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「ネクロマンティック・フィードバック」 #2

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
ニンジャスレイヤー
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Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
(前回あらすじ:スピリチュアリスト、アンドウは、夜な夜な廃テンプルへロウソクを備えにいく神秘的生活を営んでいる。彼はアーマゲドンの到来を幻視し、不安の中で暮らしていた。)
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(折しも、悪魔的研究者・リー先生の悪魔的研究施設から移送中のゾンビーニンジャ「ジェノサイド」がスタッフを殺戮し逃走するアクシデントが発生。リー先生が捕獲に奔走するなか、さして注意も払われずにいたもう一体のゾンビーニンジャが「ウィルオーウィスプ」だ。)
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(ウィルオーウィスプはフラフラと無人の移送車両から抜け出し、夜の街へ消えていく……)
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「ネクロマンティック・フィードバック#2」 #njslyr
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「ケシコ!フユキ君!アーッ!」アンドウは絶叫し、その自分の叫び声で目を覚ました。ステンドグラスの「血の使途」がアンドウを見下ろしていた(このステンドグラスはアンドウの自作である)。「夢か……す、救いたまえ……!ナムアミダブッダ、ナムアミダブッダ……!」
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アンドウは反射的にチャントを唱え始めた。眠るたびに彼は、死んだ娘と婿の映像の夢を見るのだ。彼は必死に祈るのだった。目の前には日の消えたロウソク。破れ窓からはバイオスズメの鳴き声が聞こえてくる。廃テンプルでそのまま夜を明かしてしまったのだ。
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今日は彼にとって重要な一日である。アーマゲドンが起こる日なのだから。彼は啓示を唱え始めた。
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「イーグルとカラスが食らい合う炎の夜……血の使徒が現れ、滅びの日を告げるであろう……罪人は再生し現世を食らう……血の使徒は燃える剣を突き刺し、やがて朝は死を洗い流し、聖杯に光は満たされり……アーマゲドン!」
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ハンドルを片手で操作しながら、シンゴは無言で部下のタバタに手を差し出す。タバタはセンベイ・クランチを手渡す。「ついてねぇな、ええ?」センベイ・クランチをまずそうに噛み、シンゴは若いタバタに毒づいた。「デスネー」タバタは欠伸をこらえた声で同意する。
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「結局30分しか仮眠は取ってねぇわ、今日はうちのクソ坊主の運動会だわでよ」「デスネー」「離婚されちまうな、俺は」「デスネー」「現場は政府エージェントが横取りで、俺らにゃ手柄もねぇときた」「デスネー」
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「しかしまぁ、朝飯にステーキ食いたくなっちまう光景だったよな?何人死んだんだ、ありゃあ。派手にやりやがったもんだよな」「デスネー」「おかしなクルマだったな?……奴ら、調べるな、手を付けるなときた。俺たちゃ交通整理係じゃねえんだぞ、と」「デスネー、あ、そこ右に曲がってください」
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覆面デッカー・ビークルは混みいった路地を器用に進んで行く。「あーここだ、ここです。行きましょうシンゴ=サン」タバタは脇道の封鎖テープを指差した。「ロクに止めるとこのねぇ場所でくたばりやがってなぁ」シンゴが毒づいた。
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シンゴとタバタはここトコシマ地区のデッカーである。昨日深夜に国道沿いで起こった大量殺戮事件は普段から血なまぐさい事件がチャメシ・インシデントであるネオサイタマをして震撼せしめるほどの規模であり、彼らは夜の間ほとんどそれに関する確認作業に追われ続けていた。
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おそらくはバズソーによって、林業めいて切断された無数の死体が散乱する光景は酸鼻を極めた。しかし被害者の詳細すら、今のシンゴ達は知り得ていない。政府エージェントが現場に現れ、地域デッカーによる情報収集を禁じたからだ。
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デッカーとてサラリマンである。上からの一方的な命令にたてついていては面倒を抱え込むばかりで何の得にもならない。シンゴもタバタもそこはわきまえている。しかし仮眠の暇すらないまま新たに起こった別の殺人事件とくれば、さすがに閉口するしかない……。
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「ドーモ、保全ドーモ。トコシマ・デッカーです。どんな感じだい」シンゴは「外して保持」と書かれた黄色いテープを踏み越え、オジギした。制服マッポがオジギを返す。「ドーモ。あちらです、二人ですね。手袋をお願いします」「ハイ、ハイ……」
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ねばねばした路地裏、ゴミ捨て場のそばで動かなくなっているのは二体の黒焦げ遺体である。近くで散乱するゴミ袋も同様に焼け焦げている。「やれやれ、こりゃあ昼飯にスシ・バーベキューが食いたくなるな」「デスネー」タバタが遺体に屈みこむ。「あー、サラリマンかな。ホロ酔いで帰宅中かな、これは」
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タバタが遺体のポケットからIDカードの入った手帳を発見した。「機械で解析しないとわからないですね、焦げちまって」フン、とシンゴは鼻を鳴らす。「火炎放射器でも使ったのか?」クンクンと嗅ぎ、「油がねぇぞ油が」「デスネー」「鑑識=サンは?」「向かってます」マッポが答える。
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「もういいや、任せちまおうぜ」シンゴは欠伸をした。「デスネー」バイオカラスが遺体を狙っているのか、上空を旋回している。「気に入らねぇなぁ」「デスネー」「……気に入らねぇ」
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残念なことに、シンゴの「気に入らねぇ」出来事は、このあと立て続けに発生することになる……。
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「アイエエエ!」デリバリースシ・チェーン「ソニック・シャリ」のデリバリーバイクが横転し、ガードレールに激突したのは、道路の真ん中で棒立ちになった男を避けたためである。デリバリー桶がひっくり返り、路上にスシが散乱する。
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「い、痛え、畜生……」フルフェイスのヘルメットを被ったデリバリーガイはひび割れたフェイスガードを手で押さえ、呻いた。「大丈夫かいアンタ!」電柱で配電盤をいじっていた作業員が滑り降り、デリバリーガイへ駆け寄る。「急ぎすぎたンじゃないのかい?」「ひ、人が……」
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コメント

オスツ🍣 @alohakun 2011-02-14 23:55:29
「ネクロマンティック・フィードバック」 #1 http://togetter.com/li/98062 「ネクロマンティック・フィードバック」 #3 http://togetter.com/li/100992