ハンナ・アーレント 矢野久美子

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GMBO2008 @GMBO2008

東シナ海上空36000ft、メンデルスゾーンを聴き、沈みゆく夕陽を眺めやりながら「ハンナ・アーレント」を読む pic.twitter.com/M6tU7dveaJ

2016-04-29 23:03:01
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アーレントはこれにたいして、「ひとたびすべてが、≪政治化≫されてしまうと.もはやだれ一人として政治に関心をもたなくなる。」とのべている。すべての人びとが全体的支配に巻き込まれ、総力戦を戦うとき、選択や決断や責任に対する自覚が失われる。 「ハンナ・アーレント」矢野久美子

2016-04-29 23:04:25
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アーレントの叙述を注意深く読むと、そこには行為者かつ受苦者としての人間の選択のあり方、動き方が描かれている。別の可能性もありえた、それなのにどうしてこのような事態にいたってしまったのか、ということを考えさせる物語なのである。 「ハンナ・アーレント」矢野久美子

2016-08-26 09:05:52
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それは、要素を明らかにすることによって、それらの要素が再びなんらかの形で全体主義へと結晶しようとする時点で、人びとに思考と抵抗を促すような、理解の試みでもあった。 「ハンナ・アーレント」矢野久美子

2016-08-26 09:09:30
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アーレントは「新しい支配形式」である全体主義の本質を、「イデオロギー」と「テロル」に見いだした。イデオロギー的思考は、過去・現在・未来について全体的に世界を説明することを約束する。 「ハンナ・アーレント」矢野久美子

2016-08-27 23:29:45
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そして、いっさいの経験を無視して、予測不可能で偶然性に満ちている人びと行為の特質と無関係な説明体系をつくりだす。確実なものとして見なされる前提から出発し、完全な論理的一貫性に即して、事実を処理するのである。 「ハンナ・アーレント」矢野久美子

2016-08-27 23:34:18
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全体主義的な威嚇の手段であるテロルは、複数の人間たちがつむぎだす一切の人間関係を破壊し、人びとの自発的な行為を不可能にして人びとのあいだにある世界を消滅させる。そうしたなかで、自由な行為の空間を喪失した人間たちは孤立化し原子化する。 「ハンナ・アーレント」矢野久美子

2016-08-27 23:39:22
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そして、イデオロギーが、そのような孤立した人間を必然的な論理体系のなかに組み込む。孤立した寄る辺のない人間にとって、すべてをその論理のなかで説明するイデオロギーが魅力を発するのである。 「ハンナ・アーレント」矢野久美子

2016-08-27 23:43:13
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ヴィタ・アクティーバについて、 この本の献辞は空白のまま。 どうしてあなたに捧げることができましょう。 信頼するあなたに、 私は忠実であるとともに 不実でもあったのです、 どちらも愛のゆえに。 「アーレント=ハイデガー往復書簡」

2016-08-27 23:49:41
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昔の友人に再会する不安は、わたしにはよく分かる。わたしのようなボヘミアンの場合、つまりどこにも根をもたなくて、だから自分の環境世界を持ち歩いてあるような、もっと正確にいえばそれをいつも新たに作り出すことを必要とせざるをえないような、そうした人たちの場合、 (続く

2016-08-28 11:38:26
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この普通の人間的で自然な不安から簡単にパニックが生じてしまう。自分たちの感受性が(比喩的にいえば)蔵書にも家具にも守られていないということが分かっているから。(ブルーメンフェルト宛書簡、八月二日) 「ハンナ・アーレント」矢野久美子

2016-08-28 11:45:17
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そのようにしてアーレントが正直に感情を表せた父のような存在との、苦い最後であった。 「ハンナ・アーレント」矢野久美子

2016-08-28 11:46:20
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ヤング=ブルーエルによる優れた評伝『ハンナ・アーレント伝』によれば、アーレントは「歴史の概念について」の筆者稿のひとつを生前のベンヤミンから託されていて、 「フランクフルト学派」 細見和之

2017-12-17 23:36:42
GMBO2008 @GMBO2008

ベンヤミンの死ののちに、ニューヨークへ向かう船の出港を待つあいだ、リスボンの港でまわりの難民たちにそれを読み聞かせていたといいます。 「フランクフルト学派」 細見和之

2017-12-17 23:42:45
GMBO2008 @GMBO2008

この一節をたずさえて海を渡ってゆくアーレントの姿も、20世紀の思想史を考える上で、私たちが逸することのできないものです。 「フランクフルト学派」 細見和之

2017-12-17 23:43:14
GMBO2008 @GMBO2008

夜のなかを歩みとおすときに助けになるものは橋でもなく翼でもなくて、友の足音だ。 『書簡』 ヴァルター・ベンヤミン

2017-12-17 23:46:47
GMBO2008 @GMBO2008

同じ一節を2年半前にもツイートしていた twitter.com/gmbo2008/statu…

2017-12-18 00:14:28
GMBO2008 @GMBO2008

アーレントは「歴史の概念について」の筆写稿のひとつを生前のベンヤミンから託されていて、ベンヤミンの死ののちに、ニューヨークへ向かう船の出港を待つあいだ、リスボンの港でまわりの難民たちにそれを読み聞かせていたといいます。 "フランクフルト学派" 細見和之

2015-06-10 00:05:58