桜舞い散る季節に

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

5 まだどこかですばるを想ってる それでも俺は彼女の傍にいたくて 見ないふりをした 季節が移りゆき 出逢って5度目の春 桜舞い散る季節に彼女を抱きしめ 『結婚…しよ』 プロポーズした 「裕…」 彼女は素直に喜んで 俺を受け入れてくれた #桜舞い散る季節に

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6 『幸せに…なろうな』 これでやっと安心できる 俺より人見知りが激しいすばるは 彼女に近寄ってこないと思ってたし 彼女も卒業して すばると会うことはないと思ってた なのに いつの頃からか 彼女の態度がおかしくなって よそよそしくなって #桜舞い散る季節に

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7 「裕ごめん…今日は……」 抱くのをたまに嫌がった それが毎年春に 実家に帰る頃になると尚更で 「実家でゆっくりしたいから」 ついには独りで帰るようになった 『………』 嫌な予感がして 彼女が乗る夜行バス乗り場へ行くと 『な……んでや』 #桜舞い散る季節に

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8 すばると乗り込む彼女の姿 『嘘やろ……』 俺はそれを遠くから 見ていることしかできなかった いつから……？なんで…？ 考えても分からない 嘘ついてまで引き離したのに なんで一緒に…… でも確かめることもできず 気づかないふりするしかなかった #桜舞い散る季節に

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9 季節は過ぎ 何度目かの春 まだ咲かない桜 「行って来ます」 彼女は実家へ帰る 『気いつけて…』 すばると一緒に…… そして 桜舞い散る頃 彼女はまた戻ってくる 「ただいま」 何事もなかったかのように でも儚く…綺麗で…切ない顔をして #桜舞い散る季節に

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10 『おかえり』 彼女は何も言わない 俺も何も聞かない 『疲れた？』 「…大丈夫」 でも… たとえ何があっても 俺は彼女を離さない すばるには渡さない 俺が愛してるのは 彼女だけだから＿＿＿＿ #桜舞い散る季節に pic.twitter.com/FES8xsRQEU

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1 またこの季節がやってきた 辺り一面咲く淡いピンク色の桜が 私の心を奪ってく 『よっ』 「久しぶり」 夜行バスに乗り込み外を眺める 『今年も綺麗やな』 「そうだね」 『帰って来る頃には満開やな』 「……うん」 毎年ほんの数日一緒にいる #桜舞い散る季節に

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2 それ以外会うことすらない 私とすばるの大切な時間 と同時に裕を裏切ってる時間 ＿＿＿＿＿＿＿ 街で偶然すばると再会した時 それまで抑えていた 忘れようとしていた感情が 一気に溢れ出して 肌を重ね合わせるのに 時間はかからなかった……… #桜舞い散る季節に

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3 淡く儚い記憶と共に すばるの温もりを感じて ずっと一緒にいたいと思った 私は最低な女 地元へ帰ると言って 大阪行きの夜行バスに乗り ２人だけの世界へ ほんの数日……数日だけ そう思って何年も経った 『どした？』 「……ねむい」 『寝てええで』 #桜舞い散る季節に

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4 すばるの肩に頭を落として ウトウト……幸せ でも罪悪感でいっぱいになる 裕は優しい 確かに好きで結婚したのに 今でも好きなのに この季節だけは すばると一緒にいたい 自分勝手な私を見て見ぬ振りして どんな想いでいるのだろう 毎日一緒にいるのに #桜舞い散る季節に

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5 聞けない卑怯な私 それでもやめられない 逢いたいと……思う 『……い、おい、着いたで』 「ん……もう？」 『めっちゃ寝てたな笑』 「そう？疲れてたのかな笑」 『…行くで』 すばるに手を引かれ行く先は 今は誰も住んでないすばるの実家 #桜舞い散る季節に

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6 逢えなかった時間を埋めるように ずっとそばにいて ずっと求め合って ぬくもりを感じながら 目を閉じる ほんの数日… すばるのぬくもりを忘れぬよう ぎゅっと抱きしめて……… そして 辺り一面桜が咲き乱れ 淡いピンク色に染まる頃 『そろそろ行こか』 #桜舞い散る季節に

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7 「うん……」 離れる２人の距離 『大丈夫か？』 「え…？」 『何か考え事してるやろ』 「え？してないよ？」 『ふーん…ほら乗るで』 バス停まで行ったところで すばるの手を離す 『……どしたん』 「あのね…すばる１人で帰って」 『は？』 #桜舞い散る季節に

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8 「なんか最近怪しまれてて… 裕に……だから後から帰る」 『帰るくらい大丈夫やろ』 「でも…」 『やっぱ知られたないん？』 「え…？………う…ん」 『俺はバレてもええで』 「え？！ためだよそんなの…」 『なんで』 「裕を悲しませるから…」 #桜舞い散る季節に

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9 『こうやって会ってる時点で 俺らはあいつを裏切ってんねんで』 「わかってる……」 すばると一緒にいたい でも裕から離れることも出来ない 「…最低だよね」 『引き込んだのは俺や』 「求めたのは私だもん」 『俺は後悔してへん』 「私もだよ」 #桜舞い散る季節に

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10 「大好きだよ…だからお願い １人で帰って……ね？」 『…ちゃんと連絡せーよ』 「うん」 すばるが手を掴み引き寄せる 『また来年……あの桜の下で』 「うん…」 ぎゅっと抱きしめて すばるのぬくもりを感じる 忘れないように……強く #桜舞い散る季節に

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11 そっと髪にふれる大きな手 頬にふれるあったかい手 ふわっと唇がふれて 惜しむように何度も重なる 「す…ばるっ//バス出ちゃうよ//」 『……またな』 「うん…」 忘れないよずっと だから覚えていてね あなたの腕の中にいる私を＿＿＿ #桜舞い散る季節に