キレイなキュゥべえがしてくれた話　其之壱

@QB_heart

さて。今日出会った魔法少女のお話をするよ。準備はいいかい？

@QB_heart

今日出会ったのは、まどかたちがいる街からはかなり離れた、少し小さな街にすむ女の子だった。年はまどかと同じくらいかな。ピンで留めたショートヘアの、素直そうな子だった。

@QB_heart

ぼくが彼女と出会った時、既に事件は起きていたんだ。彼女は、精神が異常な男に襲われそうになって、追い詰められていたんだ。

@QB_heart

ぼくは彼女を魔法少女にして逃がしてあげようと思ったんだけど、彼女は間一髪で逃げおおせた。本当にヒヤヒヤしたよ。

@QB_heart

普通ならそれで話は終わりなんだけど、彼女の様子がおかしかった。彼女は、その異常な男から逃げ去ろうとせずに、少し離れた場所から隠れて見ていたんだ。

@QB_heart

ぼくは本当に不思議だったから、彼女に姿を現したんだ。事情を聞けば、それは至極単純にして明快だったよ。彼女は…………あの異常な男の妹だった。

@QB_heart

彼女は願いごとを言った。「私たちを助けてほしい」ってね。でもぼくは承諾できなかった。願いごとは、具体的なひとつだけだから。

@QB_heart

ぼくは、彼女に提案したんだ。「彼の心を治してあげるよ」でも彼女は、かむりを左右に振ったんだ。どうやらあの兄は、今までに何度も彼女に対して、目も当てられない酷い仕打ちをしてきたらしい。彼女には、それを忘れられる自信がなかった。

@QB_heart

「じゃあ、きみの記憶を消してあげる」それでも彼女は首を縦に振らない。彼女たちには身寄りがなく、彼女が兄を忘れたら、兄は流浪人になってしまうという。

@QB_heart

ぼくは困り果て、諦めかけた。ぼくは彼女を救えない。そういうことも、あるんだって。でも、彼女は諦めなかった。そして願った。ぼくはその願いを──聞き届けた。

@QB_heart

彼女は、今夜からもう、魔女と戦っている。それが魔法少女としての使命だからね。彼女は強いよ。まどかが魔法少女になった姿に、迫るくらいにね。

@QB_heart

狭い路地裏、暗い廃墟、そういう場所で、彼女はひとりで戦っている。迷いもなく。

@QB_heart

……そうそう、その魔法少女の願いはこうだったんだ。

@QB_heart

『私に、決して揺るがない兄への愛を、ひとつだけ下さい』

@QB_heart

本当、わけがわからないよ……。 (完)

@QB_heart

またぼくのお仕事の話をつぶやくかもしれないけど、そしたらみんな、また聞いてくれるかなあ……？