アクティブラーニング事始め（日本の大学の理系科目で）

Bradypus🌿variegatus @Bradypus_v

いつも便所の落書きのようなツイートばかりだが、都内の大きな総合大学である科目（理系）を教えていて、今年度はじめて #アクティブラーニング（AL）を取り入れた講義を行った。現在、日本の大学で、理系科目で、ALの講義は稀有だと思うので、その記録をシェアする目的でのんびりと連ツイする。

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結論から。 #アクティブラーニング を取り入れた講義は学生から高評価だった。 そして学習の向上に関して、期末試験の成績からは例年より良さそう。学生の自己評価としても効果的だったらしい。

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ちなみに、匿名でこの #アクティブラーニング を取り入れた大学講義の記録をツイートする。 なぜなら教育学系の教員ではない"素人"だから。 また、このように尖ったことをすると、足を引っ張られたり、逆に、変に評価されてこの系の仕事が増えたりするが、どちらもイヤだから。

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今回と同じ科目をこれまで5年間ほど担当したが、ずっと従来型の講義（チョークトークのみで90分間）だった。 しかし学習指導要領が改訂されれば、#アクティブラーニング を取り入れた授業が小中高で広がるだろうから、先取りするべきだと考えた。（というか、もともとALは大学教育の用語）

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受講した学生は約30名。全員が同一学科の同学年ではなく、いくつかの学科の1～2年生だった。この科目は選択必修科目の一つという感じ。 初回の講義で「#アクティブラーニング」の説明をした（もちろんシラバスでALの宣言済み）。意義と限界、注意点など。そして、ALの練習をした。

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今回取り入れた #アクティブラーニング は、協同学習（グループワーク）がメイン。少人数のグループを作り、話し合い・教え合いながら問題演習を行う、というパターンがほとんどだった。しかし大学の教室は、固定机に固定椅子で全席前向きなので、協同学習には不適だった...

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初回で行った #アクティブラーニング の練習は、この科目に関する簡単だけど考えさせられる問題─有名私立中学校の数年前の入試問題─をグループで議論しながら答えさせた。 好きなように座っている学生たちを、近くにいる3～4人ごとに私が声をかけて、グループ分けした。

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この練習は、意外と効果的だった。 教員側も学生側も初めての #アクティブラーニング なので、互いに感触をつかめることができた。初回講義後の学生の評価もよかった。中学校入試問題というのも良かった（意外性と問題の質）。

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初回の宿題も #アクティブラーニング 関連にした。次の動画を視聴して自分はintrovertかそれともextrovertであるか自己評価し、そのような自分がALを取り入れた講義で学力を伸ばすにはどうすればよいか提案する、という宿題。 ted.com/talks/susan_ca…

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2回目以降の講義（各90分間）は、おおよそ以下の通り。 前回の振り返り（5分間） チョークトーク（20） 問題演習 w/ #アクティブラーニング（15） 解説（5） チョークトーク（20） 問題演習 w/ AL（15） 解説（5） 今日の振り返り（5）

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#アクティブラーニング（今回なら協同学習）を講義時間中に行うと、チョークトークの時間が削られるので予習が必須。教科書を読めばよいのだが、学部レベルなら講義動画が現在はYouTube等に数多くある。教員が自前の予習用動画を作成しなくても、ALな講義が可能な時代になった。

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今回は、問題演習（15分間）の前半は各自が自力で問題を解き、後半約8分間のみ、グループで話し合ったり教え合ったりする（#アクティブラーニング する）という形に、何回かの試行錯誤の末に落ち着いた。 演習の問題は難しくもなく易しくもなく、しかし議論が湧くような問題を探した／作った。

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グループ分けは、学生が好きなように座っている教室を周りながら「ココとココとココで1グループ」などど言ってグループ分けをした。または、事前に学籍番号をもとにランダムにグループ分けをして座る場所も指定した。学生に聞くと、どちらでも良い、が一般的回答だった。 #アクティブラーニング

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結局、従来型のチョークトークも捨て去ることはできなかった。学生の予習が期待したほどではなかったから。次週までの予習については、教科書の章、予習目標（理解すべき概念など）、YouTubeで検索すべき単語（または具体的なURLなど）を記したプリントを配布した。#アクティブラーニング

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14回の講義後に行った #アクティブラーニング に関するアンケート結果を示す。 Q1 あなたの学習向上に対してALは効果的であったと思いますか？ 学生の自己評価は「まあまあ」だったらしい。期末試験の結果からも効果はあったと思う。 pic.twitter.com/TgzWhE1wjf

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Q2 #アクティブラーニング ではない他の講義と比べて、予習をよくしましたか？ 「変わらない」か、ちょっと多い程度。これでは基礎的な知識が欠如する・身に付かない危険性があるなぁ。 pic.twitter.com/bOHv2tl1JB

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Q3 あなたにとって #アクティブラーニング を取り入れた講義は総合的にはどうでしたか？ 「ちょうど良い」との評価だが、ほとんどの学生はAL初体験なので他のタイプのALについて知らないから、回答は難しかったかも。 pic.twitter.com/BkuUZycs3U

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Q4 来年度の学生のためを考えると、どうだろうか？ 前問と同様、回答するのは難しかったかもしれないが、もっと #アクティブラーニング を増やしたほうがいいという回答が多く、励みになった。 pic.twitter.com/DK25jV3Ta6

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さて、今回の試みには、学力向上だけでなく別の観点からも価値を感じた。それは、受講した学生の2割弱が将来、中学校か高校の先生になるだろうということ。現在ほとんどの小中高の先生方は、#アクティブラーニング を生徒の立場で経験したことがないのに、ALな授業をするよう求められつつある。

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学生が今回 #アクティブラーニング を体験したことは、将来（特に教師になったとき）必ずや役立つだろう。大学の講義は小中高よりは気楽なもんだから、多くの大学教員がALを用いた講義を行って学生はいろんなタイプのALを経験し、教師になったときにその経験を活かした授業をして欲しいと思う。

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参考にした本（和書）著者名は略 #アクティブラーニング 入門 amazon.co.jp/dp/438205723X/ 失敗事例から学ぶ大学でのアクティブラーニング amazon.co.jp/dp/4798913510/ 成長するティップス先生 amazon.co.jp/dp/4472302578/

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参考にした本（洋書）著者名は略 On Course amazon.com/dp/0674047419/ Tools for Teaching amazon.com/dp/0787965677/ Teaching at Its Best amazon.com/dp/0470401044/