お巡りさんもビックリ?「 人工衛星」を運んでいる最中に職質されちゃった人現る

人工衛星って、手荷物で運ぶんですね
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人工衛星を「手荷物」として運んでいる時に、お巡りさんから職務質問を受けてしまったという驚きの投稿がX(Twitter)で話題になっている。

職務質問を受けた時に運んでいた人工衛星

投稿したのは、大学に通いながら課外活動として一般社団法人e-kagakuの人工衛星の運用プロジェクトに参加している、たっきー(@forestwaterfall)さん。

プロジェクトで使う通信機の試験を行った帰りで、機材を運んでいる最中にお巡りさんに職務質問をされたそう。

「危ないものを持っていないか確認させてもらえませんか?」と手荷物検査をされたが、その時たっきーさんたちが運んでいたのが、なんと投稿画像の四角い人工衛星だった。危険ではないにしろ、壊したら「危ないもの」であることには違いないだろう。

お巡りさんは機材を傷つけないよう気を遣いながら荷物チェックを行い、特に追及されることもなく職務質問は終了したそうだ。

Xユーザーからは「これは警察官もびっくりだな」「やさしいおまわりさんで良かったですね」「SF映画のワンシーンみたい」などのコメントが寄せられた。

高精密機械の人工衛星を人力で運んでいる間に職務質問を受けるという、なんともビックリ続きな本件。投稿当時の状況や運んだ人工衛星についてなどの詳細をたっきーさんに伺った。

フライトモデルは2024年に打ち上げ予定

職務質問の際、人工衛星は何に入れて持ち運んでいましたか?

持ち運び用の取っ手付き緩衝材ケースに入れていました。

職務質問で「大きな荷物」と言われた人工衛星のサイズはどれぐらいでしょうか。

衛星自体は、10cm×10cm×10cmなのでそこまで大きくありません。衛星を入れていたケースは、縦横30cmくらいの大きさです。

職務質問された際は衛星以外にも無線機や無線機用の電源も運んでいました。こちらは衛星よりも重たく大きいのでキャリーケース2つに分けて持ち運んでいたのですが、おそらくこっちが警察官の目に留まったのだと思います。

衛星を持ち運ぶことも多いそうですが、運搬時に気を付けていることはありますでしょうか。

人工衛星は、ロケット打ち上げ時の振動に耐えられるように設計されていますが、落としたりぶつけたりなどして過度な衝撃が加わってしまわないように気をつけています。

今回運んでいたのは、エンジニアリングモデルという試験機ですので、緩衝材ケースに入れていれば過度に神経質になる必要はありません。皆さんが、パソコンなどの精密機械を運ぶ時と似たような感覚だと思います。

ただし、エンジニアリングモデルではなく完成したフライトモデルを運搬する時は、振動を計測する機械を取り付けて運ぶため、うっかりぶつけたり落としたりすることが絶対に無いよう十分に注意し慎重に運んでいます。

というのも、フライトモデルは試験で耐えられると確認した以上の振動を加えてしまうと、試験がやり直しになってしまい、最悪の場合打ち上げができなくなってしまうんです。

投稿への反響を見た周囲の反応はどうでしたか?

e-kagakuに参加している中高生とはまだ話せていないのですが、私と同じくサポーターの大学生たちは、投稿がものすごい勢いで伸びていく様子に驚いていました。

衛星の写真を見て「かっこいい!」とコメントしてくださった方も多く、日々懸命に開発に取り組んでいるメンバーたちは、とても嬉しく思っています。

今回の人工衛星について、現時点で決まっていることを教えてください。

開発やロケットの都合で延期になる可能性はありますが、2024年にフライトモデルを完成させ、打ち上げるスケジュールで進めています。

実際に打ち上げるフライトモデルは、慎重に運ぶ必要があるようだ。そう考えると、今回職務質問された際に持っていたものがエンジニアリングモデルでよかった(?)とも言えるだろう。

この人工衛星の正式モデルの打ち上げが、無事に成功することを祈りたい。

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