- Uroak_Miku
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1)昨日の日経に、EU誕生のいきさつを歴史的視点から解説した良特集があって、とてもためになりました。映画『ローマの休日』(1953年)でもあの姫様が「欧州統合を歓迎します」と発言していたとか。
2016-09-26 14:16:452)終盤ですね。記者会見。ある記者からこんな質問をされる。"Does Your Highness believe that Federation would be a possible solution to Europe's economic problems?" pic.twitter.com/407LRJTovR
2016-09-26 14:22:494)クラリ…ではなくてアン王女はこう答える。台本どおりに。"I am in favour of any measure which would lead to closer cooperation in Europe."
2016-09-26 14:29:366)映画のはじめのほうで、姫さまが記者との想定問答をそらんじてみせる場面があります。もうすべて頭の中に台本として叩き込まれていて、どんな球が飛んできてもうまく投げ返す自信(同時にその窮屈さにうんざり)に満ちている。
2016-09-26 14:33:287)今度はこう問いかけられる。これもごく公的な内容。"And what, in the opinion of Your Highness, is the outlook for friendship among nations?"
2016-09-26 14:37:489)" I have every faith in it."(あらゆる希望を抱いております) ここまではごく公的な発言なのですが、この後ふっとこう続ける。
2016-09-26 14:41:2810)"as I have faith in relations between people."(私は人間と人間の絆に希望を感じています。それと同じです)
2016-09-26 14:44:0811)この発言で記者たちがちょっとどよめくんですよ。どの国の王族も、発言は無味無臭がモットーだというのに、このとき姫さまは〈我〉を出してきたから。
2016-09-26 14:45:4913)"May I say we believe that Your Highness's faith will not be unjustified."
2016-09-26 14:48:1515)記者さんは公的な発言を装いつつ「あなたと知り合えて、そして男女の仲となったのはひとときの戯れなんかじゃないよ、あなたの気持ちを一生忘れないからね」と返信している。
2016-09-26 15:04:1516)本題に戻るとして、ヨーロッパの連合体という話は映画の前半にもちらっとでてきます。ヤンキー記者さんが上司とやりあうとき、上司が「で姫さまはヨーロッパ連合体についてどんな発言をされていたかねブラッドリー君」と嫌味をいう場面。記者さんは記者会見をすっぽかしていたのを知ってて聞く。
2016-09-26 15:06:1517)第二次大戦でヨーロッパは戦勝国も敗戦国も疲弊。経済はがたがた。そこでアメリカが経済支援に乗り出した。東西冷戦を見越しての先手だったわけですが。マーシャル・プランという大規模な支援策に出た。その影響で欧州からアメリカにドル持ち出しができなくなった。
2016-09-26 15:09:2018)どの国もドルが入用だったので、国外へのドル流出に制限をかけた。国の復興につながる目的でなければドルを国外に出してはいかんというわけです。これ敗戦後の日本もそうでした。
2016-09-26 15:10:4119)ヨーロッパでハリウッド映画を上映しても、稼ぎをアメリカに持ち帰れない。ならば稼いだぶんを現地で映画制作に使っちゃえ!とハリウッドは考えた。ローマの銀行にプールされたハリウッド映画会社の金を現地で使って映画一本作って、それを堂々とアメリカに持ち帰って公開して稼ごう、と。
2016-09-26 15:12:4721)今のEUにつながるヨーロッパ連合のアイディアもこのころに検討されたものです。イギリスのチャーチルとフランスのモネ(画家ではなくて)が前から構想していた。世界恐慌(戦前)それにそのもっと前に起きた第一次大戦がこの案の土壌となった。
2016-09-26 15:15:49