深夜のサッカービジネス話

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トニーのおっさん @tonynoossan

どの位から調べ始めたのかは定かではないけど、2006年のW杯時点でドイツ代表や一部ブンデスリーガのクラブは「弱点とミスは違う」という事に気づいていた。

2016-11-14 00:34:14
トニーのおっさん @tonynoossan

「長所を伸ばすべきか?短所を改善すべきか?」という議論は度々起こるけど、 ・弱点を克服すべきか? ・ミスを減らすべきか? どちらが勝利に直結するかをドイツフットボールは調べ始めた。その結果、ミスを減らした方が遥かに勝利に直結する事が分かった。

2016-11-14 00:36:59
トニーのおっさん @tonynoossan

大雑把に言えば万能な戦術など存在しないのだからチームの戦術上、必ず弱点・短所は見つかってしまう。でもミスを減らせば弱点を突かれる可能性は減るし、弱点が露呈する危険も減る。改善すべきは短所や弱点ではなくミスの発生だ。

2016-11-14 00:41:43
トニーのおっさん @tonynoossan

ただドイツフットボール界が調べてみたら ・どんな名手でも必ずミスはするし、どんな試合でもミスは起こる という事が判明した。大半のシュートは枠を逸れ、ドリブルは止められ、パスは奪われる。

2016-11-14 00:44:13
トニーのおっさん @tonynoossan

・出来る限りミスをしない ・ミスをしたらその影響を出来る小さくする フットボールの試合に安全策などない。『ミスを管理する』というリスクのコントロールが勝利への近道だとわかってきた。

2016-11-14 00:46:47
トニーのおっさん @tonynoossan

そこでまず考えられたのが攻撃のミスと守備のミスはどちらが致命的か?これは簡単、守備のミスだ。得点は勝利に繋がり、失点は敗北に繋がる。守備の機会は出来る限り減らす必要がある。この為、ボールポゼッションを放棄するという戦術は非効率的である事が分かってきた。

2016-11-14 00:48:55
トニーのおっさん @tonynoossan

守備機会は出来る限り減らす。それでもミスは起こるのでボールは奪われる事がある。そこで「ボールを奪われた瞬間から敵が攻撃に転じるまでの間にボールを奪えないか?」とドイツフットボール界は考えた。

2016-11-14 00:51:26
トニーのおっさん @tonynoossan

ボールを奪われる場所をコントロールできないか?という「ミスのコントロール」という考え方がドイツフットボール界に浸透し始める。その後、この考え方はゲーゲン・プレッシングという戦術としてヨーロッパに広まるのだが、1つ間違って広まってしまう。 ・ミスを減らせ というのが抜けたのだ

2016-11-14 00:58:49
トニーのおっさん @tonynoossan

「まずミスを減らせ、そしてミスったら即奪い返せ」 が、何故か 「ミスったら即奪い返せ」 だけ広まって行った。恐らくだけど、ゲーゲン・プレッシングって名付けちゃったのがいけないんだと思う。

2016-11-14 01:05:10
トニーのおっさん @tonynoossan

ここまでをまとめると…… ミスを減らす→守備のミスを減らす→守備をする機会を減らす→守備をする機会を減らす為に出来る限りボールを保持する→ボールを保持した状態から攻撃する戦術を組む→攻撃が失敗した場合に即座に奪い返し、守備をしない様にする

2016-11-14 01:09:45
トニーのおっさん @tonynoossan

06年、バルセロナが胸スポンサーとしてUNICEFと契約した事が話題になった。当時のバルサの副会長は「クラブの最も重要な課題は、金儲けではなく社会貢献だ」と胸を張って宣言した。 でも、このおかげでバルサはすげー儲かった。すげーすげー儲かった。

2016-11-14 01:16:16
トニーのおっさん @tonynoossan

ドイツフットボールは「古臭い」「ゲルマン魂」「内容は悪くても最後は勝つ」みたいな従来のイメージからの脱却を考えていた。というのも、強くて結果を出してるのに、弱くて負けっぱなしのイングランド代表の方が儲かってる。何故だ!?と色々腑に落ちなかったからだ。

2016-11-14 01:18:33
トニーのおっさん @tonynoossan

どうもフットボール・ビジネスというのは勝つだけでは儲からないらしい。勝ち続け、有名な選手を獲得し、高額のテレビ放映権を結んで世界中で放映されてるだけではダメらしい。そこまでは分かっていたが、バルサがUNICEFと契約した事でドイツフットボールはある事に気づいた。

2016-11-14 01:21:48
トニーのおっさん @tonynoossan

「重要なのはマーケットシェアだ!マーケットシェアを広げる必要がある!」 勝つ、スター選手を取る、高額な放映権やスポンサーと契約する。こういった事で喜ぶのは既にファンになってる人達で、新たなファンを常に開拓する必要がある事をバルサは理解していた。

2016-11-14 01:24:32
トニーのおっさん @tonynoossan

新たなファンを開拓するにはクラブの高いブランド力や世間から持たれるイメージの方が金や勝利よりも遥かに重要であるとバルサは理解しており、そのイメージを獲得する為にバルサはUNICEFと契約した。結果、バルサのファン層は拡大し始め莫大な利益を生む事になる。

2016-11-14 01:27:14
トニーのおっさん @tonynoossan

ドイツフットボール界もこれに気づき、マーケットシェアの拡大の重要性を理解して運営をし始める。その上でドイツフットボールにとって物凄い重要な人物が世に出てくる。今までのドイツフットボールにもたれたイメージ、堅物や古めかしいイメージとはかけ離れた男。

2016-11-14 01:30:50
トニーのおっさん @tonynoossan

ジョークを言い、選手と共に笑い、そして泣き、ピッチサイドで感情を爆発させる。経営難に陥ったクラブを建て直し、ヨーロッパの舞台で革新的な戦術によって旋風を巻き起こした、ドイツのフットボールビジネスにおいて最も重要な監督の1人。彼の名は…… pic.twitter.com/STwvcD7qF8

2016-11-14 01:35:32
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トニーのおっさん @tonynoossan

2000〜2006年くらいの間でドイツのフットボールビジネスにおいて重要なのは ・バルサが高いマーケットシェアの重要性を世に知らしめた事 ・ドイツがそれに気づいた事 ・その結果、ユルゲン・クロップという監督が注目される様になった事 ザッと調べた限りではこの3つ。

2016-11-14 01:38:31
トニーのおっさん @tonynoossan

改革の扉を開いたクリンスマンが代表から去り、クラブレベルにおいても大きな変化がドイツフットボールに起きた当時、その恩恵を最も受けたクラブがドルトムントだった。その変化の余波はJリーグにも及ぶ事になる。

2016-11-14 01:43:10
トニーのおっさん @tonynoossan

高いマーケットシェアの獲得を目指す過程で、ドイツフットボール界は選手の供給先としてJリーグという鉱脈を見つけてしまう。これはちょっと余談だけど。

2016-11-14 01:47:17
トニーのおっさん @tonynoossan

「ミスを減らす、減らしても起きるミスをコントロールする」という戦術から「高いマーケットシェアの獲得」という経営戦略まで全部繋がっている。そして、グアルディオラのバルサを一番上手く真似て発展させたのがブンデスで、そのブンデスにグアルディオラがやられたというのがこの後に起こる

2016-11-14 01:48:54
トニーのおっさん @tonynoossan

ちなみに同じくらいの頃、プレミアとセリエはイスタンブールやアテネで血で血を争う殴り合いをしている。この時、プレミアは戦術的な研究を怠り、セリエは経営戦略の改善を怠るので、その後リーグランキングの3位争いに戦いの場所を変える事になった。

2016-11-14 01:52:18
トニーのおっさん @tonynoossan

日本サッカーにおいて「ドイツの運営を参考にしよう」という意見を見るけど、経営戦略とピッチ上の戦術は繋がってるので、誰が見ても面白いサッカーをするというのはかなり重要。

2016-11-14 02:01:54
トニーのおっさん @tonynoossan

面白い内容で勝つ つまんない内容で勝つ 面白い内容で負ける つまんない内容で負ける この中で「つまんない内容で負ける」は経営戦略にもダメージを与えてしまう事が判明したので、降格などを気にしないで一定の割合で勝てる状態があるのなら、内容を求めた方が将来的に有利。

2016-11-14 02:03:57
トニーのおっさん @tonynoossan

つまんない内容で初戦に負けた今の日本代表やユナイテッドを見ればわかる通り、経営戦略にまでダメージを負うと何もかもが滅茶苦茶になり、あらゆる面で元の状態に取り戻すのが非常に困難になってくる。つまんない内容をするのなら一敗も許されない。

2016-11-14 02:07:19