E・S・ガードナーを読もう(仮)――備忘メモ(2)

なんとか状況を変えていくために「触媒」の役をやっていきますよ。備忘メモその2です。 ※7/31若干追加。 ※1/22裁判員の「加害者」発言に関連し若干追加。 ※2/4「後期クイーン的問題」絡みで若干追加。いわゆる将棋ソフト問題も追加。
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小野家由佳 @timebombbaby

散々偉そうなこと言ってる僕だが、実はまだガードナー17冊しか読めていない

2016-07-27 22:14:36
小野家由佳 @timebombbaby

現代怪談「『嘲笑うゴリラ』を配る男」

2016-07-27 22:16:24
じねん @jinensai

E・S・ガードナーについて少し進めておくかな…。『嘲笑うゴリラ』謎の拡散中だけど、やっぱり紹介頻度は重要だと思う。ガードナーにとって不幸だったのは、紹介者にとっては「空気のようなもの」で、あまりに普通で、ことさら取り上げるまでもないという認識が主流だったことだ。(続

2016-07-30 21:49:36
じねん @jinensai

承)逆説的だが紹介するまでもなく読まれていたことが、その凄さを物語っている。よほど酔狂な紹介者でなければ食指は動かなかったに違いない。一概に紹介者は責められないが、何より時代的に評価指標と概念に対する用語の不足があったことは否めない。(続

2016-07-30 21:50:04
じねん @jinensai

承)以前「ゆるキャラ」に関して、それは以前から存在していたが、それを表現する用語が無かったのだというツイートを見たことがあるが、私がハッキリ自覚したのは「ホワットダニット」という用語だ。確かサークル雑誌の交換で入手した「蒼鴉城」で読んだのが初見だったと思う。(続

2016-07-30 21:50:28
じねん @jinensai

承)クリスティーの後期作品に対しての分析だったが、この用語は腑に落ちた。「何が起きたのか?」という指標で見ないと、恐らくクリスティーの後期作品の評価はうすらぼんやりしたものにしかならないはずなのだ。(続

2016-07-30 21:50:51
じねん @jinensai

承)E・S・ガードナーは21世紀の今読むと「分かる」作家だということは以前つぶやいたが、ざっくり言うと「ホワットダニット」の現在進行形、つまり「何が現在起きつつあるのか?」という読み方。もちろんこれは他の作家にも作例はあるのだが、顕著なのはガードナーであろう。(続

2016-07-30 21:51:21
じねん @jinensai

承)1933年の『ビロードの爪』から、既にこの「リアルタイムホワット」は出来上がっていたが、当初無かった法廷シーンが後の作品から組み込まれることで、その威力は一気に加速していくこととなる。しかしその意義はガードナー自身にも認識されていなかったように思うのだ。

2016-07-30 21:52:04
じねん @jinensai

各務三郎さんは例外的にE・S・ガードナーを紹介し続けてくれた恩人であるが、概念的な用語不足が奥歯にものが挟まっているような、伝えたいのに伝え切れていない感があって、実に惜しいのであった。フランク・グルーバー(ガードナーになれなかった男)との比較は良い視点だったのだが…。

2016-07-30 21:58:16
じねん @jinensai

『夜明けの睡魔』で瀬戸川猛資さんのF・W・クロフツの『樽』の評価(15年早かったのでは?――『樽』)とか読み直してるけど、瀬戸川さんなら上手くガードナーの再評価をしてくれたのではないかと残念に思っている。

2016-07-30 22:04:07
じねん @jinensai

1987年当時(『夜明けの睡魔』)には、まだまだペリイ・メイスン・シリーズは出続けていたので、今日のような危機感は持ちようもなかったのではあるが。(例えば1986年には『恋におちた伯母』が、ハヤカワミステリ文庫から出ている。 aga-search.com/detective/perr…

2016-07-30 22:06:56
じねん @jinensai

『夏季限定トロピカルパフェ事件』(米澤穂信著、創元推理文庫)読了。うん、実に夏向き。じわじわ広がる違和感、騙し絵の如く「見え方」の変化する構図にうすら寒い涼感が漂う。「何が現在起きつつあるのか?」(リアルタイムホワット;良いネーミングが無いのでとりあえず)の好例。

2016-07-31 18:51:16
じねん @jinensai

瀬戸川さんが「15年早かったのでは?――『樽』」(『夜明けの睡魔』)で言及していたように1920~1930年代は本格物の黄金期という図式は後付けで、クロフツが図式の枠外だったという見立てならば、1933年デビューのE・S・ガードナーも黄金期から一旦離れて考える必要があるだろう。

2016-07-31 18:58:56
じねん @jinensai

「まず図式ありき」では個別の作家について考える際、縛りがキツくなり過ぎる。同時代性で捉えるなら、相互の影響から従来にはない「見え方」も再発見できるだろう。同時代人のカーの「密室講義」内で言及されていた垂直な壁を這いまわれる「人間蝿」はガードナーのPB作品のヒーローだったりもする。

2016-07-31 19:09:39
じねん @jinensai

(やっぱり早すぎた作家なんだと思うよ、E・S・ガードナー…。21世紀に読んで違和感ないものを1930年代にもう書いてたんだから、読者はともかく評論や書評が追い付いてない。)

2016-07-31 19:17:31
じねん @jinensai

裁判員(及び予備軍=一般の方々)の認識を向上させるためにも、E・S・ガードナーのペリイ・メイスン・シリーズを広めていこう。手遅れにならないうちに…。「立証責任」が起訴した検察側にあることを、とにかく耳タコになるくらい繰り返し繰り返し書いてくれているのだから。 twitter.com/tsundokulib/st…

2017-01-22 10:05:12
積読荘の住人 @tsundokulib

「被告人を加害者と言い換えれば理解しやすい」元裁判員の「提案」が突きつける裁判員裁判の課題 buzzfeed.com/kazukiwatanabe… @_gl_hfから / 高裁で「立証責任を被告に負わせている」と指摘された、ってまずいのでは。地裁で裁判官も入って判決きめてるはずでしょ?

2017-01-22 09:30:50
じねん @jinensai

Aが犯人であると起訴した以上、なぜそう考えるに至ったかの証明は当然ながら検察側が負わなければならないのは、道理以前に普通に国語の文章を読める方々なら理解可能なはずなのだ。疑いをかけられた方に立証責任を求めるのは無理筋で、検察側の立証に対する疑義を申し立てるのが弁護側の基本戦略。 twitter.com/jinensai/statu…

2017-01-22 10:23:58
じねん @jinensai

Aを加害者かどうか判断するための裁判員裁判で、のっけからAを「加害者」と呼称すること自体本末転倒で、裁判員の認識不足というか「倒錯」が心の底から恐ろしい。こりゃあ有罪率99.9%にもなるわな。(ブレイブまた再放送してくんねえかな) twitter.com/jinensai/statu…

2017-01-22 10:32:55
じねん @jinensai

一般的な探偵物は検察側寄りに設定しているんだよなあ。で「立証責任」を探偵が背負っている(←「後期クイーン的問題」への補助線)。ペリイ・メイスンの場合は疑義申し立ての一方、検察・弁護両側の証拠・証言事実に別解釈がないか再構成して「真実」を法廷ではなく「読者(層)」に耳打ちする構図。

2017-01-22 10:46:29
じねん @jinensai

Aが加害者ではないことの証明はBが加害者であることを指摘することと同義ではないんだよね。例えばA以外にも犯行が可能だったことを示したり、Aを特定するためのロジックに無視できない「穴」があることを示したり色々方法がある。法廷でメイスンが駆使する数々の手法がこれなわけだ。 twitter.com/jinensai/statu…

2017-01-22 11:09:53
じねん @jinensai

Aが救われたあとで、秘書のデラ・ストリートや業務提携している探偵ポール・ドレイクらに事件の「真相」をペリイ・メイスンが語るわけで、「読者(層)」は‘ファミリー’の一員としてその場に相伴することとなる。ミステリを成り立たせる作者と読者の「共犯関係」がそこにあるのだ。 twitter.com/jinensai/statu…

2017-01-22 11:20:15
じねん @jinensai

これも、ペリイ・メイスン・シリーズを貫くテーマの一つです。→「空気に流されず、情報の吟味の大切さを忘れない理性と、適正な手続きの必要を訴える勇気を持つのは、そうたやすいことではないのかもしれない。」 twitter.com/amneris84/stat…

2017-01-23 06:15:39
Shoko Egawa @amneris84

うpしました~ → ”魔女はいたか?”~将棋ソフト不正使用疑惑に関する報告書に見る冤罪と魔女狩りの構図(江川紹子) - Y!ニュース bylines.news.yahoo.co.jp/egawashoko/201…

2017-01-22 23:13:20
じねん @jinensai

(RT言及)「丸山棋士は客観的に三浦棋士の行動を判断し、一貫して「ソフト指しを疑わせる等不審な行為はなかった」と述べた。また、連盟から三浦棋士に代わって竜王戦七番勝負に出場するよう依頼・説得された際も、三浦棋士を出場停止処分にする際の手続きが適切でないと強く指摘したらしい。(続

2017-01-23 06:18:04
じねん @jinensai

承)この丸山棋士の証言も、第三者委員会が”無罪”の判断をする根拠の1つになった。”魔女狩り”の被害を食い止めるのは、こうした冷静さと勇気であることも、また考えさせられたことの1つである。」(略)(続

2017-01-23 06:19:06
じねん @jinensai

承)「そして、将棋連盟が第三者委員会の意向を汲んで、詳細な報告書を一般に公表したのは適切であり、組織としての健全性を印象づけたことは付記しておきたい。」←これらを作品の形で世に送り続けたことにも同シリーズの意義がある。技巧的なこと以外にこうした柱・筋が通っていることも魅力の一端。

2017-01-23 06:23:17