Norman K. Denzinと Iowa School、特にManford Kuhnとの関係の整理
- Yatu_Walker
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もっとも、僕の研究はシンボリック相互作用論を使う研究ではなくて、シンボリック相互作用論の歴史を手掛かりにして「かくれたプラグマティズムの伝統」を整理することにあるので、シンボリック相互作用論者ではありませんね。
2016-11-08 23:35:42いかに自分の研究が歴史に位置付けられるか、先行研究に貢献しうるか。シンボリック相互作用論はシステム論やエスノメソドロジーのような包括的視点がある手法でもなければ、包括的に社会を見る手法でもないので、自分が研究世界に入るということに凄く自覚的になれるかなと思っています。
2016-11-08 23:33:35シンボリック相互作用論の学派系列の分類は非常に難しい作業だが、重要なのは自分の調査研究の方法論を考えるにあたっていかに自分の研究が位置付けられるかを考えることである。そのような意味で、シンボリック相互作用論を用いた研究というのは、知的伝統を意識するとても面白いものです。
2016-11-08 23:30:59ただし、デンジン自身のキャリアと『シンボリック相互作用論とカルチュラルスタディーズ』での整理を見ると、デンジンはアイオワ学派の伝統を引き継いでいると理解しても無理はない。その辺も含めて、研究法を位置付ける中でいかにデンジンを位置づけるかは、かなり慎重な作業となる。
2016-11-08 23:27:45以上の理由から、デンジンはクーンからコーチに至る「アイオワ学派」には定義できないと考えられる。実際、Handbook of Symbolic Interactionismではアイオワ学派の中にデンジンは入れられていない。
2016-11-08 23:25:24もっとも、デンジンをはじめ1980年代からはSymbolic Interactionism ではなく Symbolic Interactionという言葉が多くなっている印象がある。この変化をどう評価するかで、思想史的評価も変わると考えられる。
2016-11-08 23:24:02③ 現在のデンジンの関心はポストモダン的なものに向いたり、現在は再び調査概念の研究へ向いているなど、一意的に定められない。シンボリック相互作用を前提とはしているが。
2016-11-08 23:22:11② デンジンの研究は、アイオワから離れた後に質的調査法の取り入れをはじめ、混合研究法(Triangluration概念で知られる)の提起など、クーンにとどまらない視点を有している。
2016-11-08 23:20:31一応解説を加える。① デンジンはクーンの系譜に位置付けられるが(実際本人もSymbolic Interactionism and Cultural Studiesで自己の仕事をクーンに位置付けている)、CouchらのNew Iowa Schoolの方法論には列していない。
2016-11-08 23:16:40Manford Kuhnについてはこちらの記事を参照のこと。Iowa Schoolの創始者ですな。 encyclopedia.com/social-science…
2016-11-08 23:02:06