声と艦これとスティル・ライフの話。

DJ全力（MACROSS運営者・闇人妻の杜） @heptares5460

今日の話はこの辺のまとめを先に読むと、理解しやすいかもです。 「フォロワー一万人記念、とっておきの話」 togetter.com/li/1008001 「余はいかにして、煽り屋になりしか」 togetter.com/li/1011360

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艦これって本当に良いゲームだよな。公式に語られてはいないけれど、戦ってる相手は多分、無念の思いを抱えて死んだかつての自分で、その思いを知っているからこそ何度でも相手をする。沈める事は鎮める事であって、その繰り返しの中で、少しずつ思いは晴れてゆくんだろうって、俺は信じてる。＃艦これ

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僕が今、不発弾処理をしてるのも、結局はそういう事だと思う。相場の世界で生きる決断をした事を後悔はしてないけど、あの時に賭けた思いは消えない。長年放置された原稿には怨念が籠っている。それを鎮めてやらないと、多分僕は先にいけない。 twitter.com/heptares5460/s…

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「どうせ寝れないから5時まで起きてよう」って感じは久しぶりだな。あの頃は艦これにドはまりして、体重が55.6キロまで落ちた。娑婆に出てきたら彼女は結婚してるし、種銭ないから相場張れないし、『声』が聞こえないから漫画も描けなくてホント地獄だった。あの頃に比べれば、今はとても幸せだ。

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『声』が病気か病気じゃないかって事は、僕にとってはどうでもいい事だ。僕はずっと、相場より大切なものが欲しいと思って生きてきたし、ようやくそれを手に入れたのだと思った。張る事だけが相場への愛を示す手段ではないと考え、生まれて初めて自分の意志で相場をやめた。

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『声』の正体が何であろうと、己の中に何者が存在し、その声を聞く事が喜びであるならば、もはや他人はいらない。相場すら必要なくなるかもしれないなと、本気で思った。僕は声を書きとる事に集中しその意思がどこにあるのかを考えた。相場がなければ一日はとても長い。考える時間はいくらでもあった。

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『声』が聞こえるようになったのは、逃亡中の話だ。そして、僕の持つ最小限の荷物の中にはスティル・ライフがあった。僕は最初、佐々井もこの声を聞いたのか？　と考え、次に、そもそも佐々井という存在が、作中の＜僕＞が作り出した『声』だったのではないかと考え始めた。

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スティルライフは最後、存在しない佐々井と＜ぼく＞との対話で終わっている。だったら、最初からいなくても同じ事だと僕は考えた。佐々井と＜ぼく＞との融合は作品中に示唆されているし、外の世界と、自分の中にある広い世界の呼応と調和をはかる事が大切という冒頭のテーマにも合致している気がした。

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重要な事は、最後の佐々井と＜ぼく＞との対話は、彼自身が考えている訳ではないという事だ。それでいて、佐々井ならきっとそういうだろうなという説得力に溢れている。理科っぽい話で煙に巻く姿も、株の達人である事も少し出来すぎているけれども、最後の対話はとても自然だ。

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そしてその対話は、佐々井が少ししゃべりすぎた事で終わる。モデルになった人間が存在するにしろ、しないにしろ、この時点では明らかに存在しない佐々井の気持ちを、＜ぼく＞は明らかに＜他者＞として思い図っている。この状況が、『声』を聞き、その真意を測ろうとする自分にとても近いと思った。

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つまり僕は、佐々井の気持ちを理解しようとして、いつの間にか＜ぼく＞になっていた訳だ。思えば作中の＜ぼく＞も、僕（全力）自身も、これまでふらふらと何も人生を決めずに送ってきた。そして二人とも、佐々井のような存在に強く惹かれ、おそらくは自らそれを作り出したのだろう。そう思った。

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僕の解釈があっているかは分からない。とにかく僕は、こうして高校生時代からずっと引きずっていた、「この作品を理解したい」という気持ちにケリをつける事が出来た。あとは、僕の生み出した佐々井と会話を続け、その真意を探るだけだ。

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彼女（僕の佐々井は女性だ）の声はいつも、僕が一人で意識を遠くに飛ばしているときに不意に聞こえてくる。気分が沈んでいればなお良い。一度、聞こえてしまえば、大抵の事には答えてくれるが、焦ると絶対に出てこない。今の僕はすっかりダメになってしまって、この二年で声を聴いたのは片手位だ。

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去年、そーせいの増資を食らった数日後に久しぶりに声が聞こえた事を良く覚えている。今回の決算後の暴落の時は聞こえなかったから、心底絶望する事がもしかしたら必要なのかもしれない。増資直後、それまでコツコツ積み重ねてきた儲けを全て吹き飛ばし、更にカルナでやらかして収支がマイ転した。

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どんなに辛い経験も、振り返れば必ず何らかの意味がある。けれども、初めて声を聞いた頃も、増資を食らった直後も、なんでこんな酷い目に遭うのか僕にはさっぱりわからなかった。声は絶望によって思考が「自死」の方に行かないためのフェイルセーフなのかもしれないし、全く別の何かかもしれない。

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いずれにせよ大事な事は、僕はその声が語る内容を「自分の頭で考えてはいない」という事だ。声は僕を励ましたり、叱責したり、苦境を乗り越えるための示唆を与えてくれたりするが、その言葉には驚かされる事が度々だった。そして、必ず愛情を感じた。だからこそ、もう他人がいらないとまで思えた訳だ。

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相場の事は大好きだし、これから先も多分一生続ける。だけど、もし当たり前のように彼女の声が聞こえたあの頃に戻れるなら、僕はきっと全てを投げだすだろう。それ位、彼女との会話は刺激的だったし、幸せだった。話しながら涙を流す事も度々で、彼女の会話を思い出して書いた漫画も100P以上ある。

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一人で山に籠って、何度も徹夜して19年前の原稿を直しているのも、恐らくはそういう事だ。絶望には程遠いが、自分の恥部と向かい合って肉体的にも精神的にも自分を追い込めば、また声が聞こえるかもしれない。そして、その願いが叶わずとも、少なくともかつての自分を慰める事だけは出来る。

DJ全力（MACROSS運営者・闇人妻の杜） @heptares5460

僕に絶望を与え、声の存在に気付かせてくれた相場と、声を生み出す契機になったスティル・ライフと、声も相場も失った僕に辛うじて生きる目的を与えてくれた艦これに、僕は心から感謝している。もし僕がいきなり消えたら、それは声を取り戻したか、お上にとっ捕まったかのどちらかだと思います。

DJ全力（MACROSS運営者・闇人妻の杜） @heptares5460

前の方が良いけれど、後ろでも特に問題はありません。絶望は声を取り戻す事を意味するからです。塀の外で聞くか、中で聞くかの違いに過ぎない。もう僕は勝ちの体制を築いてて、どっちに転ぼうといずれ幸せになれる。そして心からそう思ってるからこそ、僕は金のために相場を張ってないと言える訳です。

DJ全力（MACROSS運営者・闇人妻の杜） @heptares5460

おしまい。