twblnovel 9・10・11月 2016秋季

「twblnovel」タグに書いた短文。+α。
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ハウリル @how_howlite

一駅を歩く理由は惜しいから。君はお金が、僕は時間が。 #BL短歌

2016-10-21 00:13:02
ハウリル @how_howlite

「本気か?」と問えばすぐさま「本気だ」と返す男の充血した目 #BL短歌

2016-10-22 00:27:15
ハウリル @how_howlite

うちの換気扇が常に動いてる理由なんだけどさ。だいぶ前、ふと換気扇の方を見たら、羽の間の暗闇から、こっちを覗く目を見付けちゃったのね。その目と目が合った瞬間、急いで換気扇のスイッチを入れて。そしたら目も消えたんだけどさ。それ以来、換気扇は常に動きっ放しなわけよ。 #twnovel

2016-10-25 23:34:39
ハウリル @how_howlite

帰り道に墓石がある。内藤さん家の墓らしいが、誰なのかは知らない。ある日、誰の仕業か知らないけど、墓石が倒されていた。心無い悪戯をするものだと、倒れた墓石を眺めながら思った。あくる日、墓石は元通りになっており、こんな紙が貼ってあった。『近日、田代さんを追加』 #twnovel

2016-10-26 23:58:07
ハウリル @how_howlite

気兼ねなく連絡できる仲だけど送信できぬ想いもあって #BL短歌

2016-10-29 00:35:08
ハウリル @how_howlite

子供の悪戯。ハロウィンに、下駄箱に届いたラブレター。呼び出された場所には、いつも誰もいない。小学校、中学校、高校と続いたから、ずっと自分と一緒の学校に通ってるやつが犯人だ。でも、大学はそうはいかない。このラブレターもついに届かなくなるのか。そう思ってた。 #twblnovel

2016-10-31 02:41:26
ハウリル @how_howlite

ハロウィンの当日に、家のポストにラブレターが届いた。消印が無いから、手紙はこの家に直接届けられたのだ。小学校の頃から同じ相手なのだから、俺の家を知っていても不思議ではない。なにより、内容も殆ど一緒だから、同一人物の仕業に間違いないのだ。俺は、安堵していた。 #twblnovel

2016-10-31 02:43:37
ハウリル @how_howlite

「あなたのことが好きです。今日の○○時に、××で待ってます」そんな簡潔な手紙だ。もちろん、今回も待ち合わせ場所に行ったところで誰もいないのだろう。本当に、ただの悪戯なのかもしれない。でも、ただの悪戯で、こんなにも長い間、同じことをしていられるだろうか? #twblnovel

2016-10-31 02:45:55
ハウリル @how_howlite

特徴的な「て」と「と」を書くお前が、本当は何を思ってこんな悪戯を続けるのか。本当は何を思ってこんな手紙を書き続けているのか。本当は、何を思っているのか。臆病な俺は、待ち合わせ場所でどれだけ待ちぼうけをしたとしても、それを直接聞き出すことはできそうにない。 #twblnovel

2016-10-31 02:50:18
ハウリル @how_howlite

“いい人”が初めて見せた獣の欲に貪り喰われた一夜 #BL短歌

2016-11-05 23:50:04
ハウリル @how_howlite

どちらがチョコ側を咥えるかで争うから、キスした方が早い #BL短歌

2016-11-11 01:07:24
ハウリル @how_howlite

ポッキーを見てる。もしくはポッキーを咥えたままのリップを見てる。  #BL短歌

2016-11-11 01:11:40
ハウリル @how_howlite

口実を用意したくてコンビニへ買いに走った妄想男子 #BL短歌

2016-11-11 01:18:32
ハウリル @how_howlite

「先生がするべきことは、教育者ぶったり大人ぶったりして、『君の感情は憧れや尊敬から来る気の迷いだ』なんて説教じみたことを言って問題を有耶無耶にすることじゃない。僕が好きだから告白を受け入れるか、僕の好意が迷惑だから告白を断るか。イエスかノーか答えることだ!」 #twblnovel

2016-11-15 01:38:28
ハウリル @how_howlite

漆黒の部屋に真青な夜が溶け、残されたのは俺と『さよなら』  #BL短歌

2016-11-20 01:33:10
ハウリル @how_howlite

一人でも生きていけると、一人にはなれぬお前が強がる寝床 #BL短歌

2016-11-20 01:49:43
ハウリル @how_howlite

煙草や飴など、口寂しいのを誤魔化す癖がある人は、乳幼児期の授乳体験を本能的に望んでいるという。つまりは、甘えたいという欲求の表れだそうだ。「つまり、俺のこれもそういうこと?」「ミルク違いだろ」男達の下卑た笑い声を浴びながら、口の端に付いた精液を舐め取った。 #twblnovel

2016-11-23 02:01:29
ハウリル @how_howlite

夜中にふと目が覚めてしまった。なので、隣で寝ている男を起こさぬようにベッドを抜け出す。股から滴る雫を気にも留めず、台所へ行き、棚から蜂蜜とティースプーンを取り出した。トロトロとした琥珀色の蜜を掬って、口の中へと注ぎ込む。甘い蜜が、痛んだ喉に纏わり付いた。 #twblnovel

2016-11-28 01:11:35
ハウリル @how_howlite

本に突っ伏して寝ている姿を見て、呆れてしまった。開きっぱなしで、頭を栞代わりにしている本を、涎で汚れる前に救出する。何を読んでいたのやら、と、タイトルを確認すると、コイツが好んでは読まない啓蒙本だった。そんなに俺と話す話題が欲しかったのかと、笑ってしまった。 #twblnovel

2016-11-28 01:20:25