【ミリオンスター・サンダーボルト】#3

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ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

【ミリオンスター・サンダーボルト】#3

2016-11-19 20:05:06
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

機材が設置され、指令室と化したトコノマでモモコはいくつものモニタを睨んでいた。ほとんどの構成員が出払ったが、傍にはリトルウルフが控えている。戦況は不明だ。そもそも戦略を学ぶ機会さえなかった少女には、部下を信じることしかできない。イクサはもうじきハイウェイに場を移そうとしている。

2016-11-19 20:10:07
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「大丈夫だよお嬢。ウミ=サンも、ジュリア=サンもいるんだから」「そうだね」飾られた豪奢なセンスを見る。派手好きを豪語する癖に倹約家だった先代組長の、ただ一つの贅沢だった。「…いけない」今は感傷に浸るべきではない。改めてモニタを睨み据える。「お嬢」リトルウルフが牙を剥き、唸った。

2016-11-19 20:15:04
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「やあやあ、ドーモだべさ」その時、トコノマのフスマが開け放たれヒナタが姿を現した。「ザッケンナコラー!」「いったい何の…」ヒナタは殺意など意に介さずタタミ三枚の距離を置き座った。「まあまあ、別に何もしないし一緒に観戦するべさ」二人組の黒服ヤクザが座布団を敷きモニタを置く。

2016-11-19 20:20:09
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「余裕ね。まるで勝ちが決まってるみたいじゃない」「そんなことないよお。あんたんとこのヨージンボーもやるみたいねえ」ジュリア。プラリネ。突然現れた先代の友人というアイドル。組長を暗殺され、窮地に立たされていたモモコにヨージンボーを買って出た…「黙って。今すぐ帰って。殺すよ」

2016-11-19 20:25:06
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「つれないねえ。あたしが何をしたっていうんだい?」「しらばっくれッコラー!先代を暗殺したのはお前だろ!」「それはただの噂さあ」モモコは黙ってモニタを睨み続けた。支えてくれる親代わりの組長はもういない。彼女が組を守らねばならないのだ。落ちぶれた今もなお戦ってくれる彼らのために。

2016-11-19 20:30:11
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「イヤーッ!」ルーントリガーのカタナがプラリネの頬を裂く!首を辛うじて逃したプラリネは仰け反った姿勢からカラテ・ギターを轟かせた!「イヤーッ!」「グワーッ!」至近距離演奏!トラック後方にまで吹き飛ばされる!「イヤーッ!」プラリネの追撃を迎え撃つ暗殺者!しかし足元が覚束ぬ!

2016-11-19 20:35:03
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」プラリネの膝蹴りを受け、ルーントリガーはニカイドから転落!道路脇の閉店酒場に突っ込む!だがジュリアは違和感を覚えた。(((今、自分から…?)))そのアイドル第六感に応えるように、破けたシャッターの向こうから唸り声が上がる!

2016-11-19 20:40:05
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

CRAAASH!シャッターを吹き飛ばし漆黒の鉄塊が飛び出す!滑らかな流線形のボディ、インテリジェントモーターサイクル・クロネコハヤイ!ウォルルルル!圧倒的加速でニカイドに並んだ機体から白黒の影が跳躍!ルーントリガー戦線復帰!クロネコハヤイは自動運転で主に追走する。「しぶといな」

2016-11-19 20:45:05
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「お互い様でしょ。さあ、これからが本番よ」破壊されたハイウェイのカンバンが第二ラウンドを告げた。

2016-11-19 20:50:22
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「ちィ…」グラップラーは味方車上で歯噛みしていた。当初一方的に状況制圧できると踏んでいた彼女だが、敵方の伏兵ロードランナーによってその目論見は阻まれた。時速666キロめいた速度で道路を疾走するアイドルは、グラップラーを翻弄しつつ敵車両を次々と破壊していったのだ。「イヤーッ!」

2016-11-19 20:55:02
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

グラップラーは両手で頬を張った。いけ好かない主人ではあるが、仁義を通さねば女が廃る。何よりも、強敵を前に弱音など吐いては格闘家の異名が泣くだろう。「イヤーッ!」ロードランナーが急加速でグラップラーの乗るヤクザベンツに襲い掛かる!「イヤーッ!」受け止めたのはグラップラーの掌!

2016-11-19 21:00:26
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「アンタ何を…グワーッ!?」グラップラーはそのまま走者を抑え込み、ハイウェイを転がった!「グワーッ!」「グワーッ!」咄嗟に後続車に手を伸ばすロードランナーを更に抑え込む!「バカナ…」そこへ続けて後続車!「グワーッ!」「グワーッ!」両者は車上に轢き飛ばされた!ナムサン!

2016-11-19 21:05:08
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「へへ…放しちまったよ」「アンタ正気…?」「アタシ達はイクサオニだ。もちろん侠気さ」頭から流れ出る血を拭い、闘技者はせせら笑った。その背後を狙う桃紋ヤクザ!「イヤーッ!」「アバーッ!」暗殺者のクナイ・ダートがヤクザ頭部破壊!返す手で4本のダートがプラリネを襲う!「「イヤーッ!」」

2016-11-19 21:10:08
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

プラリネは状況判断した。下のイクサはややこちらが有利か。フーリンカザンを与えられたロードランナーがいい仕事をしている。だがハイウェイを降りるまでに決着を付けねば、敵の増援が待ち受けているだろう。こちらを侮った奢りに付け入らねば勝ち目はない。それが彼女のプランだ。「イヤーッ!」

2016-11-19 21:15:10
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

膠着状態をルーントリガーが破った。彼女はカタナを片手で構え、後ろ手で何かを…(((何かまずい!)))咄嗟にプラリネが飛び掛かるが、その視界の端でクロネコハヤイが俄かに加速し、ニカイドの正面についた。POW!機体の後部から何かが射出された。アイドル動体視力が捉える…腹立たしい印……

2016-11-19 21:20:12
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「アカネ=サンの特別製よ」KABOOM!ルーントリガーの囁きと共に車体下で爆発!激しい衝撃にアイドル2人はカタナを突き立て耐える!KABOOM!あまりにも過剰な火力に車体が揺らぐ!KABOOM!前方から飛んできたスクラップ車を踏み潰し、バランスを崩した超大型トラックが…傾いた!

2016-11-19 21:25:06
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

軋みを上げハイウェイに倒れんとするトラックの側面をアイドルが駆ける!「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」激しく切り結びながら横転車体から脱出!さらにヤクザベンツを蹴り渡り刃を交わす!「イヤーッ!」「イヤーッ!」その後方でニカイドは小さく、やがて彼方に消えた。

2016-11-19 21:30:11
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「ニカイドが…」ノイズ走るモニタを見つめ、モモコは歯を食いしばった。先代の形見が失われようと、ここで屈する訳にはいかない。痛ましくも凛々しく顔を上げたモモコの隣でヒナタが呟いた。「あのブザマなデカブツも、これでお役御免だねえ」「イヤーッ!」「ンアーッ!」おお、ナムアミダブツ!

2016-11-19 21:35:03
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

風林火山コマンドグンバイを顔面に受けヒナタがひっくり返る!怒りに震えるモモコの手は強く握り締められたが為に既に血が滲んでいる!「ザッケンナコラー!スッゾコラー!」オヤブンのジゴクめいた怒気に当てられ、タマキさえもが震え上がった。「やってくれるねえ」鼻血を拭いヒナタが立ち上がる。

2016-11-19 21:40:11
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「よくもオヤブンをコラーッ!」「この旧時代の遺物がーッ!」激しく揉み合う!ここにもう一つの譲れぬイクサが幕を開けた!

2016-11-19 21:45:06