ニンジャスレイヤー二次創作【ショドー・オブ・シャドー】 #2

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横島孝太郎 @yokosimakoutaro

ニンジャスレイヤー二次創作作品 ショドー・オブ・シャドー #2

2016-12-11 14:00:57
横島孝太郎 @yokosimakoutaro

「ハァーッ・・・ハァーッ・・・!」目を血走らせながら、ショドーカはどうにかショドーを書き終えた。「スシ、スシ、を」ショドーカはスシ・パックへ手を伸ばす。しかして震える指先は、スシどころかコメツブすら見つけられない。当然だ、とうの昔に食い尽くしていたのだから。1

2016-12-11 14:05:53
横島孝太郎 @yokosimakoutaro

「・・・ウ、ヌ、ウゥーッ!」怒りにまかせ、ショドーカは空のパックを弾き飛ばす。極度の消耗がショドーカの神経を逆立てていた。2

2016-12-11 14:10:58
横島孝太郎 @yokosimakoutaro

消耗。然り、彼は書き続けていた。ニンジャスレイヤーが出口の無い袋小路に迷い込んでから、ずっと。時間の感覚はとうの昔に失せている。一体いつからこうしているのだろう。一時間?二時間?あるいはそれ以上か?3

2016-12-11 14:16:07
横島孝太郎 @yokosimakoutaro

トライリーフムシとのイマジナリー・カラテを幾度も重ねたニンジャスレイヤーの足取りは、もはやバイオナメクジめいて緩慢。それはオタッシャ一歩手前で繰り広げるブザマなボン・ダンス。そうである筈だ。こうした動きをするニンジャを、ショドーカは今まで幾人と無く見てきた。4

2016-12-11 14:20:59
横島孝太郎 @yokosimakoutaro

だというのに、モニタへ映るニンジャスレイヤーは、いくら待ってもそのオタッシャへ至る気配がない。「バカな・・・何故だ・・・何故まだ生きているのだ、ニンジャスレイヤー=サン!」モニタを睨むショドーカ。四角い窓に映るニンジャスレイヤーは、緩慢な足取りで袋小路を回っていく。5

2016-12-11 14:25:55
横島孝太郎 @yokosimakoutaro

一歩。一歩。また一歩。その動きはジツにかかっていると言うよりも、何かを探しているような動作にも思えて。「あり、えん。ワタシ、のジツを、見破ったとでも・・・?」震える指。滴る筆先。ぽたりと落ちる一滴は、ショドーカの膝頭にイカスミめいた染みとなって広がった。6

2016-12-11 14:31:13
横島孝太郎 @yokosimakoutaro

こんなブザマを、ショドーカは一度たりとも、した事がなかった。「ウヌーッ!そんなはずは無い!そんなはずは!ヤツは既に死に体のはずなのだ!」再びへし折った筆もそのままに、ショドーカは今し方書き終えた「おマミ」のショドーを持って立ち上がる。7

2016-12-11 14:36:03
横島孝太郎 @yokosimakoutaro

「イヤーッ!」そしてバク転で壁際に移動し、バッファローにぴたりと背を預ける。音も無く回転するシークレットドア。かくてショドーカは、今まで以上の殺意とカラテを込めたショドーを通路の壁へ――。8

2016-12-11 14:40:59
横島孝太郎 @yokosimakoutaro

「グワーッ!?」ナムサン、動きを縫い止められ、貼り付けられない!何故か!?答えはショドーカの足下にあった!おお、見よ!ボンボリの明かりを反射し、鈍い光をたたえる鉄の星を!これこそは非人道兵器マキビシ!ニンジャスレイヤーは堂々巡りをしながら、密かにこのマキビシを撒いていたのだ!9

2016-12-11 14:45:54
横島孝太郎 @yokosimakoutaro

更に、ニンジャスレイヤーが仕掛けていた罠はこればかりではない!「イヤーッ!」曲がり角の向こうから、突如として響いて来るニンジャスレイヤーのカラテシャウト。だがトライリーフムシとのアイサツは聞こえなかった。これは一体?10

2016-12-11 14:51:01
横島孝太郎 @yokosimakoutaro

コンマ一秒、脳裏へ閃いた疑問符は、しかしすぐさま塗り潰される。即ち、足首へ食い込んだ鉄の爪によって。「グワーッ!?」悲鳴を上げるショドーカだが、鋼鉄の爪はがっちりと掴んで放さない。それどころか、ショドーカの身体を凄まじい勢いで引きずり始めた。「グワーッ!? グワーッ!?」11

2016-12-11 14:55:55
横島孝太郎 @yokosimakoutaro

「お先にどうぞ」己が貼り付け、ニンジャスレイヤーがネオン看板と錯覚していたショドー。それらに見下ろされながら、ショドーカは体勢を立て直すべく藻掻いた。だがその努力が実を結ぶ前に、ショドーカは引きずり出された。12

2016-12-11 15:01:01
横島孝太郎 @yokosimakoutaro

即ちマキビシと共に設置していた鋼鉄の爪を、ドウグ社製フックロープをたぐり寄せていたニンジャの元へと。「ドーモ。ニンジャスレイヤーです」距離、タタミ五枚。ようやく外したフックロープを収納しながら、ニンジャスレイヤーは深々とオジギした。13

2016-12-11 15:06:00
横島孝太郎 @yokosimakoutaro

「ヌウウ・・・ドーモ・・・ショドーカ、です、ッ!貴様いつからトライリーフムシ=サンと戦うフリをしていた!?どうやってワタシのジツを破った!?」「状況判断だ」切って捨てるニンジャスレイヤーだが、読者諸兄にはそうもいくまい。彼がサブリミナル・ジツを見破れた理由。それは――。14

2016-12-11 15:10:53
横島孝太郎 @yokosimakoutaro

((グッハハハハハハ!思った通りに釣れよった!良き釣果ぞ!))邪悪なるニューロンの同居者、ナラク・ニンジャによるサブリミナル・ジツの看破。そして、ニンジャ新陳代謝を促進するチャドー呼吸。この二つによって、ニンジャスレイヤーはショドーカの罠から脱する事が出来たのである。15

2016-12-11 15:15:53
横島孝太郎 @yokosimakoutaro

((しかし儂が指摘するまで犬めいて袋小路を回っていた有様、実にブザマであったぞフジキドよ。やはりここは儂に身体を明け渡し――))「イヤーッ!」ナラクの声を塗り潰しながら、ニンジャスレイヤーは決断的に踏み込む。チョップ突きを繰り出さんとする。16

2016-12-11 15:20:57
横島孝太郎 @yokosimakoutaro

「イヤーッ!」だがその動きよりも、ショドーカの踏み込みがコンマ一秒先んじた。ヤバレカバレめいた怒りが、彼のニンジャ反射神経をブーストしたのだ。加えてショドーカの手には「おマミ」が、必殺の武器であるショドーが今だ握られていた。17

2016-12-11 15:26:01
横島孝太郎 @yokosimakoutaro

(ヤツがいかな方法でサブリミナル・ジツを破ったかは知らぬ! だがゼロ距離でこのショドーを直視したならば、『ワタシはセプクします』という極小文字を詰め込んだこのショドーを見たなら、間違いなく殺せる!)「死ね!ニンジャスレイヤー=サン!死ねェーッ!イィヤアァーッ!」18

2016-12-11 15:31:25
横島孝太郎 @yokosimakoutaro

かくてショドーカは、ニンジャスレイヤーの眼前へ「おマミ」のショドーを決断的に突き出す。「イヤーッ!」だがニンジャスレイヤーのチョップ突きは些かも鈍る事無く、ショドーカの胸部を貫いた。「アバーッ! バ、バカな。ナンデ・・・?」19

2016-12-11 15:36:01
横島孝太郎 @yokosimakoutaro

震えるショドーカの指から、するりとショドーが落ちる。その向こうから現われたニンジャスレイヤーの双眸は、ナムサン、決断的なまでに固く閉じられているではないか!これぞナラクの助言によってもたらされた、サブリミナル・ジツ破りの極意であったのだ!20

2016-12-11 15:40:57
横島孝太郎 @yokosimakoutaro

「これも真のニンジャの世界だ」くわ、とニンジャスレイヤーの双眸が開く。殺意に爛々と燃える目に、ショドーカは恐怖した。「サツバツ!」ニンジャスレイヤーはショドーカの胸から腕を引き抜く。今だ脈打つ心臓を握り締めながら、「イヤーッ!」ショドーカへ強烈な回し蹴りを叩き込む。21

2016-12-11 15:46:16
横島孝太郎 @yokosimakoutaro

「グワーッ!」吹き飛ばされ、壁に大の字に叩き付けられるショドーカ。そこは奇しくも、トライリーフムシが爆発四散した場所と同じであった。ニンジャスレイヤーはザンシンする。掌中の心臓を握り潰す。「サヨナラ!」同時に、ショドーカは爆発四散した。22

2016-12-11 15:51:00
横島孝太郎 @yokosimakoutaro

「スゥーッ・・・ハァーッ・・・」チャドー呼吸によってニンジャ新陳代謝を高めながら、ニンジャスレイヤーは通路を進む。ショドーカが開いたままにしていたシークレットドアを潜り、目的のものを見つけ出す。即ち囚われの身であった相棒、ナンシー・リーを。23

2016-12-11 15:55:53
横島孝太郎 @yokosimakoutaro

艶めかしい肢体を拘束するロープを、ニンジャスレイヤーは手早く切断。長時間拘束されていた手首の具合を、ナンシーは難儀しながら確認する。「無事か、ナンシー=サン」「ええ、何とかね。ありがとう、助かったわ」24

2016-12-11 16:01:35