◆獅子◆【ライフウェイ・オン・ザ・スシレール】◆二次創作な◆
- sakatamaki
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(「'ω')「◇獅子◇(「'ω')「 これから流すのはニンジャスレイヤーの2次創作私的小説です なんだかダラダラしているがご容赦 タグは考えつかないのでとりあえずつけない (「'ω')「◇ニンジャ◇(「'ω')「
2014-01-19 14:34:02ネオサイタマ、カラブクロ駅屋上。26時。ウシミツ・アワーの闇は、あらゆるものを覆い隠してしまう。巨大都市の喧騒も、サラリマンたちの嘆きも、ユーレイ・ゴス達の一夜の馬鹿騒ぎも、ニンジャの闇のイクサでさえも。 1
2014-01-19 14:38:40「グワーッ!腕、腕グワーッ!」まだらな黒装束のニンジャが悲鳴を上げる。獲物と思しき警棒を持ったまま、その右腕が3箇所で無残に折れ曲がっている。「インタビューだ。ビリークラブ=サン。聞かれたことを話せば一思いに殺す。話さねば苦しんでもらってから殺す。」 2
2014-01-19 14:39:38ウシミツ・アワーの闇の中からもう一人、赤黒いニンジャが姿を表した。禍々しい殺気を隠しもせず、淡々と黒装束のニンジャ…ビリークラブ…の方向に歩を進める。「待て……待て」「慈悲はない」」言うが早いか、赤黒のニンジャはビリークラブの左ヒザをケリ・キックで踏み抜いた。 3
2014-01-19 14:43:48「グワーッ!アイエエエ!膝!膝―ッ!」膝を支点に左足が複雑骨折し、骨が皮膚を突き破ってあべこべに飛び出した。なんたる無慈悲!サツバツ!「話す気になったか」赤黒装束のニンジャの顔には、恐怖を煽る字体で「忍」「殺」の文字が彫刻されている。その目は怒りで赤黒く輝いていた。 4
2014-01-19 14:45:41「言う!言うからやめてくれ!ニンジャスレイヤー=サン!」「ネオサイタマ・レールウェイ社に何が起きている……」「アイエエ!アバーッ!アバーーッ!」 5
2014-01-19 14:46:5410分後、カラブクロ駅の屋上でニンジャが爆発四散した。それを見たものは誰もいない。見たとしても、己の正気の方を疑うであろう。ニンジャがこの世に存在するなど、本気にしているのはカトゥーンに夢中な子供ぐらいだ。ネオサイタマを包むウシミツ・アワーの闇に、赤黒のニンジャの影は消えた。6
2014-01-19 14:48:07事の発端は、不自然な自殺死体だった。ネオサイタマ・レイルウェイ社、通称NR社の車掌、カラヤマ・エイイチの死体が、NR社の所有地であるヤマナテ・ラインの線路上から回収されたのだ。とはいえ、自殺者の遺体が線路上から回収されることは、このマッポーの社会では特段珍しいことではない。 7
2014-01-19 14:50:45人間の限界を超える超過残業。薄給。ムラハチ。薬物ドリンク中毒。内蔵を売ってもなお足りない借金ジゴク。むしろ後を絶たないと言っていい。従ってNR社では、駅のホームを全て自殺防止用フェンスで覆い、開閉扉以外は鉄道車両すら見えない仕様にしている。 8
2014-01-19 14:52:31「車両についた血痕が見えないように」などという、あまり出来の良くない噂が囁かれるほどだ。それでも、どこからか線路上に侵入し、ジャガンナートの前の狂信者めいて己の身を投げ出す者が毎日のようにいる。 9
2014-01-19 14:54:25そのため、NR社路線の全線路上にはドロイド技術による完全自動死体回収・軌道洗浄システムが完備されており、24時間365日、安定した運行が可能になっているのだ。 10
2014-01-19 14:54:52NR社の仕事は過酷であり、鉄道員の自殺も実際絶無ではない。カラヤマ車掌の遺体は、死体回収システムの手によって回収され、カンオケに入れられて遺族の手に渡った。ここまではどうということはない、マッポーの世においてはオイランニュースの話題にもならないような話だ。 11
2014-01-19 14:57:03しかし、悲しみに耐えかねた遺族はパンドラの箱を開き、それを発見してしまった。スイスチーズめいて穴だらけの遺体を。遺族の疑念はNR社に向けられ、NR社からは返答として、相応以上のカネが渡された。遺族は納得せず、なおも食い下がった。次に返答として降ってきたのはボーであった。 12
2014-01-19 14:58:58加えて通報。マッポの取り調べ。名誉毀損の訴訟。遺族はカラヤマ車掌が、なにか恐ろしいことに巻き込まれたのだと知った。腐敗したメディアも残らずそっぽを向き、孤立し、絶望した遺族は悲鳴のようにIRCBBSにわずかな書き込みを残した。 13
2014-01-19 15:03:26それが、暗黒非合法探偵の相棒であるヤバイ級ハッカー、ナンシー・リーのIRC監視システムに捉えられたのは、偶然であったろうか?それともニンジャソウルの呼ぶ必然であったろうか?いずれにせよ、暗黒非合法探偵イチロー・モリタ……ネオサイタマの死神・ニンジャスレイヤーは活動を開始した。14
2014-01-19 15:07:02ヤマナテ・ラインは首都ネオサイタマの中央を巡る巨大環状鉄道路線である。サラリマンたちは日々、ヤマナテ・ラインに乗って出勤し、営業し、帰社し、帰宅する。ヤマナテ・ラインはネオサイタマ経済の中心を支える大動脈であり、必然的に、殺人的な乗降客数を誇る。 15
2014-01-19 15:13:19毎朝毎晩、マケグミ・サラリマン達がバッテラのごとくスシ詰めとなり運ばれていく。カチグミ・サラリマンたちは先頭付近のカチグミ車両に乗車するが、そことてシンカンセンほど快適ではない。彼らは一様に、不便さを灰色のスーツと共に自らのアイデンティティとして受容し、家畜めいて輸送される。16
2014-01-19 15:16:31マッポーの経済社会を支えるヤマナテ・ラインの発車本数は常軌を逸しており、1時間に30本の電車が、1秒の狂いもなくホームを発着する。サラリマンの世界は時間厳守であり、それを支えるNR社のダイヤグラムは、更に厳しく守られているのだ。 17
2014-01-19 15:18:22昼14時。朝晩のラッシュアワーの谷間的時間。比較的空いているヤマナテ・ラインで、それでも吊り革につかまりながら、草色のトレンチコートの男……暗黒非合法探偵イチロー・モリタは、昨日のビリークラブのインタビューを反芻し、事件の核心を探し求めていた。 18
2014-01-19 15:22:34イチロー・モリタ……ニンジャスレイヤーが調査を開始して間もなく、相当な数のNR社の車掌が短期間に自殺していることが分かった。異常な状況に、さらに内偵を進めたニンジャスレイヤーは、NR社で進行している何らかの事態は、やはりニンジャ組織による陰謀であることを知る。19
2014-01-19 15:27:23NR社の内部治安組織・ネオサイタマ・レイルウェイ・ポリス…通称NRPは、ある日からニンジャの支配する所となり、秘密警察めいて内部の人間を恐怖統制する組織へと変貌した。それどころかNRPの警備人員まで、全てすり替わった。新しい警備員は全て同じ顔、同じ声。クローンヤクザである。20
2014-01-19 15:31:30暗黒メガコーポの一角であるヨロシサン製薬が生み出したこの悪魔的商品は、当然、一般には流通していない。つまり、強力な外部からの干渉がある。それを確かめるため、ニンジャスレイヤーはNRPの本部に乗り込み、NRPのトップに収まっていたビリークラブから情報を聞き出し、爆発四散させた。21
2014-01-19 15:35:57結果は…アマクダリ・セクト。政財界に根を張り、ニンジャスレイヤーと敵対する謎多きニンジャ組織。NR社で起きている事態は、アマクダリによる乗っ取りに他ならない。カラヤマ車掌はそれに反抗して殺されたのだ。(((レイルウェイマン…それが、NR社に入り込んだニンジャの首魁…))) 22
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