- gerumanium3_2
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医療の発展により誕生から死まで医療機関の元で過ごす時代になりつつある。産業社会においては生のみを重視し、死から我々の視線を遠ざけてきた。死がタブー化される一方で死がメディアの中で記号化されていった。G.ゴーラーはこれを「死のポルノグラフィー化」と名付けた。
2010-03-22 05:28:40この中で、遺族が肉親の死に対して悲しみを昇華していく作業(=グリーフ・ワーク)が周囲の人間とは切断され、孤立した営みとなっている例も増加している。
2010-03-22 05:31:22医療技術の発展により生命科学において思慮すべき生命倫理のあり方が問われている。其の例として「生活の質/生命の質」(Quality of Life:QOL)のあり方も問われている。
2010-03-22 05:34:321.産業化に伴った生活環境、疾病構造の変容ー死因の構造にみられる結核から生活習慣病への変化にみられるように医療機関での「キュア」から患者の生活領域においての「ケア」への可能性。また、核・小家族化が人間関係の流動化に拍車をかけて子育てや介護の孤立化を生み出している。
2010-03-22 05:42:44福祉国家化とその社会学的理解ー高齢化社会という社会変動を要因しつつ成立してきた社会体制のあり方は「福祉国家」は5つの構成要素をもっていると考えられている。
2010-03-22 05:50:341.制度:社会保障制度の体系的整備ー公的扶助、医療保険、社会福祉サービス等の制度か 2.行政:政府ー管理・実施・財政上の責任を中心的に負う体制 3.法律:生存権保障を含む基本的人権思想の普及 4.経済:政府の経済介入 5.政治:大衆民主主義と利益誘導型政治
2010-03-22 05:54:06以上の要素は19世紀以降の中央政府の権限集中、二つの大戦を経ての社会政策・社会保障政策の整備、第二次大戦後の需要管理型の経済政策と大衆民主主義の一般化などはケインズやヘヴァリッジの思想によって裏付けられ、そのような体制は「ケインズ=ヘァヴァリッジ型福祉国家」と形容される。
2010-03-22 06:00:5320世紀半ば以降の福祉国家の成立や変容の3つの段階。1.ウィンレンスキーの「福祉国家収斂論」ー資本主義国家と社会主義国家との対抗が福祉のあり方を類似の体制を構成していった。そこでは社会保障給付費が経済水準、人口高齢化、社会保障制度経過年数の3つに大きく規定されている事が証明された
2010-03-22 06:05:332.1970年代以降の低成長期に入り、財政負担の増大、生活介入の管理社会的性格への批判、「福祉国家の危機」がOECDなどから唱えられる。先進諸国はその体制を体制内の状況の差異から枝分かれした。
2010-03-22 06:11:39代表例として対比されるのは、英米に代表される「新保守主義」的対応、スウェーデンに代表される政労使協調的な「ネオ・コーポラティズム」的対応の二つである。
2010-03-22 06:12:293.福祉国家を多元的な類型によって捉えようとするエスピンーアンデルセンの福祉(国家)レジーム論。彼の整理によれば脱商品化と社会階層の指標を用いて、「自由主義レジーム」(アメリカ)「保守主義レジーム」(ドイツ)「社会民主主義レジーム」(北欧)と分析。
2010-03-22 06:15:43福祉国家の4つの現実的な批判ー1.福祉国家がもつ再分配機能のうち階層間の垂直的機能への懐疑 2.福祉財源増加の前提たる経済成長がもたらす弊害に対する環境保護主義からの批判 3.福祉国家の前提へのフェミニズムからの批判 4.労働資本の国際化に伴う国籍問題
2010-03-22 06:22:191.階層問題ー初期において福祉においてその対象は貧困層だったが、社会福祉政策の諸整備の充実化によって社会保険といった貧困層以外の階層の保障へ主眼が向かれてきた。有権者の大半を占める中流階層が社会保障の中心となっていき、垂直的再分配という目的が稀薄になりつつある。
2010-03-22 06:29:26福祉国家の潜在機能批判ーフェミニズムからの二つの批判。男性稼ぎ主モデルに代表されるような福祉国家のジェンダー問題への無思慮。医療・保健・福祉の労働や活動へ従事する人々が女性に偏った形で形成される。そこでは育児や介護が女性のアンペイドワークにとなってしまい、男性依存的になる。
2010-03-22 06:35:23福祉国家が屢々想定する「定住地主義」から派生するホームレス問題。この前提が福祉まわりを行うフリーライダーや政策の対象者として取りこぼされる事がおき、社会からの「対応する福祉制度があるのに利用しようとしな人だ」という評価も受ける事がある。
2010-03-22 06:45:12一般に経済成長を達成し、国民の生活水準の向上をはかろうとする論理は、配分比率を変えずに配分される資源量を増やす「パイの拡大」の論理。それに対して福祉国家の論理は、一定の資源量で配分比率を変えようとする「パイの配分」の論理といえる。
2010-03-22 06:52:47一般に経済成長を達成し、国民の生活水準の向上をはかろうとする論理は、配分比率を変えずに配分される資源量を増やす「パイの拡大」の論理。それに対して福祉国家の論理は、一定の資源量で配分比率を変えようとする「パイの配分」の論理といえる。
2010-03-22 06:52:47制度や集団といったメゾレベルで資源配分に関わる様式設定。経済人類学者K.ポランニーを参考に4つに様式をまとめられる。それは自助・互酬・再分配・市場交換である。
2010-03-22 07:02:24