茂木健一郎氏(@kenichiromogi)が語る「自転車」

茂木健一郎氏が「自転車」について連続ツイートしたものをまとめました。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

自転車(1)補助輪なしで自転車に乗れたとき、うれしかった。1メートルが2メートル、そして5メートル。やがてどこまでも乗っていけるという「無限」に到達する。

2011-02-18 10:41:58
茂木健一郎 @kenichiromogi

自転車(2)当時のぼくは5歳。児童公園で補助輪なしで練習して、やがてどこまでも乗っていけるようになった時に、ぐるぐると同じところを回っていた。そうやって、「無限」を確保していたのだ。

2011-02-18 10:42:45
茂木健一郎 @kenichiromogi

自転車(3)限られた空間に閉じ込められた時に、「無限」を確保する方法。檻の中のシロクマのように。ぼくは、補助輪なしで乗れる、という開放感に包まれながら、いつまでもぐるぐると回っていた。

2011-02-18 10:43:51
茂木健一郎 @kenichiromogi

自転車(4)補助輪なしの自転車走行から、やがて「寺山修司」の「身捨つるほどの祖国はありや」に至る11枚のエッセーについては、今丹所千佳さん( @chicatanjo )が編集している「文蔵」次号を読んでください!

2011-02-18 10:45:54
茂木健一郎 @kenichiromogi

自転車(5)それでね、不思議なことがあったんだ。ぼくが小学校高学年の時、突然、「デコチャリ」ブームが来た。当時はそんな呼び名ではなかったと思うけど。「トラック野郎」にインスパイアされたのか、自転車に電飾をつけるのが流行った。

2011-02-18 10:47:13
茂木健一郎 @kenichiromogi

自転車(6)今となっては信じられないんだけれども、自転車の後ろに、やたらと派手な方向指示器がぴかぴかと光っていて、そんなモデルに、少年たちは「あれが手に入れたい!」という熱い欲望を抱いたんだ。不思議な時代だった。

2011-02-18 10:48:09
茂木健一郎 @kenichiromogi

自転車(7)機能性やスポーツ特性とは全く関係のない、ひたすら「トラック野郎インスパイア」のデコチャリブームは、突然やってきて突然去った。調子こいてデコチャリを乗り回していた友だちは、曖昧な笑みを浮かべてすごすごと物置に歩いた。

2011-02-18 10:49:22
茂木健一郎 @kenichiromogi

自転車(8)ぼくは、デコチャリを買ってもらえなかったけれども、5段変則のドロップ・ハンドルの自転車をお年玉で買った。走りながら「ギッ」とギアチェンジするだけでも、ものすごく大人になったような気がした。

2011-02-18 10:50:38
茂木健一郎 @kenichiromogi

自転車(9)でも、今になって思うんだよね。すべては、5歳のあの日、補助輪なしで乗れるようになって、児童公園をぐるぐる回って、「無限」を確保する方法を探っていた時にあったと。今でも、無限を確保する方法を、さまざまなかたちで、日々探している。

2011-02-18 10:52:00
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、「自転車」についての連続ツイートでした。

2011-02-18 10:52:19