見えるもの/見えないものを絵にする漫画表現の話

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Kimura Tadafumi @shrinebaby

特定のキャラクターにオーラが見えているか/見えていないのか。基本的に、このことは、一定のルールのもとに読者に伝えらている。でも、ときどき、そのルールが攪乱されるみたいなことがあるのかな、と。

2010-03-11 00:50:33
Kimura Tadafumi @shrinebaby

つまり、今までのルールに則っていては、特定のキャラクターにオーラが見えているか/見えていないのかが読者に分からなくなる瞬間がある。この瞬間って、「絵」として何かが描かれている/いないに関わらず、キャラクターの見ているものと読者の見ているものの間に一種の断絶が埋め込まれる瞬間です。

2010-03-11 00:53:57
Kimura Tadafumi @shrinebaby

でも、その「断絶」の瞬間にこそ、当のキャラクターと読者(というか僕)とが「同一化」させられしまうような感覚を僕は感じるんですよね(笑)。

2010-03-11 00:55:30
Kimura Tadafumi @shrinebaby

そういうオーラの「見える/見えない」設定・表現のなかで、キャラクターと読者の視点の断絶と一致がいかに図られているのか。そして、その視点の「断絶と一致」とは、作品や物語の展開にとってどういう意味をもってくるのか。そういうとこをうまく言語化していきたいなというのがあるんですよね。

2010-03-11 00:59:42
H.イワシタとラカクーニ @iwa_jose

@shrinebaby ハンタにおける「見える/見えない」の複雑さは、読者レベルの「見える/見えない」、キャラクターレベルの「見える/見えない」に加えて、見られるキャラクターによる「見せる/見せない」の操作のレベルがある、があるというのが大きいように感じます。

2010-03-11 01:52:12
H.イワシタとラカクーニ @iwa_jose

というか@shrinebabyさんのツイート読んで「隠」とか「絶」についてそういう観点から考えられることに気付きました。

2010-03-11 01:53:42
Kimura Tadafumi @shrinebaby

@iwa_jose あっ、何かとてもきれいに整理された気がします(笑)。また、ちょっと言い換えると、①オーラが「絵」として見える/見えないということが、②誰(たち)にとってであり、その③「視点」の操作が物語上、どういう意味をもってるかということかな、と。

2010-03-11 02:05:11
H.イワシタとラカクーニ @iwa_jose

@shrinebaby ③の「見せる/見せない」操作のレベルに加えて@te_ra_c氏も言うように「凝」によって「見える/見えない」のレベルも状況次第なので、そもそも各人ごとそれぞれの状況ごとになにが見えてるかが全然違うんですよね。ツイッターにおける各自のTLくらい違う。

2010-03-11 02:22:41
Kimura Tadafumi @shrinebaby

@iwa_jose ハンターの細かい念能力設定は、「絵」としてぐちゃぐちゃ描かなくても、読者に想像力豊かに戦いを「見せ/魅せ」ていくための工夫だと思うんですよね。あの過剰アクション設定がうざいんだという人もいますが…。

2010-03-11 02:09:28
泉信行 @izumino

@saru_at_P 岩下さんのリツイートから読みました。ハンタの念能力描写は、ユリイカの荒木飛呂彦特集に書いた視点論と近づけて考えられる問題ですね。バトル漫画全般にひろげて考えれるので面白いところです。テニプリの描写とかも、非常にビビッド。

2010-03-11 01:33:19
泉信行 @izumino

http://twitpic.com/1848zf - (ムック - Nov 26, 2007) の 'ユリイカ2007年11月臨時増刊号 総特集=荒木飛呂彦 鋼鉄の魂は走りつづける' を Amazon でチェック! } http://goo.gl/y2Cu

2010-03-13 01:13:03
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みやも(大阪府) @miyamo_7

ドラゴンボール的な「気を感じる」という描写は「むっ、殺気!?」とか「こやつただものではないな・・・・」等々の昔ながらの時代物の描写を肥やしにしていて活劇史の太い脈に通じているわけだけど、その気というのを可視化したり数値化したりしたのは面白い発明だよね。(→)

2010-03-11 01:57:30
みやも(大阪府) @miyamo_7

(→)少年漫画というかキッズ向け作品ではしばしば「比喩を可視化する描写」からさらに踏み込んで「もともとはことばの比喩なのに、そのまんま劇中で物理的に具象化されたもの」が劇中で実際に出てきたりして興味深い。「気持ちの燃焼の比喩として瞳や背景に炎が描かれる」→実際に炎をつけるリボーン

2010-03-11 02:09:27
泉信行 @izumino

許斐剛の「跡部の氷の世界はビジュアル的にも少年漫画の王道」発言は名言中の名言だと思っている(具象化はしてないけど) RT @miyamo_7: (→)少年漫画というかキッズ向け作品ではしばしば「比喩を可視化する描写」からさらに踏み込んで

2010-03-11 02:28:41
泉信行 @izumino

あと、『咲』で、「牌を叩きつける手が爆発する」という比喩描写の次のコマで、「チリチリ」と爆発の燃えカスがくすぶっている絵が描かれるところがたまらなく好き

2010-03-11 02:30:58
みやも(大阪府) @miyamo_7

(→)ドラえもんで比喩を具象化するアイテムというのがあって、「狐につままれる気分になる」→「本当に狐が出てきてつまんでくる」とか「真っ赤な嘘」→「本当に身体が真っ赤に染まる」とかいろんなことが起きるお話なんだけど、そういうことをマジメにギミックとして組み込む分野が実際ある

2010-03-11 02:25:47
みやも(大阪府) @miyamo_7

(→)「咲 -saki-」あたりは、その「比喩のイメージ描写」と「劇中の物理的な事実」の境目の取り方が面白い池田キョトン

2010-03-11 02:28:55
Kimura Tadafumi @shrinebaby

@miyamo_7 そうですね。「見える/見えない」設定は、色々な規準でコード化されてると思うんでよね。気なり、オーラなりが強くなればなるほど、より強烈に「絵」として表現される(=見えてくる)場合もあれば、逆に描かれない(=見えなくなってしまう)っていう設定もありますよね。

2010-03-11 02:15:54
泉信行 @izumino

そこに「神」の視点というのを導入したのがユリイカのジョジョ論ですね RT @shrinebaby: @iwa_jose ①オーラが「絵」として見える/見えないということが、②誰(たち)にとってであり、その③「視点」の操作が物語上、どういう意味をもってるかということかな、と。

2010-03-11 02:17:22
@saru_at_P

@izumino  どうもです。僕はあのジョジョ論が大好きで、何度も読み直しています。あの『「神」の視点』導入の指摘には、なるほどと膝をうちました。今後も刺激的な分析を期待してます。

2010-03-11 02:20:45
泉信行 @izumino

@saru_at_P 荒木は作画のイメージが「完全に自分の絵の状態で頭に浮かぶ」とインタビューで答えていますが、富樫の場合、「既存の漫画の引き出しから浮かぶ」とヘタッピ漫画研究所で答えている、という違いもポイントですね

2010-03-11 02:24:55
Kimura Tadafumi @shrinebaby

@izumino その荒木さんの話と関連するか分かりませんが、斉藤環さんが、荒木さんのことを、抽象的な概念や思考といったものさえ「絵」としてきっちり表現としてしまえるマンガ家みたいな形容をしていたと思います。「スタンド能力」の意味ってそういうことかと納得した覚えがあります。

2010-03-11 02:44:35
泉信行 @izumino

@shrinebaby 似たような話に、夢枕獏が板垣恵介を「岩のような肉体」を本当に岩として描くのがすごい、とか誉めてましたね

2010-03-11 02:47:09
Kimura Tadafumi @shrinebaby

あとこの「見える/見えない」設定・表現の観点から少年マンガを見ていくとき、面白そうだなと思うのは「同作品(?)」のアニメ表現との比較ですね。

2010-03-11 02:17:43