- hatikaduki
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3部読んでてレミゼっぽさがあると思ってたのと、あと4部がポスカリプスかもって予想があったので、ネヴァーダイズに対して3つ予断があったんですよワタクシ。1フジキド死ぬかも 2革命の話になるかも 3カタストロフで終わるかも っていう。
2016-08-12 23:30:54でも今になって考えると、フジキドを死なせない事が3部を執筆するにあたってのテーマだったのかも知らんなくらいに思います。主人公ってほっとくと死ぬか、高次元の存在になって消えるかしちゃうんですよね。自分の物語を消化して、他人の願いの器になってしまえばもう消えるしかない。まどマギ的な。
2016-08-12 23:34:29ほっとくとフジキドは死んじゃうのでエリちゃんはすごい心配ってのはファストアズに顕著ですよね。あのエピはフジキドとネオサイタマ社会とが描かれる話で、フーキルドやサツバツナイトと並んで第3部の縮図的なエピのひとつであります。
2016-08-12 23:38:49さてまた一方で、革命についてすけど、都市を舞台にした群像劇でラストが革命やそれに類する物になるってのは王道と言ってもいいくらいだと思いますが、ただ今時分に社会運動を屈託なく描けるかというとまあむつかしいわけです。その辺、ローニンリーグとテツオの関係は良い意味で屈託がありましたね。
2016-08-12 23:46:06暴力革命が成ってやったーてわけにもいきませんし、レミゼなんかは革命は失敗しますけど戦って、生きて、そして死んでいったものたちを祝福する終わりなわけですが、それだって原理主義テロリストの事とか考えちゃうとなかなかやりづらい。戦って死ぬことを賛美したり、人の死を力にしたりはできない。
2016-08-12 23:51:37時分も最初フジキドとFKDがなんのために戦ってるのかわからんかったです。スカラムーシュが「ここがイクサの分水嶺」って言ってたけどいっこうに民衆の蜂起が大局に影響しねえなァなんでやろと思ってました。なんかこうサマーウォーズ的にみんなのパワでアルゴスを倒すのかな?とか思ってたんすよ。
2016-08-12 23:56:51ですけど墜落するフジキドとナラクが丸の内の追悼の灯を目にした時、ヤモトやムーシュがマルノウチを守ってたのは手段じゃなくて目的だったんだって事にようやく思い至りました。
2016-08-13 00:01:13凍れるネオサイタマに灯をともすこと、最近のネオサイタマがほんとは嫌いだったけど俺の口だすことじゃねーしってずっと我慢してたフジキドが意を決してマルノウチに慰霊碑を突き立てて、んで月まで行ってメムノンぶっ殺して帰ってきた時に、フジキドにあの光景を見せてやることが物語の目的だったと。
2016-08-13 00:06:45革命のイメージがないわけではないんですけど、でもネヴァーダイズで描かれたのは圧政には反抗するけれどもただちに社会改革に結びつくわけではない野放図なパワーと、死を賛美することなくただ悼む祈りの灯であったと思います。
2016-08-13 00:13:57革命じゃないよって話だとヴァニティが生き延びた点。社会と一体化した悪としてのアマクダリは滅びなかったんすよね。超常の邪悪は打倒され、人々は圧政に反抗する気概と死者を悼む心を取り戻したけど、それはそれと暗黒管理社会の残した治安システムは普通に有益だったという玉虫色の決着も良いです。
2016-08-13 00:18:16HOEでは都市の悪の精粋デスドレインと導きの灯であるガンドーのふたりひと組でキョートという都市の生命力を体現し、それをさらにフジキドが背負って僭主ロード・オブ・ザイバツをぶっ殺したわけですけど、この都市の生命の2側面のイメージはネヴァーダイズにも継承されてました。
2016-08-13 00:25:04圧政に反発して起きた暴動とマルノウチの死者を悼む灯もそうですし、またアガメムノンとの戦いでフジキドが、カタオキの力を借りてセンジンの死の沼からデスドとガンドーの力を引き出し、これでアガメムノンに対抗したこともそうです。
2016-08-13 00:30:03なにより、どうもアンコクトンと同質のものを燃やして起こしているらしい不浄の炎こそが、都市の混沌+祈りの灯の合わさった姿であり、ナラクとギンカクテンプルこそ忍殺における都市の生命力の象徴的存在だったんすよね。
2016-08-13 00:33:12フジキドはほっとくと死んでしまうので、ゼアイズ/リヴィングウェルで不特定多数のだれかのために戦うのをやめさせて己のエゴに基づいて生きるようにさせたんですけど、でもナラクがいる限り願いの器であることからは逃れられない。だからフジオに殺されるのは順当にインガオホーなんですけど、
2016-08-13 00:42:54逆に言えばナラクを失って初めてフジキドは願いの器であることから開放されるとも言えるわけです。んで、解放されて死んでおしまいでもそれはそれで綺麗なんですけど、ボンモーもフジキドもカタオキもユカノもあと僕も、フジキドが死ぬ話として3部が終わって欲しくなかった。そこでサツバツナイトと。
2016-08-13 00:46:50ちゅうわけでキドがリアルニンジャ化したのはとにかくどうにかしてフジキドが死なないで欲しいという願いと試行錯誤の果ての何かだと思います。そしてまた、サツバツナイトは願いの器から解き放たれたフジキド個人の姿で、まあ色が変わっただけであんま変わらんよなってとこも含めてあいつらしいです。
2016-08-13 00:56:163部終盤でエゴだエゴだって怖い顔でツッパってたフジキドの、ナラクを失ったあとのフジキド自身のエゴの形、エゴの名前が、考えすぎた結果ちょっと面白いことになってるクソお人好しなカラテ戦士サツバツナイトだったの、わずかなズッコケ感も含めて尊みがある。
2016-09-19 00:14:23アガメムノン戦後半のニンジャスレイヤーは不特定多数の意志の容れ物としての姿が極まってるので、ああなってしまったからには、その直後によりによってフジキド本人の仇であったはずのフジオに討たれてしまうのもインガオホーが綺麗に成立してるかなと思います。
2016-09-26 19:18:30でも同時に、ベッピンによってナラクを奪い去られたことでフジキドは他者の願いのうつわであることから解放されるわけで、またそれをきっかけにフジキドがフジキド個人として再度復活したって不思議に思わないくらいには、フジキドが心と体、エゴとカラテを鍛えてきた様子は描かれてきましたよね。
2016-09-26 19:25:34で、結局のところフジキドがどんな奴なのかってのがこの時ついに明らかになるわけですけど、あいつやっぱりブレブレだったんだと思います。何度だって同じ失敗をする奴なんじゃ。魂の色がサツバツナイトの奴が誰かの為に戦ってないわけがないんすよ。ただ、その全部が自分自身の意志だと認めただけで。
2016-09-26 19:36:04また、フジキドが至ったのはかつてトチノキに説明しようとして果たせなかったもの、ゲンドーソーの導きの果てにあるもの、全アメリカ人の憧れ、いかなる血統も資格も前提も必要とせずただ精神と肉体の修行のみによって至ることのできる、すなわちリアルニンジャの境地であるわけでこれはユカノも祝ぐ。
2016-08-13 01:00:00