#グングニル起動if まとめ
- knk7_mystia
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@sq_tale フレドリカの耳に、遠くの方から微かにオレルスの声が聞こえる。 「……君には酷だろうが、あまりここには長居しない方がいい。私と同じく、何があったのかを察している人間は他にも居る。そしてその全てが合理的判断ができる訳ではない」 #グングニル起動if
2016-09-12 03:12:22@sq_tale 何時間、あるいは何日経っていただろうか。フレドリカは自分がどこか見晴らしの良い高台の上にいることに気づいた。 #グングニル起動if
2016-09-12 03:18:55@sq_tale 眺めのいい高原だった。視界に広がるのは広大な草原、山、川……世界樹の跡地が見える方角ではなかったのは幸いだったのかどうか。#グングニル起動if
2016-09-12 03:20:46@sq_tale エトリアの人々が生き残っていることについては確認できた。前途多難ではあるだろうが、おそらく彼らならなんとかこの先に生きる道を繋げていくことができるだろう。 けれどそこに、たぶん自分の居場所はどこにもない。 #グングニル起動if
2016-09-12 03:22:34@sq_tale 千年の時を掛けて準備してきたものはこの身を除いて全て跡形もなくなってしまった。この時代に目覚めてからできた絆はーーひとつ残らず轟音と光の中に消えていった。 #グングニル起動if
2016-09-12 03:25:35@sq_tale 全てが終わって、全てを失ってーーふと、フレドリカは考えた。 「私はこれから、どうしたら良いのだろう」 思えば千年前から、この身の全てをセルの殲滅というただ一つの使命に全てを捧げてきた。それが為された今、彼女には何も残されていない。 #グングニル起動if
2016-09-12 03:27:27@sq_tale 少しだけ思案してーーやがて思い出す。 そうだ。そういえば、自分も巨大な目的のための機械(システム)の一部に過ぎなかったではないか。 #グングニル起動if
2016-09-12 03:29:44@sq_tale 目的が果たされれば、機械はその役目をひっそりと終えるだけだ。なんのことはない、当たり前の摂理。最初から悩む必要などーーいや、機械に最初から悩む機能など不要だったのだろう。 #グングニル起動if
2016-09-12 03:31:39@sq_tale 一歩、また一歩、吸い寄せられるように崖の端に足が近づいていった。まるでそれが千年前から規定されていたプログラムの末尾の一文であるかのように。 そして最後に、眼下に広がる広大な光景を目にして。 きれいだな。 そう思った。 #グングニル起動if
2016-09-12 03:33:48本編終了