ひょんなことから縄文時代に来てしまったシティボーイのつぶやき「縄文なう」のまとめ

フリーペーパー縄文ZINEによるツイッター小説に見えてネタつぶやき。年末には紅白の裏で歌合戦したりジョジョ風縄文を楽しんだり。縄文ZINEは縄文時代をテーマにした雑誌です。
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縄文ZINE @jomonzine

グーフィーが100匹くらいでパレードのそりを引っ張ってて。そりの真ん中に、草間彌生柄の服着たメスのミッキーマウスがちょこんと座っていて。 #jomonnow

2016-07-23 13:08:28
縄文ZINE @jomonzine

ミッキー型土器たちを囲む焚き木に火がつけられた。何箇所から一気に火をつける。たちまち火柱が立ち上がり、上空の空気がゆがみ、渦を巻き始める。炎に包まれるミッキー型土器はシルエットになり、よりディズニー感を増す。 #jomonnow

2016-07-23 18:42:38
縄文ZINE @jomonzine

気づくとムラの全員が土器を焼く火を囲んでいる。フナコシもナガトモも、カズもヤスも、あいつもあいつも、ぼくの隣にはいつの間にかすずちゃんが座っている。揺れるオレンジの光に照らされたすずちゃんの横顔は、思わずのけぞるほどキレイで、吸い込まれるほど魅力的だった。 #jomonnow

2016-07-23 18:49:13
縄文ZINE @jomonzine

ミッキー型土器は一つもわれずに焼きあがった。ムラカミもメイサも満足そうに出来をチェックしている。 #jomonnow

2016-07-25 10:10:21
縄文ZINE @jomonzine

ムラのみんなが寝静まる頃、ボクはすずちゃんとふたりっきりでムラを見下ろす高台にいた。 すずちゃんはさっきからなにも話さない。 夜風が短く切った前髪を撫でる。 #jomonnow

2016-07-25 10:14:58
縄文ZINE @jomonzine

風の音、木の音、虫の音、遠くで吠えている動物の音、この時代の夜は静かに騒がしい。 #jomonnow

2016-07-25 10:26:21
縄文ZINE @jomonzine

「わたしはずっとここではないどこか別の場所に行きたいって思っていたんです。ここはわたしのいる場所じゃないって」 急にすずちゃんがしゃべりだした。ボクではなくムラの方を見ながら。 #jomonnow

2016-07-25 19:09:00
縄文ZINE @jomonzine

「わたし、ドングリひろうの好きじゃないし、土器作りだって上手じゃない。きみえさんみたいに気が利かないし。このムラにいてもみんなのためにもならないんじゃないかって」急にこの娘どうしたんだろう。 #jomonnow

2016-07-25 19:13:10
縄文ZINE @jomonzine

「でも、急にデモがムラにやってきて、なんかバカらしくなっちゃったっていうか、なんていうかすごい違和感のある人が来たなぁって思って」 たしかに… #jomonnow

2016-07-25 19:17:43
縄文ZINE @jomonzine

「デモはいい大人なのに狩りも下手だしムラの事も何にもできないし、それでも下手なりになんとかやってる。で、なんとなく興味がわいて、デモのこと知りたくなったんです」 何にもできないってそりゃそうだよ。ボクは本当は都会暮らしのしがないただのSEだよ。 #jomonnow

2016-07-25 19:26:07
縄文ZINE @jomonzine

「それで、デモにいろんな変な歌を教えてもらって、わたしびっくりしたんです。歌が変とかそういうびっくりじゃなくて、わたしは歌が歌えるって気づいたんです」 #jomonnow

2016-07-25 19:29:57
縄文ZINE @jomonzine

「しいなりんごとか、やまぐちももえとか、はじめて聞くのになにか懐かしくて…歌ってこんな楽しいんだって、はじめて思えたんだ。」 #jomonnow

2016-07-26 13:18:42
縄文ZINE @jomonzine

「そのうちフナコシもやきみえさんが、ムラの歌も歌ってほしいって言い出して、わたし、はじめてこのムラにいれるって思えたんだ」 すずちゃん、けっこう悩んでたんだ。それに比べてボクなんて、こんなありえない事態をたいして悩みもせず受け入れて… #jomonnow

2016-07-26 13:25:34
縄文ZINE @jomonzine

「デモはどうするつもり? ムラに残るのかそれとも…」 すずちゃんが言い淀んだ。 ボク「えっと…残るも残らないも…どうなっているのか…」 #jomonnow

2016-07-26 13:43:11
縄文ZINE @jomonzine

すずちゃん「デモのために歌を歌うから、目をつぶってくれる?歌が終わるまでは絶対に目を開けないで」 ボクはすずちゃんを見てうなずいて、目を閉じた。 #jomonnow

2016-07-27 13:21:55
縄文ZINE @jomonzine

それは、歌というより物語だった。 主人公の少年が親の仇を討つために大きな川の向こうに向かう話だ。途中動物たちが仲間になっていくところは、桃太郎に似てなくもない。 #jomonnow

2016-07-27 13:24:37
縄文ZINE @jomonzine

舟をこぐときにドンブラコドンブラコと言ったのも、桃太郎的だった。 #jomonnow

2016-07-27 13:38:13
縄文ZINE @jomonzine

前にも感じたけど、すずちゃんの声は耳というよりは身体全体にしみていくような声だ。ポカリスウェットのように声と言ったらいいだろうか? 耳元で聞こえる声はとうにボクの身体を飽和して今は声の中にボク自身、溶け込んでいるように感じる。 #jomonnow

2016-07-27 13:43:19
縄文ZINE @jomonzine

物語は次第に佳境に向かっている。 親のカタキである悪い神様の島に上陸した主人公たち、おとものイノシシと鹿は、上陸した勢いそのままに悪い神様の屋敷に攻めるべきだといい鼻息が荒い、 #jomonnow

2016-07-27 13:50:11
縄文ZINE @jomonzine

もう一匹のおとものうさぎだけが小さな声で夜まで待ちましょう。夜になって酒を飲んで寝ているところを襲うのです。と言うけど、声が小さくて主人公には聞こえない。 #jomonnow

2016-07-27 13:51:25
縄文ZINE @jomonzine

かくして一足先に攻め入ったイノシシと鹿はあっという間に悪い神様に捕まってしまう。残ったおともはうさぎだけ、主人公は絶望的な気分になってうさぎにこう言う。「うさぎよ、ここまでおともしてくれてありがとう。でもこれまでだ。かくなる上は刺し違える運命だと」 #jomonnow

2016-07-27 13:57:33
縄文ZINE @jomonzine

うさぎは主人公を遮ってこう言った「諦めてはいけません。わたしに一晩だけ時間をください。そうしたら必ずあの悪い神様を倒してみせます」 うさぎは悪い神様の屋敷とは別の方に駆け出し木の上に休んでいたカラスの背中に飛び乗った。 #jomonnow

2016-07-27 14:00:55
縄文ZINE @jomonzine

カラスはうさぎをのせたまま飛び立ちあっという間に山の方に消えていった。 主人公はがっくりとうつむいたままだったけど、どうせダメでも一晩だけ待つことにした。 #jomonnow

2016-07-27 14:03:18
縄文ZINE @jomonzine

うさぎをのせたカラスは、大きな洞窟の前まで飛んでうさぎをおろし、「カア」と短く鳴きまた空へ飛び立つ。 うさぎは洞窟の前で震えている。 しばらくすると空気が震え、洞窟の奥から大きな足音が聞こえてくる。 「誰だ」 #jomonnow

2016-07-27 14:07:44
縄文ZINE @jomonzine

声の主は巨大な真っ黒なクマだ。ノドの少し下の方に傷がありそこだけ毛皮がはげている。 うさぎは声を震わしながら、主人公の仇討ちの話をする。 しかし… #jomonnow

2016-07-27 14:11:08
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