Partnership:二日目夜

──そして、二日目の黒き刻。
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【盈】ラクカ @PSnon00

声を発そうにも、残されたそこはただの黒い闇でしかなかったから。 「……流石に話も出来ないですし、お顔も見えないですね……」 声とともに、そこは夜の雪景色へと変わる。一面の白は闇の中でも仄かに光り、ふわり、ふわりと 止まることなく白い雪が降ってくる。寒さは、存在しない。

2014-12-03 23:35:51
【盈】ラクカ @PSnon00

現れた光景は自分にとってなじみのある風景。けれど、これは話すに適してるのか、流石に迷う。 「……ええと。その。屋外はあれかと思ったんですけれど。 灯りが無いと何もできないので、あの、とりあえずで」 そこにテーブルとイスを用意し、辺りに外灯やカンテラを幾つか照らすように置いていき。

2014-12-03 23:37:53
【盈】のラクス @lacuslian

@PS_drei 「嗚呼、全く。男の真似というものも、なかなかに気を使うものだ」 いけいけしゃあしゃあと言ってのける。繋いだ手はそのままに。距離はそれ以上、開くことはなく。 言葉とは裏腹に、それは笑っている。ドライの険しい表情を意にも介さず、寧ろ尚更面白いとでも言うように。

2014-12-03 23:23:05
虚のドライ @PS_drei

@lacuslian 「気を使って頂かなくて結構でございます!」 やり返された事を気に食わぬとばかり、背けた表情。言葉のまま、苛立ちの態度を表して。 それでも、その手は繋いだままだった。 鐘が鳴る。色が変じる。時の移ろいと共に現れた扉を二人は潜り──銀世界に、降り立っていた。

2014-12-03 23:57:19
虚のドライ @PS_drei

眼前に現れた銀世界に、少女は刹那、言葉を忘れていた。 どこか、懐かしい風景を見たような。 どこか、忘れていた物を見たような。 そんな忘我。瞳を瞬かせて。 「……では私は、皆様に飲み物を準備致します。交流の場であれば、喉を潤す物は必要でしょう」 言い、道具を呼び出して準備にかかる。

2014-12-04 00:03:14
【盈】のラクス @lacuslian

「雪、か」 美しい。そう呟いて、それはぼう、と色の移り変わったを見上げていた。 その蒼に、親愛のような色を湛えて。

2014-12-04 00:18:59
【盈】のラクス @lacuslian

@PS_drei 「嗚呼、それならば私の我儘とでもいうことにしようか」 それはにやりと楽しそうに笑っていたが、少女が給仕に動くのを察して繋いでいた手を放す。 それは、仕事こそが自らの存在意義と考える。その理屈をドライに当てはめるとして、彼女を引き留める理由は存在しなかった。

2014-12-04 00:22:05
【盈】ラクカ @PSnon00

準備をしているドライには、っと気づき。 手伝おうかと思うものの手際にどうしたものかと惑いながら。 「はい。……吹雪かぬ日の夜の雪は、夜の静寂の中静まり返り、仄かに輝いて。とても、美しいんです」 自分の我を通した風景だけれど、批判が無ければ。そして褒められれば嬉しげに語る。

2014-12-04 00:53:25
虚のドライ @PS_drei

「ラクカ様」 青年に、お構いなくと言付けて。 「フィーア様」 佇む少女に、暖かな紅茶を。 「ゼクス様」 その表情に、先の険は無く。 「……ラクス様」 ──どこか語気を強く、最後の杯を置いた。

2014-12-04 13:23:48
【盈】ラクカ @PSnon00

視線を落とし、何かを考える素振りの後。布袋に氷を入れたものを3つほど出して。 「お三方とも、頬も手もそのままより少しでも冷やすか、何かした方が良い気が……」 ゼクス、ドライ、ラクスへ向けて 「ゼクスさん、は…血が止まった後は冷やしてはダメでしょうか……あまり、私も詳しくなくて」

2014-12-04 17:12:09
【盈】ラクカ @PSnon00

「有難うございます……本当にお上手ですね。でも本当はそれより先にご自身の身を労わらなければ駄目ですよ」 給仕で見えたドライの手の腫れを指し、氷袋を差し出す。 「……ところで、何を畏まったんでしょう?」 再度問う。畏まった。即ち分かった。と。先の会話で何を彼女は見つけたのだろうと。

2014-12-04 17:25:56
【盈】のラクス @lacuslian

「嗚呼、ありがとう。雪景色を眺めながら温かい紅茶を頂く。乙なものだねェ」 どこか語気が強いことに気付いてはいるものの、素知らぬ顔である。言葉数が多いのは、からかっているのだか。

2014-12-04 17:43:59
【盈】のラクス @lacuslian

「そうだ、手を治したまえ。冷やせばマシになるかい?」 クォーツに言われたものの、それに人間の傷の手当ての経験など、あるはずがない。傷口に触れることも、内心では恐ろしく感じているのに。 「嗚呼、私は結構だ。滲みるのは好きではないからねェ!」 そして、ラクカに情けない言葉を堂々と。

2014-12-04 17:44:58
【盈】ラクカ @PSnon00

「滲みるのが嫌ですとか、子供ですか」 溜息ひとつ。ぐい、と氷袋を押し付け。 「どうしてこうも自分を大事にしない方が多いんでしょうか……。 後いい音してましたから口の中切ってませんか。きちんと手当しないと滲みる以上にもっと痛くなりますよ」 脅した。自分だって医療知識そんなないのに。

2014-12-04 18:17:39
ゼクス @ZXS_toraniga_PS

手に絡めた布を剥がして、雪の中へ手を差し入れる。 「ドライの紅茶とやらはちょっと待ってな  これこれ。消毒になる薬草」 雪の中から草を引っこ抜いてきた。それを手の内でこね回して、薬用の皿に盛り付ける。

2014-12-04 19:39:30
ゼクス @ZXS_toraniga_PS

「俺も雪に閉ざされることの多い、まぁ半年もいかぬ日数だが、そんなどこかに居た  ここの雪の中なら、明確に掴み出せると思ったが、確かにこれは毒消しの草だ」 皿から摘んで軟膏と化したそれを手の甲に塗る。その上に布を巻いた。

2014-12-04 19:39:44
ゼクス @ZXS_toraniga_PS

「信用するなら使うといい。そのうえに布を巻けばいい。そして氷袋がよい」 自分の氷袋をラクスの前に置いて言った 「んで、これが紅茶か。西域の先の飲み物だな」 どこがどうとか覚えてないが、紅茶の所在は知識としては知っていた。 「なるほど。美味である」 少しずつ味わいながら飲んでいく。

2014-12-04 19:39:57
虚のドライ @PS_drei

「ざまあみろ、でございます」 ラクカに氷嚢を押し当てられる姿を見て、益体もなく少女はそう言った。その顔は、隠しきれない喜色を浮かべて。 瞬間、我に戻る意識。言葉を隠すように、口元に手をやって。 「……失礼致しました。お忘れください」 一礼。持ち上げた表情は、常の少女に戻っていた。

2014-12-04 21:18:04
リドフィ=アイレニア @lidofie_I

照れる? とラクカの心境など知らず、首をかしげ。 少し待って欲しい、との言葉に頷き黒の刻を待った。

2014-12-04 21:47:02
リドフィ=アイレニア @lidofie_I

束の間、放心していたようだった。静かな黒と白の領域。フィーアの持つ色と相まって、気付けば溶け込むように佇んでいた。 いつの間に、と考え。昨日に睡眠を取る暇などなかった事が響いているのかもしれないと思い当たり、睡眠欲を覚えた事に内心で驚く。食欲と同様に、酷く久々の事だった。

2014-12-04 21:49:12
リドフィ=アイレニア @lidofie_I

そうして、意識を呼び戻す切っ掛けとなった少女へ向き。 「ありがとう。……おいしい」 温かな紅茶をひとくち。ほう、と息が漏れる。

2014-12-04 21:49:45
【盈】ラクカ @PSnon00

手際よく動く青年の行動を思わず目で追い、一通りが終わった後に今度は溜息ではなく感心したように息を。 「……ゼクス殿は薬師だったのですか? 迷いのない動きに首を傾げながら、問う。彼はここに来る前の記憶が他の皆よりはっきりしてるように見えた。 「雪に閉ざされると中々大変でしょうに」

2014-12-04 21:54:25
【盈】ラクカ @PSnon00

「……そ、れは」 俗っぽい言葉と丁寧語。ものすごくアンバランスな二つが混じってる上にその瞬間のドライの表情に、 思わず笑いが一瞬こみあげ、失礼だと思い口元を隠す。ここに来てからよく、笑う。 「お疲れですか、大丈夫ですか?」 ぼう、としていた様子のフィーアへも、そっと声をかけて。

2014-12-04 22:02:59
リドフィ=アイレニア @lidofie_I

「……、大丈夫」 そっとかけられた声に、ラクカの方を向く。 動作に合わせ、ラクカによって結い上げられたままの毛先が揺れる。 白銀と漆黒の世界の中で、その淡い色彩の姿は消え入りそうに見えてしまうだろうか。 「この景色は、ラクカ殿の国の?」

2014-12-04 22:47:10
【盈】ラクカ @PSnon00

昨晩を過ごしたツヴァイに雪の様だと自分は言われたけれど。 彼女の方が雪の様だとぼんやりと考えていたら、反応が遅れて。 「――え、え。こんなに穏やかな日ばかりではないですけれど。静まり返った冬の夜はこの様な色です。 何もなく、もっと寒いですけれど。私の、愛おしいものの、一つです」

2014-12-04 23:10:25
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