自己肯定感と感情貯金の増やし方

先日のまとめ 感情貯金が少ない人は理不尽なヘイトを他者に向けて心を守る http://togetter.com/li/936219 の反応を受けて、補足的にしたツイートをまとめました。 続きを読む
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めんたね @mentane

ハイディ・グラント・ハルバーソンの『やってのける』という本では、物事を学習したり、努力を継続したりするときのモチベーションのパターンを「証明型」と「習得型」に分けて説明している。この型は自己肯定感の高さと関係しているように思われる。

2016-02-10 17:01:06
めんたね @mentane

「証明型」の人間は「物事を成し遂げるために一番重要なのは才能である」と考える。努力しても人はあまり成長できず、最初の才能がものをいうという世界観だ。行動のモチベーションは「自分が有能である、と周りの人間に証明して見せる」ことだ。難しい課題に取り組むのは嫌がる。

2016-02-10 17:03:48
めんたね @mentane

「習得型」の人間は「物事を成し遂げるために一番重要なのは努力である」と考える。才能の違いは努力である程度埋められるという世界観だ。行動のモチベーションは「過去の自分と比べて、現在の自分が成長した、と感じられる」ことだ。難しい課題に取り組むことも嫌がらない。

2016-02-10 17:06:21
めんたね @mentane

ちなみに、証明型と習得型の違いはパートナー選びにも表れるらしく、証明型は「一緒にいると自分が有能である」と感じられる相手を選び、習得型は「一緒にいると自分が成長できる」と感じられる相手を選ぶ傾向が強いそうだ。

2016-02-10 17:09:24
めんたね @mentane

証明型の価値基準は他者との比較にある。今現在の結果に興味が向いている。すぐに結果がでないことをやり続けるのは苦手。習得型の価値基準は過去の自分との比較。周りからの承認よりも自分自身が成長したと感じる納得感で動く。 pic.twitter.com/8YK8QBJsnq

2016-02-10 17:39:27
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めんたね @mentane

親が常に今現在の結果だけを見て自分の子どもと他の子どもを比べ続ければ、子供の脳内にも証明型の思考パターンがインストールされる。親がプロセス重視で子どもの成長過程に目を向けて関われば、子どもには習得型の脳内の親が作られる。

2016-02-10 17:48:05
めんたね @mentane

おそらく、放っておいても称賛され続ける一部の天才を除いて、証明型は感情貯金が減りやすくなる。自分の有能さを証明するにはそれを認めてくれる他者が必ず必要になるからだ。自分一人では感情貯金がたまらない。

2016-02-10 17:51:01
めんたね @mentane

証明型で天才に生まれつくと、なかなか楽しい人生かもしれない。ひょっとしてサッカー選手のマラドーナってそうなのではないかと思ったりするが、彼もサッカーを引退した後は大変そうではある。肥満しすぎて胃袋を切除する手術を受けたという話を聞いたような。

2016-02-10 17:52:16
めんたね @mentane

習得型は自分一人でも感情貯金を増やすチャンスがある。もちろん、努力して成長しないと感情貯金は増えないが。また一回の失敗で受ける精神的なダメージが少ない。「今は下手でも成長して上達すればいい」思考パターンを持っていて自己回復機能が働くからだ。

2016-02-10 17:56:37
めんたね @mentane

努力による成長を前提としない証明型にとって、失敗とは「永遠の無能宣告」であり、絶望的な状況である。これを取り返すすべはない。従って、感情貯金が大幅に減る。

2016-02-10 17:57:48
めんたね @mentane

「脳内の親」としてインストールした基本的な思考パターンというのはパソコンのOSのようなもので、OSの出来はパソコンの使い勝手を大きく左右する。OSは永久に変わらないものではない。バージョンアップを繰り返しながら、その時の状況に適応するように少しずつ変化する。

2016-02-10 18:00:54
めんたね @mentane

感情貯金に影響する自己肯定感、脳内の親について、もう一点。セルフイメージや自己理想だけではなく、世界観や他者観も影響する。たとえば「基本的に他人は私をバカにしたり、攻撃する」という他者観を持つ人は、人と関わるたびにストレスを感じ、感情貯金が減る。

2016-02-10 18:04:09
めんたね @mentane

敵対的な他者を想定する世界観は、他者との間に好循環ループを作りにくくする。悪循環ループにはまれば、さらに感情貯金は減っていく。ここで負の感情貯金スパイラルは口を開けて待っている。「私は基本的に運がいい方だし、他人も普通に友好的だ」という世界観を持てれば感情貯金は貯まりやすい。

2016-02-10 18:07:22
めんたね @mentane

幼少期のいじめがその人の自己肯定感に大きな影響を与えるのはここだ。いじめは世界観や他者観を悲観的な方向へと大きく引っ張る。常に周りに警戒していれば、それだけ感情貯金は減る。相手からの純粋な好意にも疑いの目を向けてしまいまっすぐ受け取れない。こうして感情貯金を増やすチャンスが減る。

2016-02-10 18:17:54
めんたね @mentane

ここまで整理する。感情貯金の出入りが頭の外で起きているやり取りだとすれば「自己肯定感」「脳内の親」「バケツの穴の大きさ」「OS」といった言葉で表現していたことはほぼ同じもので、外からやってきたコミュニケーションや情報を頭の中でどのように処理するかというパターンのことだ。

2016-02-10 18:22:17
めんたね @mentane

感情貯金を効率よく集め、自分でも生産し、外からのストレスを受けても無駄に感情貯金を減らさないで済ませるような信念・世界観・思考パターンのセットが脳内にインストールされていれば、感情貯金は貯まりやすくなる。

2016-02-10 18:32:41
めんたね @mentane

逆に自分のところに入ってくるプラスの承認をシャットアウトし、自分の中で感情貯金を減らすようなものの考え方をし、自分に降りかかったストレスをより拡大して強く感じ取るような信念・世界観・思考パターンのセットがインストールされていると「愛喰い虫」状態に陥る。

2016-02-10 18:40:18
めんたね @mentane

面倒なので前者を「自己肯定感が高い」、後者を「自己肯定感が低い」と呼んでおくことにする。

2016-02-10 18:41:14
めんたね @mentane

感情貯金の増減のポイントは3つ。 1.外界から自分へと入ってくるインプット(感情収入) 2.自分の中に入ってきた感情貯金の処理(感情運用) 3.自分の中から外界へと出ていくアウトプット(感情支出) それぞれのステップで感情貯金を増やすような工夫をし、 練習することで改善する。

2016-02-10 18:46:10
めんたね @mentane

1と3については既に述べたとおりである。基本的には悪循環のループを身の回りに作ることを避け、好循環のループをなるべくたくさん作る。

2016-02-10 18:47:32
めんたね @mentane

そこでぼくは「もらい上手理論」というものを提唱している。とにかく相手に些細なことでいいから、ちょっとしたお願い事をする。もちろん、強要してはいけない。相手が断れるような余地を残して丁寧に下からお願いする。物言いは別に相手との関係性に合わせて自然なもので良い。

2016-02-10 18:50:11
めんたね @mentane

相手が自分のお願い事を聞いてくれたら、きちんと感謝の気持ちを表し、喜ぶ。多くの人は自分のやった行為が誰かの役に立ち、喜んでもらえると、自分もうれしい。「与える喜び」である。感情貯金が少ない人間は自分から与えるのが少々キツイ。だから、最初はもらう方から始める。

2016-02-10 18:51:52
めんたね @mentane

もらい方にもコツがあるが、今回は省略。(あと一時間でスキーに行く支度をしなければならないので。夜行バスで蔵王に行くのだ!)

2016-02-10 18:52:54
めんたね @mentane

余裕がある人には「小袋に分かれた飴玉を買っておいて、職場の人間全員に朝の挨拶をしながら『これどうぞ』と飴玉を配って歩け」というタスクを課す。感情貯金が少ないと器用に言葉で喜ばすのが苦手な人が多いから、とにかく儀式的にものを上げる。それも相手が負担に感じないものを。

2016-02-10 18:55:20
めんたね @mentane

「全員に分け隔てなく笑顔で挨拶をし、飴玉をあげる」これだけのことだが、感情貯金の底が尽きていると、これですらハードルが高い。「いきなり飴玉をあげたり、そもそも挨拶なんかをしたら変に思われないだろうか?」などと不安になり躊躇する人もいる。

2016-02-10 18:56:52