- laurassuoh
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元貴族でヴァンパイアハンターに家を滅ぼされるまで働いたことなどなかった誇り高き吸血鬼のヴァイトきゅん。しかし下等な人間社会で生きるにはお金が必要なのである。アイドルデビューした姉・ヴァンピィのような行動は品位を落とすと断固反対し、家を飛び出した彼は現在ホームレス。
2016-12-15 23:08:46吸血鬼ハンターの手が及ばぬ国、日本の東京は、ヴァイトきゅんの故郷であるペンシルバニアと同じくらい寒い。ヴァイトきゅんがお金を稼ぐためにはどうしたらいいのか考えていると、声を掛けてくる一人の青年がいた。彼はヴァイトきゅんを女の子と間違えたのである。
2016-12-15 23:11:34ヴァイトきゅんはたどたどしい日本語で事情を説明する。すると青年・グランは彼にお金をくれると言う。その条件はグランが持っている服をいくつかヴァイトきゅんが着て、ホテルの一室で撮影させてほしいというものだった。その写真をどこかに発表したりしないという条件でヴァイトきゅんはOKする
2016-12-15 23:21:47喫茶店でグランを待ち(そこも彼のおごりだ)、一緒にホテルへと赴いたヴァイトきゅん。やけに豪華な内装のホテルだが、通常のホテルと何となく違う気がする。グランはそんなことお構いなしに持ってきた服をスーツケースから出していく。まずは、そう。女学園の制服、セーラー服である。
2016-12-15 23:28:39「な、なんだこれはっ! 下がスースーするぞ?」ヴァイトきゅんはスカートの存在を知らなかったのである。いや、知っていたかもしれないが、実際に穿いたことはなかったのだ。ヴァイトきゅんはスパッツのようなパンツでふとももの半分くらいまでを覆っている。しかし、その膝小僧やふくらはぎは丸見え
2016-12-16 01:30:39である。グランは早速シャッターを切っている。ヴァイトきゅんはスカーフを直しながら、姿見に映る自分の姿をチェックする。悪くない、似合っている。しかし、どうもこの服は女性用だ。グランの趣味は分からないが、誇り高いヴァイトきゅんは(そして年相応に恰好つけたい彼は)男らしい恰好を望む。
2016-12-16 01:33:17「グランさん、ボクは別の服が着たいのだけれど」 「別の? いいよ、じゃあ選んで」 グランがスーツケースから取り出す服はどれも女性用の服だった。ヴァイトきゅんは腹を立てる。 「ボクは男だ。男の服はないの?」 「困ったな。君が男なのは知っているけど、お金を払うのは俺だぜ?」
2016-12-16 01:35:41「……」 普段のヴァイトきゅんならばお金のために女装するという行為は、誇りを捨てるに等しいとして断固拒否するだろう。だが、彼はお金に困っていた。ヴァンピィの稼いだお金に頼る生活はもうしたくない。それこそ、誇りを捨てている。それにグランはヴァイトきゅんが何を着ても褒めてくれる。
2016-12-16 01:38:41小さな優越感に浸って自尊心を満足させながらお金をもらうことができるのだ。 「じゃあさ、ヴァイト。女の子の服を着るのが嫌なら俺にいい考えがある」 揺れるヴァイトきゅんの心を知ってか知らずか、グランはカメラを置いてヴァイトきゅんの肩に手を置いた。 「君が女の子になればいいんだよ」
2016-12-16 01:40:41ヴァイトきゅんはシャワーを浴びていた。グランはここに来る前に浴びてきたらしいが、ヴァイトきゅんはヴァンピィの家を飛び出してから1週間もお風呂に入っていないのだ。グランはそれでもいいと言っていたが、ヴァイトきゅんがそれを許さなかった。湯気立ち込めるシャワー室でヴァイトきゅんは状況を
2016-12-16 02:04:07整理する。グランの言った「ヴァイトは女の子になればいい」この言葉の意味。ヴァイトきゅんはその意味するところが初め理解できなかった。しかし、グランはたたみかけるようにヴァイトきゅんの前に札束を重ね、「今夜だけでこれ、どうかな?」と言ったのだ。何をされようと、従うしかない。
2016-12-16 02:10:52これから何をするのかは分からないが、シャワーを浴びさせたということはそういうことなのだろう。フェルドラク様、今は亡き領主様もグランと同じ趣味を持っていた。男娼。しかし、ヴァイトきゅんはその具体的な行為については無知である。故に彼はグランについて考える。顔は、悪くない。
2016-12-16 02:13:45美形ではないが整っているし、何より親しみやすい笑顔がいい。幼さと大人っぽさが同居した、不思議とこちらを安心させて包み込む笑みだ。まさに英雄的な……グランになら、何をされても大抵のことは許せる気がする。見たところ清潔だし、男らしい魅力にあふれている。同性として、彼は魅力的な男だと
2016-12-16 02:16:11断言できる。ヴァイトきゅんは同性愛者というわけではない。しかし、男女の区別よりも相手の性格や外見、品格を重視していることは確かだ。つまりグランとなら、まだ知らないそういった行為に及ぶこともやぶさかではないのである。心構えはできていた。そう、思っていたのだが……
2016-12-16 02:17:59「まっ、待て、どうして裸になっているんだ!」 シャワー室から出てみると、巨大なベッドの上には全裸のグランがいた。腹筋は割れていて胸板も厚い。しかもそんな男らしさを暑苦しさではなくセクシーな色気にかえている。服を着ていた時とは大違い。だが、ヴァイトは(きゅんはとります、長いので)
2016-12-16 02:26:57そんなことよりもグランの股間が気になっていた。バスローブ姿のままチラチラとそれを盗み見る。 「恥ずかしがるなって、男同士だろ?」 確かに。グランの言うこととは半分当たっていた。二人は同じ性別だ。しかし、「ぬ、脱がないぞ!」ヴァイトの自尊心はズタボロだった。なぜならグランの股間に
2016-12-16 02:28:46聳える肉欲の権現は東京スカイツリーで、それに比べたらヴァイトの男の象徴はラジカセのアンテナがいいところ。グランはヴァイトを女の子にすると言ったが、一物の竹を比べただけで、すでにヴァイトは女の子のようなものだった。 「とりあえず上だけでも脱いでみてよ」
2016-12-16 02:32:45「わ、わかった……」 グランの視線を感じながらバスローブを腰のあたりまで脱ぐ。おかしい、男同士なのに見つめられると緊張してしまう。グランの目がだんだんと露わになるヴァイトの鎖骨、胸、腹、腰に注がれる。あぁ、お腹の奥が熱い。どうしてだろう、グランに見つめられるとヴァイトはすっかり
2016-12-16 02:36:11のぼせてしまう。 「綺麗だ……ヴァイト、君の身体は最高だ」 「そうかな、ありがとう。グランさん」 ヴァイトは無意識に内股になっていた。グランがあまりにもまじまじと見つめるものだから恥ずかしくなってきて片手で胸を隠す。
2016-12-16 02:38:31「腕をどけて。綺麗な身体を見たいんだ。それと、グランさんってのはなしだ。俺のことは今夜、グランお兄さんと呼んで」 有無を言わせぬ口調。仕方ない、選択の余地はないのだ。ヴァイトは両腕を身体の後ろに回してグランに上半身を披露する。 「グ……グラン、お兄さん……どう、だろうか……」
2016-12-16 02:40:16「最高だね。肌は大理石みたいに白くて傷一つない。ちょっと肋骨が浮いているのにふっくらとしている胸周りも完璧。くびれから腰のラインは芸術的だし、おへそも綺麗だ。何より気に入ったのは乳輪の色。控え目なサイズなのに乳首は自己主張する大きさで見事な桜色。言うことない。君は最高だ」
2016-12-16 02:48:28グランに手放しでほめられてヴァイトは紅潮を抑えられなかった。 「そ、そうか……それはよかった」 「さて、そっちの方も見てもらいたがってるんじゃないかな?」 グランが指差したのはヴァイトのバスローブで隠された部分だった。そこは、何ということか、立派なテントを張っていたのである。
2016-12-16 02:56:22「こっ、これは!」 ヴァイトは慌ててそこを手で隠す。グランに見つめられるだけで自然と硬くなったそこは上向きになっていた。だが、ヴァイトのものはたとえマックスに勃起してもグランに比べれば貧相なものだ。 「隠さないで。大丈夫。大きさなんて関係ない。むしろ小さいなら最高さ」
2016-12-16 03:09:28「で、でも……」 グランの目は嘘を言っていない。ヴァイトは吸血鬼、人間の嘘を見抜くのはたやすい。 「頼むよ、ヴァイトの裸が見たいんだ」 グランはすでに裸である。お金も貰っている。ヴァイトも見せなければフェアじゃない。吸血鬼の誇りが羞恥心に勝った。卑怯な態度は最悪だ。
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