小児白血病と低線量被ばくに関する論文
小児に対するCT検査と脳腫瘍・白血病リスク増大に関するランセット論文
論文誌:The Lancet, Early Online Publication, 7 June 2012 doi:10.1016/S0140-6736(12)60815-0
著者:Mark S Pearce, Jane A Salotti, Mark P Little, Kieran McHugh, Choonsik Lee, Kwang Pyo Kim, Nicola L Howe, Cecile M Ronckers, Preetha Rajaraman, Alan W Craft, Louise Parker, Amy Berrington de González
タイトル"Radiation exposure from CT scans in childhood and subsequent risk of leukaemia and brain tumours: a retrospective cohort study"
こちらの記事は上記論文へのコメンタリーです
論文誌:The Lancet, Early Online Publication, 7 June 2012 doi:10.1016/S0140-6736(12)60897-6
執筆者:Andrew J Einstein
タイトル"Beyond the bombs: cancer risks of low-dose medical radiation"
http://tinyurl.com/cprrzs5
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0140673612608976
低線量・低線量率の自然ガンマ線の癌リスクを疫学で立証したという論文
論文誌:Leukemia accepted article preview 5 June 2012; doi: 10.1038/leu.2012.151
著者:G M Kendall, M P Little, R Wakeford, K J Bunch, J C H Miles, T J Vincent, J R Meara and M F G Murphy
タイトル:"A record-based case-control study of natural background radiation and the incidence of childhood leukaemia and other cancers in Great Britain during 1980–2006"
低線量・低線量率の自然ガンマ線の癌リスクを疫学で立証したという論文 http://t.co/O8wGn3CI 残念ながら有料。 英文解説 → http://t.co/1XVO0rgI
2012-06-29 12:41:35ご紹介感謝。後で読むます。白血病以外では見えん、ともありますね "@miakiza20100906: 低線量・低線量率の自然ガンマ線の癌リスクを疫学で立証したという論文 http://t.co/Ob7fRZJw 英文解説 → http://t.co/wjaxJ2AT"
2012-06-29 13:18:18です。小児白血病。残念ながら職場にLeukemia無し 嗚呼 RT @Yuhki_Nakatake ご紹介感謝。後で読むます。白血病以外では見えん、ともありますね @み …自然ガンマ線の癌リスク http://t.co/O8wGn3CI http://t.co/1XVO0rgI
2012-06-29 18:48:47@miakiza20100906 ざっくり読んでみましたよ~。まだダブルスペース入ったバージョンなので、ちと読みにくかったですがw あとSupDataがまだ公開されてないですし、最終バージョンも要チェックですね。以下、ざっくり要点まとめてみます【続】
2012-06-29 19:24:27@Yuhki_Nakatake @miakiza20100906 【承前】調査群は自然放射線の高い地域を選定。ラドンによるα核種によるもの(内部被曝を注視)とγ線での被曝(外部被曝を注視)によるものを分けて調査してます。結構丁寧です。【続】
2012-06-29 19:26:37@Yuhki_Nakatake @miakiza20100906 【承前】先ので言い忘れましたが、対象は子供ですね。1980-2006のイギリスでの調査結果(NRCTという機関により実施)です。15歳までのガン・白血病の発症例と自然放射線の線量の間に相関があるかを議論【続】
2012-06-29 19:32:32@Yuhki_Nakatake @miakiza20100906 【承前】間の細かいデータがサプリメントに入っちゃってるのでブラックボックスですが、ざっくり結論をまとめると、①白血病は0mSvを起点に1mSvあたりのRelativeRiskが10%程度の直線が引けた【続】
2012-06-29 19:49:48@Yuhki_Nakatake @miakiza20100906 【承前】②白血病以外では有意差は見いだせなかった。(グラフを見ればわかるのですが、むしろ10mSvくらいに閾値がありそう)③隠れた交烙要因は否定できない④他の地域でも同様の調査が必要【続】
2012-06-29 19:54:00@Yuhki_Nakatake @miakiza20100906 【承前】筆者らの主張としては、小児期のγ線の外部被曝量(α核種の内部被曝は関係無いっぽ)と小児性白血病の間には相関関係がありそうだ、ということ。今までの検査は検出力が弱いのであてにならんぞー あたり【続】
2012-06-29 19:57:59@Yuhki_Nakatake @miakiza20100906 【承前】結論自体は妥当なんじゃないかな、という印象です。白血病は発がんまでのステップが他のガンより少ないので、こうなるかもしれませんが、筆者らのいうように、他の地域との整合性はとるべきです。大体こんな感じ【了】
2012-06-29 19:59:29@Yuhki_Nakatake @miakiza20100906 補足ですが、僕が『妥当なんじゃね?』と思ったのは、彼らのデータセット内での判断として、です。チェルノブイリとかケララで類似の報告はないのですし、このデータセット外との整合性はとれてないですから、変な論文とも言えます
2012-06-29 20:29:28@Yuhki_Nakatake お疲れさまです_(*_ _)_ RelativeRiskはERRのことでいいですよね。 ちなみに、被ばく量はどう評価してるんでしょうね。白血病と診断されるまでの累積値をそのまま使ってるのか、あるいは、診断日までの数年間分を除いてるのか、とか。
2012-06-29 21:46:51@miakiza20100906 今は手元に無いですし、詳細はSupに埋め込まれてたので明言できませんが、被曝量は空間線量率を発症年数で掛け算してて、引き算は不明。後ろ向き解析で、症例数と居住地のSv/hからリスク算出。RRは1.09などと表記。僕のは誤用ですね。失礼しました。
2012-06-29 22:35:56@Yuhki_Nakatake @miakiza20100906 横レス失礼します。職場ではLeukemiaは直近4年は有料で読めないのですが、アブストと解説記事から考えると、症例対照研究であることから、ERRというよりは正確にはその近似値としてのオッズ比ですね。
2012-06-29 23:52:10@Yuhki_Nakatake @miakiza20100906 確かに小児白血病はイベント発生が非常に稀な疾患なので、本来やるべき(よりエビデンスレベルの高い)コホート研究は無理なので、仕方ない部分はありますが、症例対照研究にはどうしても統計的な限界があります。
2012-06-29 23:53:45@tonkyo_hanage @miakiza20100906 論文中にもERRとは書かれていませんでした。RRで表記は統一されてたと記憶。とんきょさんなら原著の統計部分をもうちょっと詳しく読み解けると思うので、送りましょうか?
2012-06-30 00:01:28@Yuhki_Nakatake @miakiza20100906 ただ、基本的に研究デザインが異なるので、コホート研究とは見る対象が異なる(コホートはリスク因子の曝露によるイベント発生率の差を見るのに対し、症例対照研究ではイベント発生からリスク因子の曝露に遡る)ので、(続く)
2012-06-30 00:04:07@Yuhki_Nakatake @miakiza20100906 (承前)どうしてもコホート研究ほどの強いエビデンスにはならない、という限界はあります(まあ対照疾患が対照疾患なので仕方ないのですが)。
2012-06-30 00:10:52@tonkyo_hanage @miakiza20100906 交絡要因も検出されがち、でしたっけ?彼らは統計的な検出力が高いと主張してますが、他のデータセットとの整合性が。。。15歳までの積算線量をもとに計算していたので、被曝線量の差は10mSvくらい?←ここらへんSupっぽ
2012-06-30 00:12:22自然バックグラウンド放射線と小児白血病:Kendall ら. Leukemia 2012. http://t.co/qUX7TmpV より。対象:ケース:1980年から2006年にかけて英国で出生し、がんまたは非悪性の脳腫瘍と診断された27447例.コントロール:36793例.
2012-06-30 01:37:35