ニンジャスレイヤー二次創作【テンダー・ホワイト・ドラゴン・アンド・ブルタル・レッド・ブラック・ドラゴン】#6

プロキオン @MMMwithbe

ニンジャスレイヤーが斜めに跳躍！　タタミ3枚の距離を軽々と一跳びし、チャドーの連続回転蹴り、タツマキケンの初撃を繰り出す！「イヤーッ！」その両脚には禍々しき赤黒の炎が宿り、右目のセンコめいた真紅の光と共に残像を引く！

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ペクヨンは体を捻りながら垂直跳躍！　360度スピンして速度と破壊力を重点した左のジャンピング・ハイキックでニンジャスレイヤーを迎撃する！「イヤーッ！」CRASH!　蹴り脚が激突――互角！　タツマキケン継続不可能！　互いに相手の蹴りの衝撃で後方へ弾かれる！

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着地はわずかにニンジャスレイヤーの方が早い。地上を突進しペクヨンに肉薄！　ジュー・ジツの動きとはうって変わった荒々しいカラテを振るう！「イヤーッ！」「イヤーッ！」「イヤーッ！」「イヤーッ！」「イヤーッ！」「グワーッ！」「イヤーッ！」「イヤーッ！」今度はペクヨンが防戦に回る！

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「イヤーッ！」「グワーッ！」「イヤーッ！」「イヤーッ！」いくつかの短打はヒットするが、そのまま押し切れるほどの有効打には至らない。つい先刻までよりも明らかに速度を増したニンジャスレイヤーの猛攻を、ペクヨンはほとんどガードしている。赤黒の炎を纏ったチョップや蹴りでさえも。

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そして「イヤーッ！」「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーの断頭チョップを、ペクヨンは手首を掴んで止めた。赤黒の炎がペクヨンの手に――燃え移らない。それどころか、掴まれた腕に纏っている炎の火勢が、徐々に弱まっていくではないか！「ヌウーッ!?」ニンジャスレイヤーは瞠目する！

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掴まれている右腕に、真冬のドサンコの流氷漂う荒海に投げ込まれたかのような冷たい痛みが広がる！「グワーッ！」右腕の感覚が急速に鈍化！　さらに全身を巡る血液までもが急速冷却され、体温がペクヨンの手に吸い取られていく感覚！　ニンジャスレイヤーは咄嗟に腕を振り払い、連続バック転で逃れる！

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ペクヨンは追わない。「コォーッ……！」特殊な呼吸法により、赤黒の炎に相殺されかかった超自然の冷気を再び体内に充塡する。これこそ彼のユニーク・ジツ、その名もコリ・エンハンスメント・ジツ！　彼に宿るニンジャソウルは、コリ・ニンジャクランのグレーターニンジャだ！

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コリ・ニンジャクランのソウルを宿すニンジャに共通する、低温を操るコリ・ジツ。その使用形態にはニンジャごとに独自のバリエーションがある。巨大な氷像の中に入る者。氷でできた長い爪を生やす者。巨大な氷のヤリやシールドを作り出す者。掌から雪と冷気の波動を飛ばす者。

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ペクヨンのコリ・エンハンスメント・ジツは、直接的接触によってのみ相手に冷気を伝えることが可能という制約があるが、超低温の強度は並のコリ・ニンジャクランのニンジャを遙かに凌駕する。ニンジャスレイヤーでなければ、手首を掴まれた1秒後には肘から先が完全凍結、折り取られていたであろう！

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不浄の炎の火勢が戻りきるより早く、ペクヨンが跳躍する！「イヤーッ！」「イヤーッ！」イナズマめいた跳び横蹴りをブリッジ回避！　腹の上を跳び越えて着地したペクヨンの後頭部めがけてニンジャスレイヤーの逆立ち蹴り！「イヤーッ！」「イヤーッ！」ペクヨンは振り返りざまブレーサーで受ける！

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「イヤーッ！」「イヤーッ！」逆さまの股間へヤリめいた左前蹴り！　再度ブリッジ回避！「イヤーッ！」「イヤーッ！」ウインドミル連続蹴り！　腕と脚で連続ガード！「ヌウーッ!?」ウインドミル蹴りを放った側のニンジャスレイヤーが呻く！　接触のたび、着実にペクヨンの冷気が身体を侵蝕してくる！

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「イヤーッ！」「イヤーッ！」「イヤーッ！」「イヤーッ！」「イヤーッ！」「グワーッ！」「イヤーッ！」「グワーッ！」チョップやキックが激しく切り結ぶたび、少しずつ赤黒の炎の火勢は削がれ、ニンジャスレイヤーの体温は低下し、動きが徐々に鈍くなってゆく。カラテ攻防の流れはペクヨン優勢に！

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ペクヨンは右フラミンゴで左のチャギ・キックを連打！「イヤッ！　イヤッ！　イヤッ！　イヤーッ！」下段・中段・上段、一瞬の間を置いて鳩尾狙いのサイドキック！　ニンジャスレイヤーはかろうじて受ける！　着実に冷気が侵蝕！　このままではジリー・プアー（訳注：徐々に不利）だ！

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ペクヨンが吼える！「イヤーッ！」上げていた左足を降ろす勢いと腰の捻りを相乗させ、胸板へと叩きつけるような右の回し蹴り！「ヌウーッ!?」両腕クロスで受けたニンジャスレイヤーの身体がわずかに浮くほどの威力！　タタミ1枚分後方へ押される！　衝撃と冷気による、コンマ数秒の行動不能時間！

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そしてペクヨンは必殺のカラテを放つ！　跳躍から左脚を高々と振り上げ、前方180度開脚！　左踵には超自然の冷気が凝縮！　空気中の水分が瞬間凍結し、氷霧が白い軌跡を描く！　テコンドーの象徴たる奥義、ティミョ・ネリョチャギ・ジャンピング・ヒールストライク！「イィィィヤァァァーッ!!」

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ニンジャスレイヤーは、今まさに己の頭蓋を粉々に破砕せんと打ち下ろされる、研ぎ澄まされた氷の斧を見た。両腕クロスガードを頭上に掲げる。足りぬ。ドウグ社製ブレーサーの強度をもってしても、赤黒の炎の火勢が弱っている今の状態では、超低温を伴った必殺の一撃に耐えきれぬであろう。ならば――。

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ニンジャスレイヤーは両腕クロスガードを掲げたまま、左前方に半歩、踏み込んだ。……なんたるヤバレカバレか、あるいはモスキート・ダイビング・トゥ・ベイルファイア行為か!?　「イヤーッ！」渾身のカラテシャウト！　全身アイソメトリック緊張！　インパクト！　CRAAAAASH!!

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打ち下ろされたペクヨンの左踵と、ニンジャスレイヤーのクロス腕が激突！　ドウグ社製ブレーサーが左右とも折れ曲がり、腕から吹き飛ぶ！　衝撃力！　冷気！　踵が右鎖骨付近にヒット！「グワーッ！」　――だが、そこで止まった。右肩上部の筋肉に少なからぬダメージ、しかし骨折には至らない！

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ヤバレカバレではなかった。ニンジャスレイヤーは、打ち下ろされるペクヨンの左脚の軌道を予測し、それよりも内側に入り込んだのだ。距離を詰め、踵の先端ではなくアキレス腱部をクロス腕の上に乗せて受け止めることで、ティミョ・ネリョチャギの最大威力を発揮させることなく受けきった！　タツジン！

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ペクヨンが着地する。左足はニンジャスレイヤーの肩に乗ったままだ。ペクヨンの右足が地面に触れ、重力加速度が最大になった瞬間――ニンジャスレイヤーは両手をペクヨンの左膝にかけ、肩と両腕でペクヨンの左脚を伸び切らせて固定したまま、恐るべき速度で地面に両膝をついた！「イヤーッ！」ゴキリ！

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「グワーッ！」ペクヨンの左膝が、曲がってはならない方向に強い力を受ける！　プロレスカラテにおけるベーシック・アーツに、スタンディングで相手の腕をとって伸ばし肘関節を自分の肩に叩きつける「アームブリーカー」というワザがあるが、さしずめ今の状況は「レッグブリーカー」とでもいうべきか。

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ジュー・ジツのワザでも、無論チャドーのワザでもない。インパクト直前の半歩前進も、このレッグブリーカーも、無意識的な行動である。ニンジャスレイヤーが重ねてきた無数の戦闘経験と、ここで死ぬわけにはいかないという生存本能が反射的に身体を動かした。それは結果的にこの局面の最適解であった。

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ニンジャスレイヤーは素早くペクヨンの左足首を腋（わき）に固定し「イヤーッ！」恐るべき速度で外向き螺旋回転した！　ゴキリ！「グワーッ！」膝をねじ切らんばかりの衝撃！　靱帯損傷！　暗殺拳チャドーの殺人技、ドラゴン・シッポ・ネジリ！　ニンジャスレイヤーは脚を離さずグラウンドへ！　勝機！

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ニンジャスレイヤーは仰向けの相手に足を向け、相手の左脚を右腋に抱えたまま己の両脚で挟み込んだ。「イヤーッ！」左手と右肘を使い、ペクヨンの左足首を外向きに180度捻る！　力強く！「グワーッ！」ジュー・ジツの禁じ手、外回し式ヒール・ホールドである！　容赦なきサブミッション・コンボ！

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ブヅンッ！　左膝関節靱帯複数完全断裂！「グワアアーッ!!」ペクヨンは激痛に絶叫する！　呼吸が乱れ、コリ・エンハンスメント・ジツの集中が解ける！　ニンジャスレイヤーの体温を奪い続けていた冷気が消える！　勝機！　ニンジャスレイヤーはペクヨンの左脚を持ち替える！