ゆりうす三国志 第一章

書いても書いても0国志なんだが
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ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

桃、かじりあう、義兄弟、なるほど(ちょーん)

2016-01-08 20:25:50
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

その後の劉備は何をするでもなくまったく普段通りであった。まったく何も起こらなかった。劉備が不慮の事故で死んでしまい、ひょんなことから2015年からタイムスリップしてきた女子高生が代わりに劉備と名乗り立身していくような展開にも、ならなかった c1-24

2016-01-12 20:48:46
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

特に行動しない劉備。しびれを切らした関羽と張飛は「兄者、そろそろ世直しのため、ひとはた上げましょう!」と意気込み荒くやってきた。劉備はその都度、うーんとか、言ってる意味はわかる、とか言ってかわしていた c1-25

2016-01-12 20:53:03
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

ついに関羽らのプレッシャーに耐えかねた劉備は、母親に「いい加減に部屋を掃除しろ、勉強しろ、塾へ行け、こまめに電気を消せ」などと何度もしつこく言われてる息子のように「あ゛ー!」と不機嫌そうな返事をした c1-26

2016-01-12 20:59:15
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

劉備はまず人を集めた。村にはいつか何かできると信じる家から出ない三十過ぎの若者がたくさんいた。劉備は彼らの強烈なひがみ根性を巧みに回避し、ほめられることへの免疫の無さをつつき、一人また一人と同志を集めて行ったのだ。その数は百人を超えた。関羽、張飛もこれには苦笑いだった c1-27

2016-01-12 21:04:14
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

人を集めたのはいいが、大義より飯である。彼らを養わなければならない。かわいくもないのに。といって深夜の飲み会の勢いで始まったようなもの、劉備らに衣・食・住の当てがあるはずがなく、それはもう、いきなしのピンチだった。劉備「これいきなしだな」 c1-28

2016-01-12 21:08:49
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

そんなある日、張世平(チョウセイヘイ)という商人がやってきた。彼は金銀、馬をたんまり持っていた。今の劉備たちにはのどから手が出るほど欲しいものだ。あれがあれば、あれだけの金と馬があれば! c1-29

2016-01-12 21:12:51
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

張飛「兄者、その商人の荷を奪いましょう!それで我らは一息つける!」 劉備「ばかもの!貴様それでも男子くわっ!たとい貧しても鈍ならず!手段を選ばず正義を通さぬとあらば、盗賊や腐った役人と同じぞ!貴様それでも男子くわっ!」 張飛「すっすみません」 c1-30

2016-01-12 21:17:08
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

どうどうたる劉備の覇気に、関羽は「そうでなければ」「さもありなん」と言いながらうんうん頷き、改めて心服したのだった。そして劉備は肩を落としてちぢこまっている張飛にそっと手をやり「憎うて言うたのではない」と優しくフォローしたのだった。これはけっして茶番ではないのだ c1-31

2016-01-12 21:23:47
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

若き劉備たち、最初の試煉である!(ちょーん)

2016-01-12 21:26:23
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

関羽はすぐ張世平と会い、自分たちの志を説き、民百姓の苦労を嘆き、天下泰平の為に動くのだと話した。そしてそのためには米、馬、金銀が必要なのだと力説した。張世平はそんな手合いに何度も出会っている。劉備は演説の途中でハイハイといなされた c1-32

2016-01-13 16:46:43
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

関羽「すみません兄者、まったく話を聞いてくれません。彼は仁義を知らぬのです」 劉備「ははは、関羽、商人とはそういったものさ。どれわたくしがいってくる」 張飛「さすが兄者だ、たのもしいぜ」 劉備「ははは、おだてても何も出ぬよ」 c1-33

2016-01-13 16:48:31
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

張世平「どこの世界に赤の他人にただで商品や財産をくれてやるバカがいるんだ。そんなことを人に頼むなんて常識もないのかね、ここの人間は。お前らは計画もなく世直しだ革命だと騒ぐだけの迷惑な集団だよ、そんなに欲しいなら自分で稼いでそろえたらどうだい。無理だろうがね」 c1-34

2016-01-13 16:50:01
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

何も言えず、目を真っ赤にして劉備は帰った。関羽、張飛はなにごとかを察し、ぼそぼそと雑談するだけで、劉備に成果を聞きはしなかった。何度も長い沈黙が流れ、何度も同時にしゃべりだして、「あっ」みたいな空気が流れた c1-35

2016-01-13 16:51:38
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

金もないし、いよいよ解散だなという雰囲気の劉備たち。その日は夜まで雨であった。張世平の宿に役人が乗り込んできたのはそんな夜だった。「御用だ御用だ!」何事かとびっくりした張世平は役人に説明を求めた。役人がいうには「張世平なる商人は黄巾賊をかくまっている」というのだ c1-36

2016-01-13 16:53:34
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

驚くべき内容に張世平は慌てて無実を訴えた。しかし相手は腐った強慾な役人たちだ、張世平の財産を没収できるなら、真偽などどうでもよいのだ。聞く耳を持たぬ役人たちに連れ出される張世平。そこに立ちはだかるように劉備たちが現れたのだ c1-37

2016-01-13 16:55:50
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

劉備は異常なまでの落ち着きで「これは張世平どの、いかがいたした」と話しかけた。役人たちから事情を聴くと劉備たちは悲しげに「なんと黄巾賊の一味だったとは」「財産は没収ですな」「悪の黄巾賊では死ぬまで拷問にかけられましょうな」と引っ立てられる張世平に声をかけた c1-38

2016-01-13 16:57:55
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

「私は黄巾賊ではない。何の調査も証拠もない、根も葉もないつげ口を根拠に捕えられているのだ」と張世平は劉備に叫んだ。「なんと!それが本当なら漢の腐敗ここに極まれり!この腐った役人ども張世平どのの財産が目当てか!えいー!」雨の夜に剣戟の音が響いた! C1-39

2016-01-13 16:59:23
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

張世平は劉備たちの活躍で命が助かった。劉備は「これが義というものです」と微笑んだ。そして張飛は「あーあ、金と馬があったらなぁ」と、張世平にめっちゃ顔を近づけて言った。完全なる独り言であった c1-40

2016-01-13 17:01:23
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

張世平は観念して「ど、どうぞお使いください」と米、金、馬を劉備たちに差し出すことを約束した。劉備は「確かに命の恩人になりましたが、ただでいただくなど非常識きわまることです。一時借りるということにしましょう」と笑った c1-41

2016-01-13 17:03:08
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

「では明日、受け取りに来ますね」と劉備はへたり込んでいる張世平を立たせ、両手でどーんと押して倒し、張世平を泥だらけにして去って行った c1-42

2016-01-13 17:04:51
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

劉備、ついに旅立ちのとき!(ちょーん)

2016-01-13 17:05:35
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

金と馬をゲットした劉備は「兵求む委細面談」という公募を見つけ、太守・劉焉(リュウエン)を訪ねた。 劉焉「劉備どのはおいくつか」 劉備「いくつに見えます?」 劉焉(ほほう、あえてふた昔も前の合コンのめんどくさいノリあるあるをここで出すとは、こやつ) c1-43

2016-01-14 20:32:38
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

劉焉は劉備のふてぶてしいまでの度胸ときらめく知性、王の末裔(中二設定)という高貴なる血筋に惚れこみ、来賓としてたいへんなもてなしをした。ニート軍団はこの頃ふくれにふくれ五百人に達しており、劉備たちは乱世万歳とタダ飯を食らうのであった c1-44

2016-01-14 20:38:31
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

劉焉は部下の鄒靖(スウセイ)に命じて近くに陣取る黄巾賊の討伐に行かせた。劉焉はまっちろなマナコで、たのもしい劉備たちにもその加勢を願った。劉備たちはいいところで宴会を中断されたが、こうも信頼されては、しぶしぶ鄒靖についていくしかなかった c1-45

2016-01-14 20:44:17
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