無料論文和訳「放射線モニタリングを受けた作業者(INWORKS)における電離放射線と白血病およびリンパ腫の死亡リスク:国際コホート研究」Yurihiranumaさんのツイートまとめ(2015.6.23作成)
- uchida_kawasaki
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方法:統計的分析 放射線への被ばくと死亡の間の誘発・潜伏期間として、累積線量のラグタイムは白血病死亡率の分析では2年、リンパ腫と多発性骨髄腫の分析では10年と設定された。
2015-06-23 20:47:18(訳注:白血病の場合だと、死亡直前の2年間の被ばく線量は、がん誘発に貢献しなかったために累積線量に含まれない、ということ。)
2015-06-23 20:47:43結果 放射線モニタリングを受けた308,297人の作業者のコホートを構築した。表1に調査集団の特徴が示されている。 pic.twitter.com/sM4j2jCwmg
2015-06-23 20:48:53(続)平均追跡期間は27年で、追跡期間の最後には22%の作業者が死亡していた。平均累積線量は16 mGyだった。中央値は2.1 mGyで、10パーセンタイル値が 0.0 mGyで、90パーセンタイル値が40.8 mGyだった。平均年間線量は1.1 mGyだった。
2015-06-23 20:49:07(続)慢性リンパ性白血病以外の白血病による死亡者数は531人、リンパ腫による死亡者数は814人、そして多発性骨髄腫による死亡者数は293人だった。 pic.twitter.com/sFhxOvPTVI
2015-06-23 20:51:22(続)慢性リンパ性白血病以外の白血病による死亡者531人中の281人(53%)では、累積線量が5 mGy未満だった。 pic.twitter.com/ZhgB2kfXqB
2015-06-23 20:53:04(続)慢性リンパ性白血病以外の白血病による死の、累積線量により分類された相対リスクでは、200 mGy以上の累積線量でかなりのリスクが示された。 pic.twitter.com/6coQBXs603
2015-06-23 20:53:49(続)。慢性リンパ性白血病以外の白血病による死亡率の過剰相対リスクの推計値は、1 Gyあたり 2.96(90%信頼区間 1.17〜5.21、表2)だった。 pic.twitter.com/n7xKS814NB
2015-06-23 20:57:49(続)慢性リンパ性白血病以外の白血病の過剰相対リスクの、線量に対する傾向は、累積線量のシンプルな線形関数により描写された。 pic.twitter.com/krI2KN4rpw
2015-06-23 20:59:57(続)慢性リンパ性白血病以外の白血病の過剰相対リスクは、300 mGy未満、あるいは100 mGy未満の線量に限定されても減少しなかった。(訳注:グラフの傾きがほぼ同じである。) pic.twitter.com/Z2TtMuoXVC
2015-06-23 21:01:09ディスカッション 概して低線量に被ばくした成人における、電離放射線の累積線量と白血病(慢性リンパ性白血病を除く)による死亡との間に正の関連を示した。関連性は、慢性骨髄性白血病で最大で、
2015-06-23 21:02:56(続)急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫と多発性骨髄腫による死亡では、正の線量反応が見られたが、精度が粗かった(低かった?)。
2015-06-23 21:03:37(続)被ばくから2年のラグを仮定した累積被ばく線量と、慢性リンパ性白血病以外の白血病による死亡との間から推定される関連性は、その大きさと精度において、
2015-06-23 21:04:39(続)20〜60歳の年齢で被爆した原爆被爆者の男性の直線的線量反応推計(過剰相対リスクが1シーベルトあたり2.63、90%信頼区間 1.50〜4.27)と似ていた。
2015-06-23 21:05:20(続)原爆被爆者の分析よりもはるかに低い線量分布に基づいており、概して非常に低い線量が長期間にわたって累積していても、この関連性の大きさの類似性は、成人の放射線被ばく後の白血病リスクの現代の推計値を支持するものである。
2015-06-23 21:05:36(続)(中略) まとめると、この研究は、長期にわたる低線量放射線被ばくと白血病死亡率の間の関連性について強力な証拠を提供するものである。
2015-06-23 21:06:35(続)現時点では、放射線防護システムは急性被ばく由来のモデルに基づいており、線量単位あたりの白血病リスクが、より低い線量と線量率では徐々に減少すると仮定されている。
2015-06-23 21:07:00(続)われわれの結果は、環境放射線被ばく、診断医療被ばく、および職業被ばくに典型的な線量範囲における長期的被ばく線量の、線量単位あたりの直接的推計値を提供している。(以上)
2015-06-23 21:07:41以下、なぜこの論文が重要なのかという理由。 ① 集団サイズが、統計的に有意な結果を得るのに十分大きい。 ② 線量反応が線形であり、線量率の影響がないという強力な証拠。 (これまでは白血病発症率の線量反応は線形ではなく、DDREF>1だとか、しきい値があると言われてきた。)
2015-06-23 21:18:29【訂正】 このTW内の「② 線量反応が線形であり、線量率の影響がないという強力な証拠。」という文章に正確さが欠けていたので、下記のように訂正します。 twitter.com/YuriHiranuma/s… 「②低線量では線量反応が線形であり、低線量率でも影響はあるという強力な証拠。」
2015-06-27 12:17:23【訂正版】この論文の重要性の理由。 ① 集団サイズが、統計的に有意な結果を得るのに十分大きい。 ② 低線量では線量反応が線形であり、低線量率でも影響はあるという強力な証拠。(これまでは白血病発症率の線量反応は線形ではなく、DDREF>1だとか、しきい値があると言われてきた。)
2015-06-27 12:19:56③ 資金提供した機関に注目。 米国疾病対策センター(CDC)、日本の厚生労働省、放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)、アレヴァ社、フランス電力会社、米国国立労働安全衛生研究所(NIOSH)、米国エネルギー省、米国保健社会福祉省、ノース・カロライナ大学、英国公衆衛生庁
2015-06-23 21:20:07このグラフがどういう意味なのかわからなかったので説明してもらったこと→ ICRPなどは、いまだにDDREF=2や1.5であると仮定している。すなわち低線量・低線量率では、線量単位あたりのリスクが2分の1や1.5分の1となる。続 twitter.com/YuriHiranuma/s…
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