こんの授業:2/16・17日の復習,〈内容〉のthat,伝達動詞

2/16・17日の授業の復習です.
1
こんさん @kon3_english

【2/16・17の授業復習】 that節の授業が終わりました.〈内容〉のthatは,Ch.1基礎編の中では僕が一番力を入れているところです.皆の反応はまっぷたつに分かれて,とても面白かったという人と,全然だったという人とがいました.

2011-02-17 21:18:32
こんさん @kon3_english

(続き)でも,そのことに意味があると思います.全員が評価するものは,大衆迎合主義に陥ると思う.本当にエネルギーをもっているものって,評価がまっぷたつにわかれてしかるべきなのです.

2011-02-17 21:18:43
こんさん @kon3_english

【thatの基本】thatは,形式論としては,まず,内側の構造を見て,+不完全文なら外側の構造は形容詞=関係詞節となる.+完全文なら,名詞節となる.名詞節は,ふつうの名詞節と同格名詞節と2つに分かれます.その判断は,前に説明するべき抽象名詞があるかどうか,です.

2011-02-17 21:19:03
こんさん @kon3_english

【抽象とは】「抽象」の意味を皆さんは分かっていますか? 抽象−具体というのは,一神教的な思考で,ヨーロッパにおける伝統なのです.ルーツを遡ればプラトンのイデア論までいきます.この世の中のものは,超越的な一つの原理=Godで説明することができるという思想なのです.

2011-02-17 21:19:36
こんさん @kon3_english

(続き)抽象とは,現実物に共通する性質を抜き取って(=捨象)現実の経験から離れた目には見えない次元に本質を求めることなのです.日本人は八百万の神ですから,抽象的な思考法は苦手です.

2011-02-17 21:19:42
こんさん @kon3_english

(続き)でも,英語は,ドイツ語など他のヨーロッパの言語に比べれば実は具体的な表現が得意な言語だったりします.イギリス経験論はドイツ観念論とは随分とちがった世界観をもっています.

2011-02-17 21:19:55
こんさん @kon3_english

【抽象名詞】抽象名詞とは,現実を離れて,中身のない入れ物だけの名詞だと思ってくれればいいです.英語は抽象的なレベルで会話を止めることを嫌うので,必ずその内容をあとに説明する責任のようなものを話者や書き手はもっているわけです.

2011-02-17 21:20:15
こんさん @kon3_english

(続き)抽象名詞+同格のthat(たとえばthe idea that…)は,the ideaと言った時点で,その〈内容〉をあとのthat節で説明してやる.このような表現法なのです.だから,〈内容〉のthatといいます.

2011-02-17 21:20:21
こんさん @kon3_english

【〈内容〉のthat】このような〈内容〉のthatは,I think that…のthatにも,The point is that…のthatにも,I am surprised that…のthatにも,He is so old that…のthatにも,

2011-02-17 21:20:49
こんさん @kon3_english

(続き)It is thought that…のthatにも,It is clear that…のthatにも,見出すことができます.

2011-02-17 21:21:00
こんさん @kon3_english

【伝達動詞】I think that…の表現に関して.これを,伝達動詞という捉え方でまとめることができます.伝達動詞reporting verbとは,thinkやsayの意味を基本とし,情報の伝達を行なうときに使う動詞です.

2011-02-17 21:21:26
こんさん @kon3_english

(続き)言語はそもそも情報伝達のためにあるものですから,とくに情報を伝達する動詞だけを特別扱いして,まとめることには不思議はないでしょう.

2011-02-17 21:21:32
こんさん @kon3_english

(続き)伝達reportingという考え方は,COBUILDの辞書に書いてあるものです.最近『コウビルド園文法』として翻訳が出されました.是非一読することをおすすめします.

2011-02-17 21:21:43
こんさん @kon3_english

(続き)I think that…のI thinkの部分を伝達節,that…を伝達内容と呼ぶことにします.今後やる内容ですが,I think thatの部分は旧情報,…以下の部分は新情報です.聞き手や読み手は,このthat以下の部分に関心を寄せ,強く読むことになります.

2011-02-17 21:21:52
こんさん @kon3_english

(続き)I think / that…(伝達節 / 伝達内容)で分けることに合理性があると,僕は考えます.それは,伝達節は伝達節で,伝達内容は伝達内容で形態を変化させるからです.形態が変化しても,その根本的な機能(つまり〈伝達〉)は変わることがありません.

2011-02-17 21:22:02
こんさん @kon3_english

(続き)伝達節のI thinkの部分は,I tell youやI am sure,I am awareなどの形になることがありえます.伝達内容の部分は,that節のみではなく,if / whether節や,WH節,それから,to V句などを取ることができます.

2011-02-17 21:22:22
こんさん @kon3_english

(続き)考えようによっては,普通の名詞(the questionやitなど)も〈内容〉ととることができるのではないか,というのが僕の説です.

2011-02-17 21:22:27
こんさん @kon3_english

【伝達動詞の形態論】これを,あくまで形態論のレベルで場合分けしてみましょう.5文型の枠組みを使えば,V3,V4,V5にそれぞれ形が似ているので,伝達動詞をV3型,V4型,V5型と分け,以下のように形態をまとめあげることができます.

2011-02-17 21:22:49
こんさん @kon3_english

(続き) V3 to 人 that… V4 人 that… V5 人 to V…

2011-02-17 21:22:56
こんさん @kon3_english

【V3型伝達動詞】V3型に関して.to 人の部分は前置詞句=M・副詞句です.これを三文型として考えれば,that節以下はOとなるわけで,その意味でV3型なわけですが,僕としては,〈内容〉のthatはOだとう説は否定するので,厳密には3文型ではありません.

2011-02-17 21:23:36
こんさん @kon3_english

(続き)でも,そもそも同格のthatが上手に説明できない時点で,5文型は破綻しているわけですから,5文型のうちのどれかに帰結させなければいけないという動機自体がどうでもいいのかもしれません.

2011-02-17 21:23:49
こんさん @kon3_english

(続き)ちなみに,5文型主義が破綻しているという理由は,there is構文を考えてみることでも分かります.

2011-02-17 21:23:54
こんさん @kon3_english

(続き)I think that…のthat以下をOと考え「ない」ことによって,thinkは自動詞であるという説を裏付けることにもなります.自動詞とは,その働きかける対象を持たない分,主語の状態・様子を説明する動詞です.thinkは,主語の状態・様子を説明する動詞でしょう.

2011-02-17 21:24:03
こんさん @kon3_english

【V4型伝達動詞】V4型に関して.人の部分はO1,that節以下はO2と考えることができますが,同じ理由で,厳密にはこれは4文型ではありません.人はOです.

2011-02-17 21:24:21
こんさん @kon3_english

(続き)この形態では,動詞の目的語として人をとっていますが,その理由は,人=Oに働きかけることによって人=Oを動かすことができるからなのです.

2011-02-17 21:24:27