- AlmaObtener
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そして、ズィオへと視線を向け、目を細めて。 「ふふん、弟子だろうと、盟友(とも)であろうと、ペットであろうと変わらぬ。……二人まとめて、この儂がこき使ってやるわい!」 魔族にそっくりなこやつを連れ帰ったら、さぞかしネリウメも驚くだろう、などと、胸に秘めた悪戯心を綻ばせながら。
2015-07-02 08:22:38「私も。エプタの、物語(うた)。楽しみ、してる、わ」 そのときには、彼はどんな姿になっているだろう。どんな物語を紡ぐのだろう。 それを考えるだけで気持ちがあたたかくなるから。 笑顔で言葉を、告げられる。 「またね、エプタ」
2015-07-02 08:35:20蒼の少年から手を差し伸べられたなら。 迷いなくその手に、己の手を重ねて。 そうしてから。龍の青年と、詩詠いの女性を、振り返って。 空いた手を、そっと差し出した。
2015-07-02 08:42:55「さて……そろそろかの」 ーーにゃー、にゃー、 「む?」 踵を返したその足に、まとわりつくのは、4匹の白猫達。 「ああ……うぬらを忘れておったわ」 言って、カツン、と杖の先で白い大地を軽く叩けば、 ーーポゥッ それらは、4羽の白鳩となり。
2015-07-02 10:03:02ーーバサバサ、バサバサバサ、 ーークルルゥ、クルルゥ、 4羽の白鳩は、皆の門出を祝福するように。 鳴き声をあげながら、羽ばたいて。 遥か上空で、ふわりと溶ければ…… 純白の、雪のような羽を、幽朧なる白の境界へと、舞い降らせる。
2015-07-02 10:03:05そうして賢者は、肩にかかる白羽を、軽く払いながら 「……ふん」 今度こそ踵を返せば、白の大地を、何処へともなく、歩を進める。 誰からも、その表情の見えない場所で、一度だけ立ち止まり。 「では、な」 『家族』の手を取り、道を分かつ者達へと。 とても短い、餞別の言葉を。
2015-07-02 10:03:09ぱちり、とまばたき二つ。そうしてから、ふは、と息を吐きだすような笑い声一つ。 差し出された小さな手を取れば、小さく笑む。 耳元、きゃらとなる飾りに目を細め。 「──嗚呼、門出には良い日かな」 そうして龍を振り返れば、小さく笑って、手を差し出す。
2015-07-02 10:19:46「うーん、そっか。エプタにもできそうだけど」 素直さという意味で言うなら、集った刃たちの間に優劣など少ししかあるまい。しかし自分にはさっぱり何も分からないのは事実で、故に、追々決めれば良い、という言葉にはなるほどと頷いて。
2015-07-02 11:32:02「エプタ、いろんなものになれそうだもんね」 猫にだってなっていたわけだし。 その首(?)に銀の鈴がかけられれば、似合うよ、と声をかけて。
2015-07-02 11:32:25そして、手を取って歩き始める者たちを振り向いて。 「またね!」 その歩みへ向けて手を振る。それ以上の言葉などいらなかった。頑張るも、幸せになるも、言わなくたってきっと彼らなら大丈夫だ。 だから、また会いたい、それだけで十分だ。
2015-07-02 11:32:43しばらくそうしていて、気づけば隣に賢者の姿はなく。 慌ててその金髪を探せば、それはゆっくりとした歩みで見送った彼らと反対に歩き始めていて。 「おじいちゃん待って!」 大して離れてもいないその距離に、大げさなまでに焦ってその後をついていく。
2015-07-02 11:32:54ちりん、と鈴がなる。 首輪に収まるように体の形が代わり、黒猫のそれになると呑気に欠伸を一つ。 「おうよ!俺に似合わないものはない!」 なんせ似合うように形を変えられる。 まぁ、それでもそれでも。 結構、嬉しいけど、さ!
2015-07-02 11:58:43師匠にならって、照れを不器用に隠しながら先を行く二人を追うように四肢を動かす。 ちりん、ちりん、と 笑い声の代わりに、鈴の音が響いて 昼が、終わる
2015-07-02 11:58:51