狼一行の臥塔攻略

GC大戦有志企画『臥塔エテメナンキ』の記録
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凱旋

サムクサイヌ_fateUM/PL:hinoe @hinoe_uma2

#狼の足音 #狼一行塔登り 人々の喧騒。立ち込める熱気。酒場は今夜も盛況だ。肉を焼く香りと酒の匂い、そして紫煙が漂う中、店は実に楽しげな賑わいに満たされていた。誰かが陽気に歌いだせば、別の誰かが洋琴を掻き鳴らし、手拍子が広まれば、酔っ払い達が肩を組んで踊り出す。その一角に。

2016-08-05 19:01:34
サムクサイヌ_fateUM/PL:hinoe @hinoe_uma2

@hinoe_uma2 「乾杯!」 杯を打ち合わせる三人の姿があった。各々、頭に腕にと巻かれた包帯が生々しく痛々しい。しかし、満面に笑みを浮かべて――一名はいつもの如く無表情であるが――杯をぐいと呷る。口の端の泡を拭いながら、エッベは至福の表情で息をついた。

2016-08-05 19:01:56
サムクサイヌ_fateUM/PL:hinoe @hinoe_uma2

@hinoe_uma2 懐から小袋を三つ取り出すと、二つを仲間に向かって放る。受け止めれば、じゃらりと音がした。 「今回は助かったぜ」 約束通り、三等分な。そう言って、自分の分の袋を手の中で放る若者。杯を空にしたマグニが受け取ったそれを覗く。太い眉が片方、ぴくりと上がった。

2016-08-05 19:05:43
サムクサイヌ_fateUM/PL:hinoe @hinoe_uma2

@hinoe_uma2 酒場の灯火にきらめくそれは、金貨だ。 「こりゃ大盤振る舞いだな」 さっそく上等な酒を注文し、一口含めば、厳つい顔をたちまち綻ばせた。エッベも、実に芳しい香りを立てる大きな塊肉を頼むと、一息に齧り付く。幸せそうなその顔は子供のようである。

2016-08-05 19:06:06
サムクサイヌ_fateUM/PL:hinoe @hinoe_uma2

@hinoe_uma2 クヴァシルはといえば、その価値が解っているのかどうなのか、黄金の輝きを見つめながら無言で酒杯を傾けていた。 「やるかい」 マグニが遊戯札を差し出す。 《ゲームはいいな。面白い》 頷くクヴァシル。 「よっし、今度は勝つぜえ」 意気込むエッベ。

2016-08-05 19:06:45
サムクサイヌ_fateUM/PL:hinoe @hinoe_uma2

@hinoe_uma2 戦い終わっての安らぎと享楽の時。賑やかに夜は更けていく。天衝く魔の塔を駆け抜けた戦士達の、一時の休息であった。 (了)

2016-08-05 19:13:22

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