無人島「猿島」には「40万円でフェリーを呼び戻せるボタン」があるって本当?運航会社に真偽を確かめてみた

終フェリーは絶対に逃さないようにしたい
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東京湾最大の自然島としても知られる(画像は「写真AC」より)

神奈川県横須賀市の無人島「猿島」。自然に恵まれ、レジャーなど観光で訪れる人も多いこの猿島について、X(Twitter)である噂が拡散された。

噂とは、猿島には「終フェリー」を逃してしまった人向けの「緊急警告灯」なるスイッチがあり、これを押すとフェリーを呼ぶことができるものの「40万円」の費用がかかるというもの。

終電をはじめ「うっかり乗り物を逃してしまった」という経験は誰にでもあろうが、その失敗に40万円の代償がともなうとしたら、相当怖い。

元となった投稿をみたXユーザーからも「たしかに猿島で終フェリー逃したらある種遭難みたいなものだしな」「究極の選択やな」といった反応が相次いだ。

いっぽうで、「40万円は本当なのか」「自分が猿島に行ったときに聞いたのは3万円くらいだった」という声も出ており、「40万円部分」についての真偽がさだかでない。

気になったTogetterオリジナル記事編集部では、猿島航路を運航している海運会社・株式会社トライアングルの担当者に直接詳細を確かめてみた。

費用は状況によって変わる

「緊急警告灯」を押すと40万円でフェリーを呼び戻すことができる噂は本当?

40万円という数字は明記しておりませんので、こちらは投稿者様サイドでお書きになった数字かと思われます。

費用に関しては、その時稼働できる船や、必要な人件費などによって変わってきますので、ここでは明確な回答はできません。

 

「緊急警告灯」が押されるとどんな対応が発生する?

緊急警告灯が押された場合の対応については、スイッチを押すと、猿島に設置してある赤色灯が回転します。

猿島を視認できる位置に本社がありますので、赤色灯が光っていることを確認し、電話で本人と連絡をとったうえで、気象海象の安全の確認や人員の手配を行い、全てに問題がない場合猿島に向け船を出します(夜間の際などは周辺の船舶や海上保安庁から連絡が入る場合もあります)。

なお、桟橋に設置している案内板には、スイッチを押した後に必ず当社にお電話いただくよう案内しております。

最終便に乗り遅れた人向けの案内。「ただし別途料金を申し受けます」の字が。

上記を行うと同時に、関係当局(海上保安庁や警察など)に通報いたします。

フェリーの呼び戻しにかかる費用は、状況によって変化するようだ。「緊急警告灯」が押された後の対応の大変さも考えると、やはり押さないで済むにこしたことはないだろう。

ちなみに、Xでは「40万かかるなら野宿しちゃう」といった反応も複数出ていたが、猿島では都市公園条例により宿泊が禁止されている。つまり、終フェリーを逃したら緊急警告灯を使うことは避けられないのだ。

猿島を訪れる予定のある人は、くれぐれも終フェリーの時間に遅れないよう気を付けよう。

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