高橋健太郎さんによる『音響メディア史』批評。

批判論点:中村とうよう、油井正一クラスの人だって聴けてなかったものが、今は何千曲と聴ける。サウンドに触れない、マシーンにも触れない、過去の研究書などを引いて、そのパッチワークで歴史を俯瞰する音響メディア史論 目次: 1.『音響メディア史』批判(1)(Page-1) 2.『音響メディア史』批判(2)(Page-1) 3.とうようずチルドレンとして・エンジニアとして(Page-1) 続きを読む
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kentarotakahashi @kentarotakahash

僕が全て正しい訳でもないだろうに、反論も出てこない。かといって、訂正がなされる風でもない。このぬるく受け流す感じって何なのだろう?

2016-10-26 10:06:25
kentarotakahashi @kentarotakahash

今日はここで調べもの。音楽書の棚見てるだけでは限界あると分かってきた。 pic.twitter.com/wBFQMFJ50b

2016-10-26 11:13:39
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kentarotakahashi @kentarotakahash

今日、そのへん調べてます。民生用録音機の歴史。 twitter.com/hiruandon89/st…

2016-10-26 11:15:52
ひかる(工学趣味・科学趣味)換気中(コミュ障) @hiruandon89

@kentarotakahash レコーディオ - Twitter検索  twitter.com/search?f=tweet… 日本語圏ではほとんどヒットしません。ロストテクノロジーなのではないでしょうか。 レコーディオ - Google 検索 約 26 件 です。

2016-10-26 10:15:05
kentarotakahashi @kentarotakahash

民生用録音機。『音響メディア史』に書かれている「これ(それ以前の蓄音機)に対しテープレコーダーは、購入者たちの個人的な「録音」を可能にする装置として商品化された」が誤解なのは明らか。初期のテレコは3モーターで、大きく重かった。かつ、磁気テープという全く新しいメディアを使った。

2016-10-26 12:05:45
kentarotakahashi @kentarotakahash

AMPEXを例に取ると、モデル200から500までは3モーター。600で初めて1モーター機が登場する。600のデビューは1954年。以後、同期をベースに民生用の1200シリーズが生まれる。

2016-10-26 12:12:46
kentarotakahashi @kentarotakahash

磁性粉を塗布した長大な磁気テープという新しいメディアは、それまでの物理的な円盤メディアに比べて、ずっと高価だったのも間違いない。量産体制になって、価格が落ち着かないと、民生用途へのシフトは難しい。

2016-10-26 12:15:29
kentarotakahashi @kentarotakahash

対して、民生用のディスク・レコーダーは20年代からすでにビクターなどが手がけていた。15センチの生レコードも市販されていた。1924年にはパテが最初から無音の溝が切ってある生レコードを発売。機械録音の時代にすでに大手メーカーが家庭用のディスク録音システムを提供していたのだ。

2016-10-26 12:21:59
kentarotakahashi @kentarotakahash

1930年代になるとPresto社が高性能のポータブル・ディスク・レコーダーを開発。これを携えてフィールド・レコーディングの旅に出たのがジョン&アラン・ロマックス。Presto社のレコーダーは高価だったが、後を追って、音楽録音用の民生機が現れる。サンレコ的な雑誌も創刊される。

2016-10-26 12:28:34
kentarotakahashi @kentarotakahash

中でも、ヒットしたのがウィルコックス・ゲイ社のレコーディオで、レス・ポールも最初に手にしたレコーダーはこれだったという。

2016-10-26 12:33:43
kentarotakahashi @kentarotakahash

ところで、日本ではどうだったかというと、この本に書いてあった。日の本写音機というメーカーの機械録音式、電気録音式のディスク・レコーダーがあり、前者はアセテート盤、後者はアルミ製の円盤を使ったという。後者はNHK放送博物館に現物があるそうだ。 pic.twitter.com/KEYegcUbra

2016-10-26 12:39:46
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kentarotakahashi @kentarotakahash

考えてみれば、日本人も1890年代から蝋管式の蓄音機で録音に親しんでいたのだ。それが一度、途絶えて、1950年代のテープレコーダーの登場でようやく復活、なんてことはあるはずないよね。人間は欲深いんだから。

2016-10-26 12:52:22

9-3 民生用レコーダーとクルーナー

kentarotakahashi @kentarotakahash

でも、カセット以前のテープレコーダーが家庭にあった率って、どのくらいだったんだろう? 僕はテレビも冷蔵庫もまだないのに、テープレコーダーはある家に生まれたけれど。

2016-10-26 12:55:04
kentarotakahashi @kentarotakahash

主目的は何だったんでしょう? RT @matsumotosuzume: うちもTV、冷蔵庫導入前の'61~62年頃にオープンリールテープレコーダーを購入している。

2016-10-26 20:18:42
kentarotakahashi @kentarotakahash

なるほど。やっぱり家族の声を残す、は家庭用レコーダーの基本ですね。RT @matsumotosuzume: @kentarotakahash 赤ん坊だった私の声の記録とラジオの音声を録音するためだったと思います。

2016-10-26 21:29:18
kentarotakahashi @kentarotakahash

エジソンが考えたフォノグラフの用途は一から十まであった。中でも彼が最も重視したのは、家族の声を残すことだった。実際には、人々は死んだお爺ちゃんの声をみんなで聴くみたいことにはフォノグラフをあまり使わず、大衆的な音楽を聴いて楽しむために使った(エジソンはそれを快く思わなかった)。

2016-10-26 21:48:45
kentarotakahashi @kentarotakahash

その点ではエジソンは大衆の嗜好を読み損ねたのだけれど、ただ、長い目で見れば、レコーダーは音楽と音楽以外のサウンドを区別しない、というエジソンの思想は正しかった。その後の録音音楽には、それまで音楽とは考えられなかったサウンドが入り込んでいったのだから。

2016-10-26 21:58:21
kentarotakahashi @kentarotakahash

クルーナーのような唱法がなぜ生まれた?を考えるにしても、電気録音(マイク)のお陰で小さな声でも録音できるようになった、というような非科学的な論よりも、録音によって、それまで音楽的とはされなかった要素が音楽に入り込んできた歴史の中にそれを置いて考えた方が良いように思う。

2016-10-26 22:05:18
kentarotakahashi @kentarotakahash

1900年のパリ万博にワイヤー式の磁気録音機を出品したデンマークのヴァルデマール・ポールセンも、その用途を「電話の音声が記録でき、不在時の電話録音に利用できる」と書いていました。 twitter.com/wonosatoru/sta…

2016-10-26 22:08:49
ヲノサトル @wonosatoru

エジソンが当初想定したのが留守電みたいなプライベート用途だったというのは興味深い話で、彼の発明した映画=キネトスコープも、その後リュミエール兄弟が作った皆で楽しむ上映システムとは違って、一人で覗き込む孤独な娯楽だったんですよね。 twitter.com/kentarotakahas…

2016-10-26 22:02:27
kentarotakahashi @kentarotakahash

かつては、歌を歌うということは、基本的に大きな声を出すことだった。人前で歌うなら。ましてや職業として歌うたいを務めるなら。ところが、録音機の登場によって、メディアにきちっと歌を収録できさえするなら、声量自体は大きくなくても良くなった。

2016-10-26 22:13:49
kentarotakahashi @kentarotakahash

最初期のレコード歌手、ダン・W・クィンはステージ経験もほとんどなく、一人で小さな声で歌っていた。しかし、録音のおかげで、彼は歌手として成功した。生涯、少女声で歌ったコミックソングの女王、エイダ・ジョーンズしかり。彼らはステージで声を張り上げる必要のないレコード歌手だった。

2016-10-26 22:18:55
kentarotakahashi @kentarotakahash

クルーナーのような優しく歌うスタイルが出てきたのは1910年代の終わり頃だろう。第一次大戦が終わり、ゴージャスな蓄音機が飛ぶように売れた頃。ビング・クロスビー以前のクルーナー歌手、ニック・ルーカス、アート・ジルハム、ジーン・オースチン、クリフ・エドワーズらがプロになったもこの頃。

2016-10-26 22:26:46
kentarotakahashi @kentarotakahash

こうした初期のクルーナー(あるいはウィスパリング)唱法の歌手達には共通点があった。楽器の弾き語りをする歌手だったということ。ニック・ルーカスはギター、アート・ジルハム、ジーン・オースチンはピアノ、クリフ・エドワーズはウクレレ。彼らは楽器と張り合って、大声を上げる必要はなかった。

2016-10-26 22:53:27
kentarotakahashi @kentarotakahash

なぜなら、弾き語りでは楽器の音量も自分でコントロールできるから。そして、「弾き語り」とはよく言ったもので、彼らは優しく語りかけるように歌った。

2016-10-26 22:53:54
kentarotakahashi @kentarotakahash

語りや喋りは音楽なのか?というと、ラップ〜ヒップホップが出てきた時にも、あんなのは音楽じゃない、という議論があった。が、レコードは音楽とそれ以外を区別しない。エジソンが最初に考えた通り。

2016-10-26 22:54:20
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