燭台切光忠氏による『拷問と科学』に関する講義

ファラリスの雄牛やウィッカーマンなどの拷問処刑器具と現代科学との結びつきについて語ったものです。
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まるで博物館を案内するような調子で若干血生臭い講座が始まった

燭台切光忠 @3Lejon3

まずこれは僕の持論だけれど、錬金術、戦争、拷問処刑のどれかひとつでもかけていたら、今の科学はないと思う。そのなかでも、古代の拷問、処刑道具から現代科学に使われている技術を見ていこう。 #ミリタリーおじさんが教える拷問と科学

2016-08-25 22:11:38

1限目:ファラリスの雄牛

燭台切光忠 @3Lejon3

まず紀元前570年。シチリアで生まれた最古の処刑装置「ファラリスの雄牛」。 #ミリタリーおじさんが教える拷問と科学

2016-08-25 22:14:35
燭台切光忠 @3Lejon3

聞いたことある人もいると思うけど、簡単に説明すると、青銅でできた雄牛の形をした装置で、中には真鍮の管がある。犠牲者は中に閉じ込められて雄牛の腹の下から火で炙られるものだよ。 #ミリタリーおじさんが教える拷問と科学

2016-08-25 22:16:54
ファラリスの雄牛

こんな感じの処刑装置だったらしいですよ

燭台切光忠 @3Lejon3

この処刑の何が苦痛かって、青銅に熱がじわじわと通っていって中がオーブン状態になること、そして酸素が足りなくなることだ。酸素が足りなくなったら犠牲者は真鍮の管から外の空気を欲する。呼吸をするたびに雄牛の鳴き声がでるという作りだ。 #ミリタリーおじさんが教える拷問と科学

2016-08-25 22:18:55
燭台切光忠 @3Lejon3

さて、これが現代でどういったところに役立っているか。確かに機能としてはオーブンと同じだけれど、もっと皆にわかりやすいものがある。 #ミリタリーおじさんが教える拷問と科学

2016-08-25 22:19:56
燭台切光忠 @3Lejon3

それは楽器のトロンボーン。この雄牛にある真鍮の管の仕組みについて詳しいことはまだわかっていないけれど、仕組みとして一番近いのはトロンボーンなんだ。実際に、トロンボーンを持ってる人は呼吸が苦しいときの吸いながらはくとそれっぽい音がでるよ #ミリタリーおじさんが教える拷問と科学

2016-08-25 22:22:19
燭台切光忠 @3Lejon3

トロンボーンの前身となったファラリスの雄牛だけど、実際に使われたのは宴の時で、犠牲者とハーブを一緒に入れて雄牛の鳴き声を楽しんだそうだよ。 #ミリタリーおじさんが教える拷問と科学

2016-08-25 22:24:27
燭台切光忠 @3Lejon3

それからこれまた余談だけど、ファラリスの雄牛の一番最初の犠牲者はファラリスの雄牛の設計者だよ。鳴き声を確かめたいから吹いてくれ、と頼まれた設計者が入った途端閉じ込められて炙られたのが最初の犠牲らしい。 #ミリタリーおじさんが教える拷問と科学

2016-08-25 22:25:43

トロンボーン奏者を見ても処刑されているとは思わないように

2限目:ウィッカーマン

燭台切光忠 @3Lejon3

さて、次はウィッカーマン。これも有名だね。今でもケルトの人々は春の訪れを祝うのにウィッカーマンを焼いてるけど、これは元々人身供犠の道具だったんだ。 #ミリタリーおじさんが教える拷問と科学

2016-08-25 22:27:04
燭台切光忠 @3Lejon3

ウィッカーマンも聞いたことある人はいると思うけど、簡単に説明するよ。ウィッカーマンは人の形をした檻に牛や戦争の捕虜などの神様へ捧げる犠牲者を閉じ込めて焼くものだよ。 #ミリタリーおじさんが教える拷問と科学

2016-08-25 22:29:12
ウィッカーマン

よく見ると確かに中に人が詰め込まれているのが分かりますね

燭台切光忠 @3Lejon3

さて、このウィッカーマン。木と藁と枝でできているけれど、数多くの人々や家畜を支えるには、また、ショーに使われていたこの巨人像をなるべく長く燃やすにはどうしたらいいと思う? #ミリタリーおじさんが教える拷問と科学

2016-08-25 22:34:23
燭台切光忠 @3Lejon3

長く燃やすのに燃料を追加したら巨人像が燃える時間は短くなってしまうね。答えは木の支柱にあるよ。さぁ、ここからは物理の世界だ。 #ミリタリーおじさんが教える拷問と科学

2016-08-25 22:36:37
燭台切光忠 @3Lejon3

要するに、ウィッカーマン像の足を太くすればそれだけ長い間ウィッカーマンは立っていられるんだ。さらに高い建築、重いものを支える技術もこのウィッカーマンから始まったといっても過言ではない。 #ミリタリーおじさんが教える拷問と科学

2016-08-25 22:41:00
燭台切光忠 @3Lejon3

まず、柱となる木に上からの圧力がかかった場合、抗力として下からも力がかかる。藁や枝など燃えやすい素材が多いなか、より長く燃やし続けるにはこの柱が大きなポイントになる。ウィッカーマンは人の形をしているから人体で言う足に相当するかな。 #ミリタリーおじさんが教える拷問と科学

2016-08-25 22:38:33
燭台切光忠 @3Lejon3

で、このウィッカーマンの建築技術。現代だとどこに使われていると思う?みんなも絶対に見たことがあるものだよ。 #ミリタリーおじさんが教える拷問と科学

2016-08-25 22:41:47
燭台切光忠 @3Lejon3

柱の強度は外側にあって内側はそこまで重要じゃない。炎も外側から内側に回り込む。柱の内部が空洞だとしても、ある場合と強度的には変わらない。ウィッカーマンは頑丈で多くの人、動物を支えられるけど、柱の密度が高い訳じゃないんだ。 #ミリタリーおじさんが教える拷問と科学

2016-08-25 22:47:52
燭台切光忠 @3Lejon3

こうしたケルトの人々が編み出した建築の技術、知識は大きな橋を支える柱によく使われている。なんと使ってるものは違えど、構造的にはウィッカーマンの足と大差がないんだよ。 #ミリタリーおじさんが教える拷問と科学

2016-08-25 22:49:02

多くの犠牲によって橋は支えられているんですね……。

燭台切光忠 @3Lejon3

さぁ、これでトロンボーンと橋を見るたびに拷問、処刑が思い出されるようになったね。それじゃあ次に紹介するものは少し神話的な拷問道具。 #ミリタリーおじさんが教える拷問と科学

2016-08-25 22:51:59