- ohkuragumi
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①ふゅねるリク 今日もメシ会に誘われた メシ会って言えば聞こえはいいけど いわゆる合コン 別に行きたい訳やない いつもピンとくる子なんておらへん 今日だって、そう… そう思ってた けど今日は違った 愛想も良くないし それほど可愛い訳でもないけど 俺のツボに、はまった
2015-03-07 21:21:05②ふゅねるリク それはキレイに魚を食べる所だ 俺は食べる事に関して結構ウルサイ クチャクチャ音を出して食べたり 皿を汚なくして食べたりする事が めっちゃ嫌いやねん だけど、あの子は違った 今時の子にしては珍しく きちんとしてる気がして 俺のスイッチが入った
2015-03-07 21:21:20③ふゅねるリク 何とかして彼女の気を引こうと 試みても全然ムリで 最後のチャンスは彼女を送る事だった タクシーを拾い乗り込んだ 俺は頭の中で会話を探す すると彼女が先に話し掛けてきた 『あの、ボタン取れかけてますよ』 そう言われて見るとボタンが 落ちそうになってた
2015-03-07 21:21:34④ふゅねるリク 今にも落ちそうなボタン 「あっ、ほんまや」 落ちそうなもんは取ってしまえ そう思って引き契ると 『きちんとしてそうに見えて 意外とだらしないんですね』 そう言った 結構、無神経な事を言う彼女 だけど、これだけで終らなかった
2015-03-07 21:21:59⑤ふゅねるリク 『取れそうだからって 取ってしまうとか有り得ないですし そのボタンどうするんですか? 失くしたらどうするんですか? もうそれ、着れないじゃないですか それともボタンがないまま 着るんですか? それも有り得ないですし』
2015-03-07 21:22:54⑥ふゅねるリク 機関銃のように喋る彼女 それも毒舌… もう少し優しい感じで言えへんの? そう思っていたら 『ボタン貸して下さい』 「えっ?」 『部屋で付けますから寄って下さい』 そう言った 夜中に男を部屋に入れるなんて どうゆう事? それも今日が初対面やで?
2015-03-07 21:23:10⑦ふゅねるリク 部屋に着き 『どうぞ』 とドアを開けられ部屋に入る 綺麗に掃除されてる部屋なのに何故か スーパーの袋がテーブルの上に 置かれてた。 『あっ、片付けますから…』 そう言うと綺麗に畳んでしまった 「しまうんや…」 そう言うと彼女は
2015-03-07 21:24:03⑧ふゅねるリク 『えっ?ダメですか?色々と 使えるじゃないですか』 ダメじゃない。全然ダメじゃない それも俺のツボ 『上着』 そう、ぶっきらぼうに言う彼女に 俺は上着を渡した 器用に針に糸を通しボタンを付ける 『あっ、』 彼女が何を見つけた
2015-03-07 21:24:20⑨ふゅねる 「なに?」 俺が聞くと 『ここ、ほつれてますけど、 どうします?このままにします? それとも直しますか?』 そう言った 「直せるん?」 そう聞くと、また器用に直し始めた 裁縫なんて出来る所もツボやねん 俺の心は完全に掴まれた
2015-03-07 21:24:59⑩ふゅねる 俺は上着を直す彼女をじっと見てた 『出来ました』 そう言って顔を上げる彼女と 目が合った 『どうぞ』 と上着を俺に渡し裁縫道具を片付ける 「ありがとう」 そう言って上着を着る俺 (これ着たら帰らなあかん…?
2015-03-07 21:25:16⑪ふゅねるリク このまま帰りたない… こんなツボにハマった子、初めてなん 「あのさ…」 そう言って彼女に近づくと 振り向いた彼女は顔の近さに ビックリして床に倒れそうになる 俺はそれを支えようとして 一緒に倒れこんだ。 まるで俺が押し倒したような 状態になる
2015-03-07 21:25:33⑫ふゅねるリク 『あの…』 そう言う彼女の言葉を無視して じっと見つめた 『あの、ちょっと…』 起き上がろうとする彼女の 唇を塞いだ 彼女も抵抗はしない (このままいけちゃう…? そう思ったら彼女は俺を 引き離した
2015-03-07 21:26:24⑬ふゅねるリク 『これって、どういう事ですか? 事故ですか?何ですか?』 ちょっと涙目で言う彼女 「いや…あの…」 上手く言葉が出てこない 『誰にでもそうですか? いつも、そうなんですか? 初対面でも軽くこんな事 するんですか?』 質問責めに合う俺
2015-03-07 21:26:38⑭ふゅねる 「いつもこんな事しとる訳ちゃうし 誰とでもないし、軽くでもないし…」 『じゃあ何ですか? どうゆ「ちょ、落ち着いてや…」 言葉を続けようとする彼女を制した 「好きになったから」 すると彼女は 『初対面なのにですか?そんな簡単に 好きになれるんですか?』
2015-03-07 21:27:10⑮ふゅねるリク また機関銃のように喋る彼女に俺は 「一目惚れってあるやろ?」 『私にですか? 私のどこに一目惚れですか?』 (質問ばかりや… 「魚をキレイに食べるとこや スーパーの袋も、しまっとくとこや 裁縫が得意なとこや…」 『えっ?』 不思議そうに俺の顔を見る
2015-03-07 21:27:29⑯ふゅねるリク 「とにかく、そうゆうのが全部 俺のツボやねん それが理由じゃあかん?」 『そんなこと言われたの 初めてなんで…』 照れたように俯いた 「そやから付き合うてくれへん?」 思いきって言ってみた
2015-03-07 21:28:21⑰ふゅねるリク 彼女は俯いたままで沈黙が続く 「あかんかな…?」 もう一度、聞くと 『私…そうゆうの、 よく分からなくて…』 そう言った 「分からないって?」 『付き合ったりとかもないし、 どうしたらいいのか…』 そう言う彼女に俺は提案した
2015-03-07 21:28:36⑱ふゅねるリク 「じゃあ、分かるようになるまで 試してみいひん?」 『試す♪?』 「そう。俺、何でもするで? だから先ず、始めてみいひん?」 この日から、俺の闘いが始まった 絶対、振り向かせてみせる こんなふうに思ったのは 初めてなんだ…
2015-03-07 21:29:13⑲ふゅねるリク 初めてのデート どんなに待っても来ない彼女 1時間が過ぎ… 2時間が過ぎる… それでも待ち続ける俺 3時間になる頃 さすがに痺れを切らして電話する 「待ってるんだけど」 そう言うと 『あっ、友達と…』
2015-03-07 21:29:26⑳ふゅねるリク 俺との約束を忘れて友達と食事 結局ドタキャン 天然なのか何なのか 結構、振り回される俺 それでも、しょげたりしない 部屋に帰り一人になると 彼女の事ばかりが頭に浮かぶ やっぱり好きやな~
2015-03-07 21:29:40②①ふゅねるリク 彼女の事を思いながら寝る 耳元で何か音がする ぼんやりする中、音に耳を傾けると 携帯が鳴っている 時間は深夜2時になっていた (誰なん! そう思って見ると彼女からだった 驚いて出てみると 『終電に乗り遅れたの…』 鳴きそうな声が聞こえる
2015-03-07 21:30:28②②ふゅねるリク ドタキャンしといて迎えに来てって いったい、何やねん! そんな事を思っても迎えに行く俺 惚れたが負けって、 こうゆう事なんやと納得する 有り得ないようなワガママでも どんなに振り回されても 惚れてんねん…
2015-03-07 21:30:46②③ふゅねるリク 彼女を思い出さない夜はないし 彼女を思い出さない 夜なんていらん… 何だかんだ言っても好きやねん… だから必ず掴むんだ 彼女の心を… そんな一途な忠義くんは、いかが? pic.twitter.com/gkTqIYi16c
2015-03-07 21:31:50