君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

あみ @ami_qitt25

76 「あ、あたし...」 何も答えないまま咄嗟に駆け出してしまった、、 体育館の入り口で村子と安田君とすれ違った気がしたけど... 見る余裕なんかなくて そのまま寄宿舎に駆け込んだ... 〈あら？横子どうしたの？〉 #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

きき @Kikisubasan

77 「安子…」 思わず口元を抑え 顔を逸らした 〔…横子？〕 「なによ…、」 〔ふふ…そう、そうなのね〕 そう言いながら近づき クスッ…、、笑った安子 …気づかれた #君に出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

りいろ @EIGHT_SS_RIRO

78 〔信一君カッコいいものね〕 一言一言、私の顔を窺いながら話す 〔恋しちゃったんだ〕 〔横子が本気なら私応援するわよ〕 〔だって友達でしょ？〕 安子の言葉が、さらに気持ちを荒だてる 「構わないで」 部屋に駆け込んだ #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

あみ @ami_qitt25

79 ベッドに倒れ込んで...そっと、唇に さっき迄...信一君の唇が触れて居た、、 指先でなぞって見る 急に心臓がドキドキして来て 息が苦しくなる...彼の事を考えるだけで あたし、彼が好き... 胸が苦しくなるぐらい... #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

きき @Kikisubasan

80 その夜は眠たのか…起きてたのか良く分からなかった 明日、どんな顔をして会おう 「あーっ！もう！」 頭までお布団を被って いつの間にか、外は明るくなっていた、、どうしよう、良く考えたら今日は… 「本番じゃない、、」 #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

りいろ @EIGHT_SS_RIRO

81 体を起こして ベッドサイドの鏡を覗き込む …コンディションは最悪 頭を軽く振って、気持ちを切り替える 私がしっかりしなくてどうするの 準備を整えて 寄宿舎のみんなの視線を感じながら学校へ やることはいっぱいある #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

あみ @ami_qitt25

82 その日は全く上手く行かなくて... 確かに皆から見たら学校祭も舞台も ちゃんと成功した様に見えただろう でも... あたしは何時だって彼の姿を探してて こんな気持ちのまま 夏休みを迎えるなんて... #君と出会ったのは偶然なんかじゃ無くて運命なんだよ

きき @Kikisubasan

83 高校に入ってからの夏休み 毎年あたしは父の家で過ごす 忙しい人だし 本当はここに居たくない でも、村子と学校以外で遊べることが新鮮で楽しかったから… それが、、今年は少し違った #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

りいろ @EIGHT_SS_RIRO

84 「村子、明日遊びましょう」 電話で誘うけど… 〈ごめんね、明日予定入ってて…〉 いつもではないけど、今年は断られる事が多い 「安田くんと良い感じ？」 って聞けば、 〈もう横子！〉 きっと電話の向こうで顔を赤くしてる #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

あみ @ami_qitt25

85 遊ぶ相手もやる事も無く なんとなく書庫に入った...父や祖父が集めたと言う医学書や専門に混じって... 文学や哲学書が無数に保管されてる 母や...病気になってしまった 姉が読んで居たんだろう 背表紙を眺めながら... #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

きき @Kikisubasan

86 何か…凄く惹かれる物があった チューリップ畑の背表紙 「…綺麗、、」 あれ、…これ、、本じゃない 明らかに他とは違う 怖い様な…懐かしい様な この気持ちは何？ 鼓動を抑え それを開いてみた #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

りいろ @EIGHT_SS_RIRO

87 几帳面さが垣間見える 綺麗に並んだ文字 …直感的に、それが母親がものだとった 盗み見なんてしちゃダメ… でも、、自制心を好奇心が越えていく そこに書いてあったのは、、 これは、現実なの…？ #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

きき @Kikisubasan

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あみ @ami_qitt25

88 読み終えた時に...言葉が出てこなかった あたしは大倉の父の子では無かった もしかしたらとは思っていた でも、、此処に書かれて居るこの男性 錦戸すばる...あたしと兄の父、、 この人は... まさか、、きっと偶然、、 #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

きき @Kikisubasan

89 点としてあたしの前に現れたものが…線になって繋がった 難しい数式を解いていけば 「…うそ、、」 愕然とするなんて言葉を 日頃の生活で使う日が来るなんて… あたし達、 恋してはいけない 「いや…、、信一く…ん、」 #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

りいろ @EIGHT_SS_RIRO

90 ダメだと思えば思うほど 信一君への想いが溢れて… この想いをどこへぶつければいいのか 震える体を日記と共に抱き締めて 信一君への気持ちは何でもなかったのよ 突然の告白にビックリしただけ、、 …そう何度も言い聞かせた #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

あみ @ami_qitt25

91 夏休みなんて、あっという間に終わり 日常が戻る 学校に戻り、、 １日の授業が終わると生徒会室の前で 安子に呼び止められた 〔横子？夏休みはどうだったの？ 何か楽しい事はあった？〕 #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

きき @Kikisubasan

92 「あなたには関係ないでしょ？安子…」 払い除けて 部屋のドアを開けようとすると、 ダンッ ドアをたたいて制止 〔待ちなさいよ 楽しかったか、って聞いてるの〕 ずいぶんな態度…なんなの？ #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

りいろ @EIGHT_SS_RIRO

93 「それなりに楽しかったわ」 はい、これでいいでしょ？ でも、安子はやめない 〔夏休み前、信一君といい雰囲気だったじゃない？ あれから、進展あった？〕 ぐいぐい傷口を抉ってくる #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

あみ @ami_qitt25

94 「もぅ、、いい加減にして！！」 少し声を荒らげて言ってしまって はっとしてしまう... 安子を見ると、 一瞬びっくりした顔をして その後、、ニャっと笑った あたしを挑発するつもりだったんだ... #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

きき @Kikisubasan

95 〔…横子、随分苛立ってるじゃない、あったんでしょ？ …大変な事が、、〕 「安子、あなた…何を知ってるの？」 明らかに知っている口調 何故…？ 口元を触り不敵な笑みを浮かべ、あたしの周りをなぞるように歩いた… #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

りいろ @EIGHT_SS_RIRO

96 心臓がバクバクしてきて 何も考えられなくなってくる 〈2人ともどうして部屋に入らないの？〉 声をかけてきたのは村子 〔横子と夏休みの話をしてたのよ〕 サラっと答える安子 〈じゃあ、部屋でみんなで話せばいいじゃない〉 #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

あみ @ami_qitt25

97 村子の手には少し大きめの封筒 それも少し古い... 「そうね、、こんな所ではなんだから...中に入って、、」 ドアを開けて2人を中に招いてから あたしも入る ドアを締めながら...これから始まる 事を向けて深く息を吸う #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

きき @Kikisubasan

98 〔丁度いいわ みんなにも聞いて貰いましょ〕 「ちょっと、安子 みんなには関係ないでしょ」 みんなが注目する中 村子が不安そうにこちらを見る 〈何の事？安子…〉 まだ、安子は得意気だ この娘は何を握っているの？ #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

りいろ @EIGHT_SS_RIRO

99 〔横子、あなた信一君の事が好きでしょ？〕 安子は多分真実を掴んでる 改めて突きつけられる恐怖から、何も答えられない 〔でも、その様子だと、もう分かってるみたいね〕 〈横子…？〉 村子が震える私を支えてくれる #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ