駆逐艦吹雪の最期について米側目撃談メモ

吹雪の最期の状況について、アメリカ側の目撃談まとめの簡単な覚え書き C.クックの著書より
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くま一号 @KumaIchigoh

吹雪の最期の状況について、映画にもなることだし、再度目撃談の覚え書き The Battle of Cape Esperance - Encounter at Guadalcanal (C.Cook 1968)より

2016-10-11 19:19:35
くま一号 @KumaIchigoh

1942年10月11日、日本時間2146、サボ島沖海戦の砲戦開始時に、吹雪の位置は青葉の右やや前方7,000メートルくらいのところにいたらしい。日本の艦列前方を左からT字に横切る米艦隊。吹雪は米旗艦重巡サンフランシスコからわずかに1,300メートルの位置にいた。

2016-10-11 19:19:52
くま一号 @KumaIchigoh

五藤提督が敵艦隊を味方かと誤認していたのと同じように、司令官スコット少将も第六戦隊を、はぐれた味方の駆逐艦ではないかと思っていた。そのため、発砲を許可していなかった。2146、軽巡ヘレナの命令誤認により偶発的に砲戦開始。

2016-10-11 19:20:08
くま一号 @KumaIchigoh

最初の砲撃で、吹雪(と思われる駆逐艦)にも火炎が上がって見えた。2147、スコットが艦橋に怒鳴り込んできて発砲中止を命令。サンフランシスコは射撃を中止したが他艦は必ずしも従わずに撃っている。

2016-10-11 19:20:35
くま一号 @KumaIchigoh

スコット提督も敵味方の識別に迷っていた。吹雪は右(米艦隊と平行な方向)へ回頭を開始。海面に向けた左舷の探照灯でなにか点滅信号をしていたが米側では読み取れない。スコットは、米艦から敵味方識別の信号を出すことを命令した。

2016-10-11 19:20:50
くま一号 @KumaIchigoh

この夜、米側の識別信号は上から緑-緑-白の発光信号だった。これに応答して、駆逐艦は左舷に白-赤の灯火を点滅しはじめた。敵と判断したサンフランシスコ砲術長が独断で探照灯を照射。駆逐艦の艦上構造物に見覚えがなく、煙突の回りに白線が二本描かれていた。

2016-10-11 19:21:05
くま一号 @KumaIchigoh

吹雪は反転を開始していた。ここで吹雪に魚雷を撃たれていればサンフランシスコは終わりなので、艦上は全員が息をのんだ。砲術長は砲撃開始を命令。 8インチ砲の最初の二回の斉射は夾叉、三回目で少なくとも一発が命中。吹雪艦橋の後部で爆発が吹き上がった。

2016-10-11 19:21:22
くま一号 @KumaIchigoh

四度目の斉射で大爆発が起こり、吹雪は真ん中から真っ二つに折れた。艦首が一瞬で沈み、後ろ部分は艦尾を上に立ち上がった。探照灯の光でスクリューと舵が見え、そして沈んだ。 吹雪は一切反撃してこなかった。

2016-10-11 19:21:40
くま一号 @KumaIchigoh

吹雪の大爆発と沈没時間の公式記録は、日本側の記録で2213頃、米側の記録で2153轟沈(瞬時に沈んだという本来の意味の轟沈)と異なってます。サンフランシスコの砲撃再開が2151と記録にあります。

2016-10-11 19:21:55
くま一号 @KumaIchigoh

クックの記述だと、8インチ砲を4斉射しているので最速2分弱くらい。2153前後の方があいますね。2213前後に衣笠に撃たれた軽巡ボイシが爆炎を上げているんで、遠望している日本の他艦からはよくわからなかったのではないかと。 以上でした。

2016-10-11 19:22:09