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【ライフ・イズ・ディザイア・ノット・ミーニング】#1

すみゆ忍でなんか書いたまとめ。 オリジナルとイマジナリを多分に含んでいるため、すみゆ忍をご存知ない、ニンジャを知らないみなさんには非推奨。
すみゆ忍
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エンデューロ@こむぼろ @Enduro_nj
◆これから試験的になんか流します◆ ◆お試しなのでタグとかない◆ ◆忍殺風味が弱いテキストが流れる◆
エンデューロ@こむぼろ @Enduro_nj
◇大目に◇ 尚、中の人はテキストカラテ白帯である ◇見て◇
エンデューロ@こむぼろ @Enduro_nj
彼は走っていた。 此処はいったい何処だろうか。 色の無い荒野、サイケデリックなネオン、雑踏、深い森、ケミカルな色の川を越えて 彼は走る。遠く、もっと遠くへ。 体は傷つき、血は滴り、骨の軋む音がする。心臓の鼓動はもはや彼の命が長くないと告げているかのようだった。1
エンデューロ@こむぼろ @Enduro_nj
では何故走る。何故?理由など。いや、思い出せぬのだ。何故走る。何の意味が?…あっただろうか。意味など。理由など。 あったのだろうか。 2
エンデューロ@こむぼろ @Enduro_nj
彼は突然、まるで己が風になったかのように錯覚し 晴れやかに 笑っていた。 3
エンデューロ@こむぼろ @Enduro_nj
【ライフ・イズ・ディザイア・ノット・ミーニング】4
エンデューロ@こむぼろ @Enduro_nj
ネオショーナンの海を望む小高い山の上にぽつりと佇む廃墟あり。よく見れば教会とわかるその建物の、壊れかけた扉から1人、神父めいた服の男が顔を出した。「おや…こんな時間ですか」口元を黒いメンポで覆った男はそう独りごち、空を見上げる。メンポ。すなわちニンジャである。5
エンデューロ@こむぼろ @Enduro_nj
男が見上げた先には、陽が落ち夜の帳が降りんとする妖しい紫色の空が広がっていた。今日は珍しく心地よい陽気で、男は廃教会の中で1日惰眠を貪っていたのだ。目が覚めてみれば教会の中は夜と変わらぬ光のない世界。滅多に訪問者もないこの地では自ずと時間の感覚が薄れてしまう。6
エンデューロ@こむぼろ @Enduro_nj
「…おや」男はふと、教会前の錆び付き傾いた大門に目をやった。門の前の道に何か見慣れぬものが落ちている。「久々にお客さんでしょうかねー」やる気のカケラも無い声を漏らした男は、いそいそとその物体へと近付いた。「もしもし、生きてますか」7
エンデューロ@こむぼろ @Enduro_nj
そこに倒れていたのは、紛れもなく人であった。全身に傷を負い、まるで血に染まったボロ切れのように汚らしく道に"落ちて"いる。「もしもし。もしもぉし」神父服の男は傷だらけの姿に構いもせず、その行倒れの隣にしゃがみ込み頭であろう場所をペチペチと叩く。「う…あ……」「おお、生きている」8
エンデューロ@こむぼろ @Enduro_nj
「あ…」血塗れのボロ切れはむくりと動き、頭をもたげ神父服の男を見上げた。「ドーモ、ゴッドファーザーです。生きてますね。チョージョーです」ゴッドファーザーは特になんの感情もわかないといった表情のまま、ボロ切れへ向けおもむろにアイサツをする。9
エンデューロ@こむぼろ @Enduro_nj
「ド……モ…」ボロ切れの行倒れは、息も絶え絶えそれだけ呟くと、次に目を丸くし固まった。「どうしました」「……」「お名前ですか?」「……」「お名前、忘れましたか」「…ナマエ……」行倒れはさらに顔を上げ、しっかりとゴッドファーザーの顔を見た。10
エンデューロ@こむぼろ @Enduro_nj
血が膠のようにこびり付いたその顔は、しかし、思うよりも若い青年のそれである。その眼が弱々しく揺らぎ、そして微かに青い光を灯した。「なるほど」ゴッドファーザーはやおら立ち上がると、青年を見下ろしながらゆっくりと問うた。「他に何を忘れましたか」「…ワカラナイ」11
エンデューロ@こむぼろ @Enduro_nj
「では、他に何を覚えていますか」「……ワカラナイ」青年は震えながら力を込め、徐々に体を持ち上げる。「あなたは誰ですか」「…」青年が口を開きかけた時、ゴッドファーザーは虚空に左手を掲げた。すると、おお、見よ。その手の上で徐々に闇が集まり、ひとつの形を成していく!12
エンデューロ@こむぼろ @Enduro_nj
「それでは、ひとつ貴方に新しいものを差し上げましょう」ゴッドファーザーの左手には、どこか禍々しいアトモスフィアを湛えた1冊の分厚い本が握られていた。「よく死なずに来ましたね。」ゴッドファーザーが何かを見透かすように目を細めると、左手の本がひとりでに開かれる。パラララ… 13
エンデューロ@こむぼろ @Enduro_nj
なんと!その本のページがひとりでにめくられ始めたのである。「さて。アナタの名はここにあるでしょうか」青年はいつの間にか体を起こし、地面に座り込んでいた。未だ立つ気力は湧かぬが、その目には僅かに生気が戻っている。彼は小さく小さく、何かを呟いた。14
エンデューロ@こむぼろ @Enduro_nj
パラッ!その瞬間、ゴッドファーザーの本がピタリと動きを止めた。「ありました。エート…えん、どぅ……エート?…ああ。」 「エンデューロ。あなたはエンデューロ=サン」15
エンデューロ@こむぼろ @Enduro_nj
「エンデューロ。」青年は青い瞳で真っ直ぐ見返し、ゴッドファーザーの読み上げた名前を繰り返した。「そうです。」「…ドーモ。エンデューロ…です…」声は掠れながらもはっきりと、ようやくエンデューロはアイサツを返した。「ドーモ。アナタ、ニンジャですよ」「ニンジャ」「ええ。ところで」16
エンデューロ@こむぼろ @Enduro_nj
ゴッドファーザーは周りを見回した。いつの間にかすっかり陽は落ち、薄暗い。「もう夜ですよ。ここに座っているわけにもいかないでしょう。何もない所ですが、まぁ、一晩休んで…」「走る」唐突に、エンデューロが言葉を遮った。「………はい?」17
エンデューロ@こむぼろ @Enduro_nj
「まだ、走れる」もう一度はっきりと、エンデューロはそう返した。「……ナンデ?」思わずゴッドファーザーは聞き返していた。先ほどまで、道端に落ちたゴミのような、誰に知られることもなく死にかけていた男の言葉とは到底思えぬ。「ナンデ?」エンデューロは機能が停止したかのように固まった。18
エンデューロ@こむぼろ @Enduro_nj
「せっかく名付けたのに、すぐ死なれたら後味が悪いですよ」ゴッドファーザーは本気とも冗談ともわからぬ素振りでいうと、固まったエンデューロの目の前で数回手を振った。反応はない。「…ではせめて、何か食べますか。まぁ水と…ルマンドしかないんですがね、今。」19
エンデューロ@こむぼろ @Enduro_nj
もはや人形に語りかけるような気分で投げやりにそう言うと、ようやくエンデューロがピクリと動いた。「…水」「………水ですか」 ニンジャソウルを宿したばかりの人間は、狂気に囚われるか、あるいはこの様に精神が崩壊し抜け殻になる事がよくある。ゴッドファーザーもそれは心得ていた。20
エンデューロ@こむぼろ @Enduro_nj
しかし、こんな名も無い弱小なソウルでここまで重篤になるとは思いもしなかった。元から精神薄弱だったのだろうか。傷が癒えれば、取り戻せる記憶もあったろうに。それとも何か、わけがあるのか。教会の中に戻ったゴッドファーザーは備蓄食料棚にある水のボトルを選びながらぼんやりと考えていた。21
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