02 20:23:30
ハチ子 @hatiko_0118

"先生が探偵小説を私の部屋へ持ってきて、「僕はこのページまで読んだら、犯人がちゃんとわかったよ。君もここまで読んでごらん。当てっこしよう。そこから先を読んだらずるいよ」といって、本を置いていかれる。"

2014-10-02 20:26:28
ハチ子 @hatiko_0118

"膝の上で猫が体を丸くして動かなくなってしまうと、猫を直接手でつかむことのできない先生はたまらなくなったように、両手を胸のあたりまであげて、着物の袖を猫の頭すれすれのところでぶらぶら揺るがしながら、「おっさん、どうにかしておくれ」というような顔をなさる。"

2014-10-02 20:27:10
ハチ子 @hatiko_0118

この二人のやり取りがほんわかして可愛いんだけど、折口先生はいつでも亡くなった春洋さんの分の湯呑を机に用意してあって、事あるごとに少しずつ注ぐから夕方には溢れそうになって、それを台所で毎日ひっそりと岡野さんが捨てるという、遣る瀬無さMAXのエピソードも突然ぶち込まれてくるから危険

2014-10-02 20:30:38
ハチ子 @hatiko_0118

"私と、先生との間に、うすうすと冷たい冷たい風の通うような心の隙間があったわけではない。しかし、春洋さんが出て往かれて後、先生には家族はなかった。ときには罵倒し、押し伏せてでも、先生の意志を翻させたり、身に沁みついた先生を変えさせたりすることは、もう誰にもできなかった。"

2014-10-02 20:31:51
ハチ子 @hatiko_0118

まぁ一番やるせないのは亡くなる直前に、もう固形物は受け付けられないほど弱ってるのに「もしゃ(春洋)はまだいるのかい。もしゃに御飯食べさせてやって」と言ってる先生の姿なんだけどな...

2014-10-02 20:46:25
ハチ子 @hatiko_0118

室生犀星と言えばお茶を淹れるのがめちゃくちゃ上手くて岡野さんと先生が室生さん家遊びに行くたびに「あのお茶超美味かった!うちも今度から室生流で淹れよう!」と決意するけど毎回長続きしないという話が可愛かった

2014-10-03 13:21:17
ハチ子 @hatiko_0118

折口先生が会議中にちょいちょい手帳に何か書くもんだから周囲から「君の先生はさすが歌人だねぇどこでも歌が作れるんだねぇ」とお褒めの言葉をいただく岡野さんだけど実は「ちゃうねんあの人暇すぎて目の前の湯呑みとか向かいの人スケッチしてるだけやねん...!!」と言うのを我慢してるのが可愛い

2014-10-17 13:14:18
ハチ子 @hatiko_0118

"お茶のときに、幾つもの茶筒を机の上に並べておいて、「赤か緑か」ときかれる。紅茶か、緑茶か、ということだと思うから、「赤」と答えると、「赤の他人には、なんにもあげられない」といっておいて、実は茶羊羹と赤い練羊羹を出してきて、赤いほうを切ってくださったりする。"これも可愛い(確信

2014-10-17 13:17:10
ハチ子 @hatiko_0118

この柳田先生と折口先生のツーショット、距離感が素晴らしいな pic.twitter.com/Ur03bHU41t

2014-10-25 17:32:53
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ハチ子 @hatiko_0118

タイトルから期待値上げまくりの『折口信夫&穂積生萩-性を超えた愛のかたち-』生萩さんによる序文がまさかの「ある日先生のご自宅に呼びつけられたら先生が全裸で立っていた。恐らく完全に人払いをして私に裸を見せるために待っていたのだろう」という内容で愛のかたち斜め上すぎますわ...

2014-11-11 16:43:15
ハチ子 @hatiko_0118

しかもこれ生萩さんに「一体どうしたんですか?」と挨拶された折口先生が何言うでもなくそのまま引っ込んでしまったというオチらしきオチもないエピソードでさっき読んでから私の頭のなか疑問符いっぱいなんですが!!!どういうことなの!!!

2014-11-11 16:43:35
ハチ子 @hatiko_0118

『性を超えた愛』読んだけど生萩さんの文章ダイジェストだけでも愛情のねちっこさに胃もたれしそうだし、鳥居さんの評論部分も「折口信夫と穂積生萩の関係はアンドロギュノスが互いの半身を求めてさすらうようだ云々」言ってるしで、最初から最後まで凡人には理解しえない愛情だったわ!!!

2014-11-11 19:50:10
ハチ子 @hatiko_0118

鳥居さん言うところのアンドロギュノス的愛情が存在したとしたら、先生没後に生萩さんが出した歌集のなかの「こりこりと乾きし音や 味もなき師のおん骨を食べたてまつる」はようやっと二人が一緒になれたとかそういうお話でよろしいのか

2014-11-11 19:52:01
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