- Uroak_Miku
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1)キャラクターの自律化現象について改めて論じてみます。伊藤のキャラ/キャラクター論や、小田切の意味・内面・図像の三要素論は、間違っているわけではないけれど、これらは内在的なものではなく資本主義でまわるこの現実世界のなかで規範として機能しているとみるべきではないでしょうか。
2016-09-19 16:03:362)「あたしの描いた絵が勝手にネット上で改変されている!許せない」と思うのは、一見ごく自然な感情なのだけど、実は著作権法で「著作者人格権」が認められているからこそ「許せない!」と感じるのです。感じる本人が法知識ゼロであっても、です。
2016-09-19 16:06:173)倫理があって法(というか法解釈)が生まれるのではなく、法が回っているからこそ倫理が生まれることもあります。赤信号を渡ってはいけないのは古代からそういう倫理があるからではなく、道路交通法で禁じられているからです。それがやがて倫理感に昇華されたのが今の私たちです。
2016-09-19 16:08:534)キャラクターの自律化という現象も同じ。著作権法、商標法、意匠法、民法、不正競争防止法が重なるエリアのなかで「キャラクター」が歩き出した。
2016-09-19 16:10:555)「愛国心」は人間のごく自然な感情ではあるけれど、この心象が生まれたのは18世紀末のヨーロッパ。フランス革命からナポレオン旋風までの時期。つまり「王家」ではなく「国家」が生まれたからこそ「愛国心」は芽生えた。
2016-09-19 16:12:586)「キャラクター」もそうやって生まれ、まるで古来から人間のごく自然な認知心理学作用の結果として生まれたものであるかのような顔をして歩き回っている。
2016-09-19 16:14:529)いわゆる「ゆるキャラ」を典型に、キャラクターは仮想共同体を生み、仮想共同体に支えられる。バリキャリ女(バブル時代のにおいがしますね)がハローキティをあしらった筆記用具をさりげなく使うのは、キティがある共通理解のうえで回っているから。キティそのものはただのデザインでしかない。
2016-09-19 17:08:1010)海の満ち引きは月の引力で起きるけれど私たちはその引力を体感しない。キャラクターは消費社会という重力場を敏感に感じ取って揺れ動く。その重力場を私たちはいちいち意識化しないけれど、キャラクターを眺める目線がやはり揺れ動く。
2016-09-19 17:10:5511)キャラクター論はいっぱいあるけれど決定打がないのは、論もやはり重力場で揺れ動くから。網膜に映る目のゴミを目で追ってもけっしてつかまえられないように。
2016-09-19 17:13:02