しありえ

はち公。 @funkastic_8er

【しありえ】 1 ぶったりしてゴメンね 愛しくて仕方なかった ねぇ、泣きまねしてゴメンね 困った顔が見たくて そして あなたの背中が遠ざかり 最後に気づく 儚き愚か者 ･･･それは 私のことだったね いまさらだけど ごめんね？ 信ちゃん･･･ #しありえ pic.twitter.com/hYm4Io9EPl

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2 私と 幼なじみの信ちゃんが 付き合い始めたのは高校に入ってから 『りえー、お待たせー』 サッカー部が終わるのを 待ってた私の元に 信ちゃんがやって来る 「お疲れ様ー」 駆け寄ると 赤くなった鼻頭を見て 『寒いねんろ？ 外で待たんでもええゆーたやんw』 #しありえ

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3 「ええの！ 信ちゃんが外におるなら うちも外におる！」 そう答えつつ ギューッと腕に抱きつく私を 『ほんまもんのアホやなw』 そう笑いつつ まんざらでもなさそうに 腕を組み直して 『さ、帰ろか』 一緒に歩いて帰る そんな信ちゃんとの時間が好きだった #しありえ

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4 「あっつー」 夏の暑さに スカートをバタバタしてたら 『おい、それやめーや』 って眉間にシワを寄せてるから 不思議に思って聞いてみる 「なんで？」 『あほ。他の男にそん中 見られたらどーすんねん』 「あー。でも 今までそんなん言わんかったやん？」 #しありえ

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5 『そりゃ今まではな･･･ ただの幼なじみやったし』 「あ」 『今年の夏は彼氏やんか 絶対他の男に見せるの許さへん///』 そんな柄にもないヤキモチ妬いて 真っ赤に照れる彼に近づいて 「わかった･･･ 信ちゃん以外に見せへん」 そう耳打ちして #しありえ

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6 そこから キスをして 初めて身体を重ねた夏 ･･･そんな季節が 来年も その次の年も ずっと ずっとずっと 続いていくんだと思っていた 私と信ちゃんは ずっと一緒で 離れないもんだと思っていた #しありえ

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7 高校3年の秋 『お待たせー』 冬の試合まで部活を続ける信ちゃんを 「お疲れ様ー」 外ではなく 教室で 受験勉強しながら 待つようになった私 そして その傍らには 《おー、ひな。 おつとめごくろーさんw》 信ちゃんの友達の すばるが居るようになった #しありえ

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8 『すばるお前･･･ また、りえの勉強邪魔してたんか？』 《邪魔ちゃうよなぁ？ りえが悩みあるゆーから 相談のってたんやんか、なぁ？》 「え！？あ、ええっと･･･ 信ちゃん！帰ろ！ね？！」 誤魔化すように片付けて 帰ろうとする 《寄り道せんと帰れやーw》 #しありえ

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9 偉そうに言うすばるに 口パクで （バカ！） って伝えてから お互い笑って 手を振ってその場を離れる そんな そんな時間を 過ごすようになっていた ･･･と、なると 帰り道に当然聞かれる 『すばるに何相談したん？』 「そ、それは･･･」 #しありえ

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10 恥ずかしくて 言えなくて 「な、ないしょ！ でも、大したことないよ！」 そう誤魔化してた 私が悪かった 『･･･あっそ』 人を詮索するのが嫌いな信ちゃんに そんな風に言うと それ以上聞けなくなる事くらい 少し考えればわかる事だったのに･･･ #しありえ

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11 『りえ･･･今夜、家抜け出して お前んち行ってもええか？』 「え･･･」 『ええよな？』 「あ、うん･･･」 もやもやを 言葉に出来なくなった信ちゃんは 夜中こっそり 私の部屋にやって来て 「ん･･･んんっ」 『りえ･･･』 「んんぁ///」 #しありえ

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12 まるで私が 信ちゃんのものだと 確認するみたいに 「信ちゃ･･･もぉダメ 声、出ちゃうよ」 『･･･出したらええやん』 「そんな･･･親にバレちゃう///」 『俺は･･･別にええけど？』 「あっ･･･ひぁん///」 私を 抱いた #しありえ

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13 信ちゃんの事は 大好きだったけど 時折感じる強引さに戸惑って それを･･･ 信ちゃんが部活中に すばるに相談する その構図が出来上がった時点で 私達の終わりは 見えていたんだと思う #しありえ

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14 ────ある日の事 「もぉ･･･なんねんろ」 《まぁ･･･ひなも男やからなぁ》 「でも･･･ほんと最近 会話ぎこちなくて でも、エッチはして･･･ なんか･･･心と身体 ちぐはぐや･･･」 受験勉強にも疲れて 思わず泣き言を すばるに漏らしていた #しありえ

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15 すばるは 高校からの信ちゃんの親友で 私はあんまり 関わってなかったんだけど 3年になって初めて同じクラスになり 気づくと 【信ちゃん】という共通項で 親しくなっていて いつしか 何でも話せる よき理解者になっていた 《そんな･･･泣くなや、な？》 #しありえ

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16 泣きそうな私の頭を すばるが優しく撫でてくれて 《ひなは、りえを ホントに好きや思うで？ 好きやからこそ うまく言えんのかもしれん せやから･･･アイツが 何考えてるか正直に聞いてみたら？ アイツも不器用やから きっかけないと 何も言われへんやろしw》 #しありえ

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17 「それも･･･そやね！」 その言葉に励まされて 顔を上げて笑う すると 「あ･･･」 視線の先には こちらを見て立ってる 「信ちゃん･･･」 がいた 『いつもの相談は･･･終わった？』 その声は いつも以上に不機嫌で 「あ、うん･･･」 #しありえ

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18 『あっそう、ほな、帰るで』 私が駆け寄るのを待たずに こちらに背を向けて歩き出す 「あ･･･待って」 私はすばるに ごめんと手を上げて 慌ててその後ろを追いかけた 息を切らして 追いついたんだけど なんとなく 隣を歩けなくて 少し後ろを歩く･･･ #しありえ

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19 （いつから･･･こうなったんかな） 付き合いだした頃は 何も考えず その腕に抱きつけたのに 今は 振り払われそうな気がして 怖くて飛び込めない （付き合う前の方が 仲良かった気がするな･･･） 恋人じゃなく 幼なじみだった あの頃が懐かしい #しありえ

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20 そんな事を考えながら歩いてたら 「うわっ」 急に信ちゃんが立ち止まり ぶつかった 「ちょ、どーしたん？」 思わず聞くと 信ちゃんは大きく息を吸って 『俺･･･大学、東京のん行くから』 そう告げた 「へ？」 『迷っててんけど、やっぱそーする』 #しありえ

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21 「え？あ、ちょっと･･･え？」 急な展開についていけない こないだまで 一緒に地元の大学行こう って言ってたのに 「え、なんで？」 理由がわかんない 『ずっと迷っててん でも、尊敬してる先生が 東京におって･･･ やっぱその人に習いたいねん』 #しありえ

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22 なにそれ そんな話 聞いたこともなかった 『親父も賛成してくれて これで迷い吹っ切れたわ』 迷ってたの？ なんで？ なんで私はそれを知らないの？ 「なにそれ･･･やだ･･･」 私たちは･･･どうなるの？ 「絶対やだ！！！」 #しありえ

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23 どんなに気まづくても 受験が終われば 近くにさえいれば そのうち解決すると思っていた なのに 「離れるなんてやだ！無理！」 決定的な距離の大きさに 怖気付く私 『りえ･･･なぁ、聞けや？ 俺かって夢はあるし その為には 離れなあかん事もあるやろ？』 #しありえ

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24 ため息をついた信ちゃんが 物凄く冷酷に見えて 「何それ･･･信ちゃん 私と一緒におる事より 大事な夢って何！？」 頭がパニックになる 『あほゆーなや お前と夢はどっちも大事やって』 「嘘や･･･ それならもっと早うゆーやろ！？」 『あのなぁ･･･』 #しありえ

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25 ほら･･･またため息 わかってる こんな面倒な女嫌だよね 私も こんな自分嫌い でも 話してくれなかった事が すごく悲しくて辛くて ･･･悔しくて 『なぁ･･･一回冷静に話しよーや』 対照的に落ち着いてる 信ちゃんが許せなくて ･･･パシッ #しありえ